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菌活コラム

冬の身体をリセット!腸のケアで一足早く春の身体へ

2025.02.01
冬の身体をリセット!腸のケアで一足早く春の身体へ

2月3日の立春を過ぎると、暦のうえでは春が始まります。まだまだ寒さは続きますが、春は気温が上がり心も身体も活動的になる季節。春本番も健康的に過ごせるよう、一足早く冬の身体をリセットして春を迎える準備をしていきましょう!
そこでポイントとなるのが「腸」です。腸は寒さや運動不足により動きが鈍くなりやすく、寒い季節は便秘など腸の悩みも多くなります。腸の働きを整えることで、冬の間に体内に溜まった老廃物を排出し、身体に必要な栄養素を吸収することが春を楽しむ身体づくりへの近道です。

INDEX

消化管の長さは9メートル!生きる上で欠かせない腸の機能とは?

毎日の食事は、口から摂取し肛門から便として排泄されるまでに、食道から胃、腸の中を約24〜72時間かけて移動します。これらの通り道は消化管と呼ばれ、全長約9mにも及びます。その中で最も長い器官が「腸」であり、腸では、生きるために必要な様々な働きがあります。そこではじめに、腸の主な3つの働きについてご紹介します。

① 食べ物を消化し、栄養素を吸収する

口や胃、腸から分泌される消化液で消化されたそれぞれの栄養素は、腸の内側にある絨毛と呼ばれるヒダから体内に取り込まれます。腸にはタンパク質や脂質を分解する役割もあり、消化・吸収の両方の面において、人が生きる上で重要な役割を担っています。

② 水分を吸収して便をつくり、老廃物を排出する

栄養素が吸収された後、腸では「水分」の吸収も行われます。水分が正常に吸収されると、その他の食べ物の残りカスは程よい硬さの便として排出されます。しかし、腸の調子が悪いと水分が吸収されずに下痢になったり、水分が吸収され過ぎて便が硬くなると便秘を引き起こしたりします。

③ 菌やウイルスから身体を守る

消化管は食べ物と一緒にやってくる細菌やウイルスなどの様々な病原体と常に接しています。そのため、腸の内側には病原体の侵入を防ぐ粘液が備わっています。また、約7割の免疫細胞が腸に存在しており、侵入した病原体を退治する働きを担っています。

このように、腸には人が生きるために欠かせない様々な機能が備わっていることから、腸は別名「第二の脳」とも呼ばれています。活動的な身体を叶えるためには、まずこの生命活動の要とも言える「腸」の調子を整えることが大切。そして、腸を整えるために有効なのが「食事」と「運動」です。

腸ケアのカギは「食物繊維」と「短鎖脂肪酸」

腸にとって重要な栄養素といえば「食物繊維」です。食物繊維は、便のかさを増やして排便を促したり、腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やしたりするなどの働きがあります。
また、腸内細菌が食物繊維を分解して作り出す「短鎖脂肪酸」という成分には、

  • 腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える
  • 大腸の粘膜を刺激してぜん動運動を促進する
  • 抗炎症作用があり、腸の炎症を抑制する

といった、腸を健康に保つのに欠かせない効果があります。短鎖脂肪酸には他にも、腸を整えるだけでなくダイエットや免疫維持など身体を健康に保つ効果も期待できるため、食物繊維を摂って腸を健康に保つことは様々なメリットがあるのです。

そんな食物繊維が豊富な食材といえば「きのこ」です。きのこは菌類であるため、他の食材と比べても食物繊維の量・種類が多いことがわかっています。
人の腸にいる善玉菌は、人によってその種類が異なります。善玉菌によっても、エサにできる食物繊維が異なるため、きのこのように食物繊維の種類が多い食品は腸にとって嬉しい食材。また、きのこを定期的に食べることで腸の短鎖脂肪酸が増加したという研究結果も得られており、腸を整えるためにも、通年通して手に入る「きのこ」を食事に取り入れることがおすすめです。

腹筋を意識した運動で腸へのアプローチを

食事に加えて、腸を整えるためには適度な運動も効果的です。腸は「ぜん動運動」という、うねうねとした動きによって便を押し出します。そのため、身体を意識的に動かすことでその動きを促す効果が期待できます。室内で行う際には椅子に座りながら身体を捻ったり、腹筋やヨガをしたりするのがおすすめです。

その際は腹筋に力を入れて行うのがポイントです。単純に腰を捻るといった方法では腰痛を招く恐れもあるため注意が必要。1日に数回、数分からでもトライしてみてはいかがでしょうか。

食物繊維が豊富なきのこを毎日に食事に取り入れることで無理なく腸の働きを整え、冬の間に蓄積した老廃物をリセットできます。また、腸が整うことで、便秘や下痢の解消はもちろん栄養素の吸収も行えるようになり、春に向けた身体の準備もスムーズに進みます。食事にきのこをとり入れたり、適度な運動などを行ったりしながら、春本番をアクティブに楽しめる身体をつくっていきましょう。

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profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

石井 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士

志摩 龍之介
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士

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