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きのこで解明!ドクター’s クエスチョン supported by 雨宮病院

きのこで冬のケガ予防!きのこと柔軟性の関係を検証!

2021.11.01
きのこで冬のケガ予防!きのこと柔軟性の関係を検証!

だんだんと寒い日が増え、つい、家にいる時間が長くなったり、運動量が減ったりしやすくなる時期。寒さも相まって、筋肉も硬くなりがちに・・・。そんな冬の入り口は、転倒による骨折など「ケガ」も起こりやすいと言われています。
そこで今回は、きのこを食べることで筋肉の動き、特に「柔軟性」がどのように変化するのかを調査しました。

試験DATA

◆試験期間:2021年4月14日~2021年6月15日(3か月)
◆被験者数:50~60代の女性 合計6名
◆試験方法:試験前後、立った状態から前屈を行い、指と床の距離を測定
◆食べたきのこの種類と量:エリンギまたはブナシメジ 1日合計約100g

検証結果

前屈の記録の変化

前屈の記録の変化

きのこを3か月間摂取した前後で、立った状態から前屈を行い、指と床の距離を測定したところ、きのこ摂取群では試験前後で指と床の距離が2%縮まった=柔軟性が高まったのに対し、きのこ非摂取群では3%上がった=柔軟性が低下しました。

総評

今回の結果においてきのこが柔軟性に明らかに関与するとはいいきれませんが、きのこ摂取群においては柔軟性の微増が見られましたが、きのこ非摂取群では柔軟性が低下する傾向がみられ、きのこを摂取することが筋肉の柔軟性の維持に役立った可能性が考えられます。
10月にご紹介した「きのこ摂取により運動機能が維持された」時と理由は似てくると思いますが、きのこの継続的な摂取により食物繊維、ビタミン(特にビタミンB群やビタミンD)、ミネラル、アミノ酸等がしっかりと摂れたことで、健康的な身体を維持でき、身体活動量の維持・身体の可動域にも影響し、結果的に柔軟性の維持・改善に繋がった可能性があります。
筋肉は年齢の増加と共に硬くなりやすく、大きなケガの原因にもなります。きのこの摂取や日々の食事で体調を整え、運動量を維持していただくと共に、丈夫な骨や筋肉の維持に役立つビタミンやミネラルを食事から摂取することで、いつまでも元気な身体で、いきいきとした毎日をお過ごしいただければと思います。

profile

池田 正典(いけだ まさのり)

群馬大学医学部 卒業 / 日本整形外科学会 所属
医療法人雨宮病院 副院長
当院 大腿骨頚部骨折センター 副センター長

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