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きのこで解明!ドクター’s クエスチョン supported by 雨宮病院

きのこがフレイル予防に?!きのこと運動機能の関係を検証!

2021.10.01
きのこがフレイル予防に?!きのこと運動機能の関係を検証!

穏やかな気候の日が増え、スポーツにもぴったりの季節になりました。
しかし、長引く外出自粛の影響もあり、いざ外に出てみると身体が疲れやすかったり、筋力の低下を感じたりという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、きのこを食べることで「運動機能」がどのように変化するのかを調査しました。

試験DATA

◆試験期間:2021年4月14日~2021年6月15日(3か月)
◆被験者数:50~60代の女性 合計6名
◆試験方法:試験前後に10m歩行を行い、かかった時間を測定
◆食べたきのこの種類と量:エリンギまたはブナシメジ 1日合計約100g

検証結果

10m歩行にかかった時間の変化

10m歩行にかかった時間の変化

きのこを3か月間摂取した前後で「10m歩行」を実施し、かかった時間の平均を比較したところ、きのこ摂取群では試験前後で差が見られなかったのに対し、コントロール群では4.3%低下するという結果になりました。

総評

きのこ摂取群においては数値の維持が見られましたが、きのこ非摂取群では数値が低下する傾向がみられ、きのこを摂取することが筋力の維持に役立った可能性が考えられます。
きのこには腸を整える食物繊維が豊富なため、腸内環境を整えることで栄養素の吸収が良くなることや、多大なミネラル含有量があり、ビタミン含有量ともに体調を整えることができるため、健康な身体づくりに寄与したと考えられます。また、きのこには骨や筋肉づくりに必要なビタミンDが含まれるため、骨や筋肉の維持にも寄与したかもしれません。
今回はきのこを摂取することで筋力維持の傾向がみられましたが、きのこの摂取と併用して定期的な運動習慣を取り入れることで、さらに筋力アップへの効果も期待できます。特に高齢の方になると「フレイル」の心配も生じ、筋力の維持は重要な課題になっていきますので、きのこ摂取をはじめとした食生活の見直し、加えて運動習慣の確立なども検討いただき、日々の健康づくりを行って頂ければと思います。

profile

池田 正典(いけだ まさのり)

群馬大学医学部 卒業 / 日本整形外科学会 所属
医療法人雨宮病院 副院長
当院 大腿骨頚部骨折センター 副センター長

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