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菌活コラム

健康な1年のために。1月は腸内フローラ強化月間!

2025.01.20
健康な1年のために。1月は腸内フローラ強化月間!

1月も後半となりお正月ムードも抜けてくる頃。この時期は年末年始のイベント、お正月休みでの食事の影響に加えて、寒さや運動不足によって腸に負担がかかりやすくなります。1年の始まりとなる1月を健康に過ごすためにも、健康の要である「腸の健康」を意識していきましょう。

INDEX

1月26日は「腸内フローラの日」。健康の土台となる腸内環境を改めて意識しよう!

1月26日は「腸内フローラの日」と言われており、年末年始や飲み会シーズンで食生活が乱れやすい1月と「フ(2)ロ(6)ーラ」の語呂合わせにより制定され、腸内フローラを整える大切さを啓発することが主な目的とされています。

私たちの腸内には多種多様な腸内細菌が存在しており、その数はなんと約1,000種100兆個!この腸内細菌が密集する様子が「お花畑(英語でflora)」のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内フローラは、消化しづらい食べ物を身体に良い栄養物質へと作り替えたり、腸内の免疫細胞を活性化したりして病原生物から身体を守るバリア機能を向上させるなどの役割を持っています。

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の腸内細菌が存在しており、理想的なバランスは2:1:7といわれています。健康な腸内では善玉菌が悪玉菌の繁殖を抑えていますが、このバランスが崩れて悪玉菌が優勢になると便秘や下痢、肌荒れやアレルギーなどを引き起こすこともあるため、善玉菌が優勢な「腸内フローラ」に整えることが健康の第一歩となります。

人の免疫機能維持に欠かせない「腸管免疫」とは?

また、腸には免疫細胞の約7割が集まっており、「腸管免疫」というシステムが働いています。腸管免疫とは、病原体が口や鼻から入ってくると腸内で有害なものと判断され、腸内で分泌される抗体によって病原体が退治されるというもの。

加えて、腸内細菌である善玉菌、日和見菌、悪玉菌は、腸内で互いに競い合って優劣を争うだけでなく、免疫細胞が病原菌を見分けるためのトレーニング相手にもなっています。多種多様な腸内細菌がいることで、腸は腸壁から血管や細胞に侵入しようとする病原体を見分けて退治することができ、いわゆる免疫機能を維持することができます。最近の研究では、腸内細菌の存在があってこそ、人体にとって有害で攻撃すべき敵(病原体)の特徴を学習できると言われているのです。

健康な腸を維持する生活習慣のポイントはこの2つ!

健康的な生活を送るためには、腸内フローラのバランスを整え、腸管免疫の機能を高めることが大切。そのために必要な2つのポイントをご紹介します。

ポイント1:腸内細菌のエサになる食物繊維を摂る

一つ目のポイントは、「善玉菌」のエサになる「食物繊維」を摂ることです。ヨーグルトなど「善玉菌」そのものが含まれる食品を摂取する方法もありますが、腸に棲む善玉菌の種類は人によって大きく異なるため、善玉菌そのものを摂取しても、その善玉菌が自分の腸に100%合うとは限りません。一方、善玉菌のエサになる「食物繊維」を摂ることで、自分の腸内の善玉菌を育てることにもつながるため、より効果が得られやすいと考えられています。

中でも菌類である「きのこ」は菌類特有の分解酵素を持ち、他の食材よりも多くの種類の食物繊維を含むと言われています。また、食物繊維の量も多いため、効率的に腸を整えることができる食材です。
きのこを1カ月間毎日食べる実験では、実際に腸内細菌の多様性が向上し、「腸内フローラ」が改善したという結果も得られています。食物繊維を摂ることは腸内環境を整えることに加えて、血糖値の上昇を抑える、血中コレステロールを下げるなど様々なメリットも期待できます。ぜひきのこを食事に取り入れる「菌活」で手軽に健康的な身体づくりを叶えましょう。

ポイント2:腸と直結する「自律神経」を整える

2つ目のポイントは、腸と直結する「自律神経」を整えること。そのためには、睡眠不足の解消や疲れ・ストレスの解消を心がけることが重要です。眠っている間は副交感神経が優勢になりますが、睡眠不足は常に交感神経が優位な状態を作り、自律神経の乱れを引き起こします。就寝前からリラックスすることを意識しておくことや、心地よく眠れる環境を作ることが自律神経のバランス維持には有効です。
また、疲れやストレスを感じている状態が長く続くことも自律神経が乱れる要因となります。自分なりのストレス発散方法を見つけたり、深呼吸をしたり、心身がリラックスできる休息時間を意識的につくることも大切です。

きのこに含まれるGABAやオルニチンには、気持ちを和らげ、睡眠に関わるホルモンの分泌を促すことで良い眠りに導く働きが期待されています。また、きのこに豊富なビタミンB1は疲れのケアにも役立ちます。毎日の生活の中でほっと一息つく時間を作るとともに、「菌活」も取り入れることで健康を司る自律神経を整えていきましょう。

健康のために欠かせない「腸内フローラ」。多種多様な腸内細菌を育て、免疫機能も高めるには、「食事」と「生活習慣」の質がカギを握ります。腸ケアに効果のあるきのこで「毎日の菌活」を心がけて、今年1年を健康で元気に過ごしていきましょう。

今月のおすすめ菌活レシピ

profile

池田 正典
医療法人雨宮病院 副院長 / 群馬大学医学部 卒業

石井 華帆
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士

志摩 龍之介
雨宮病院リハビリテーション部 / 理学療法士

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