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きのこで解明!ドクター’s クエスチョン supported by 雨宮病院

きのこで脳の働きも良くなる?!集中力ときのこの関係を検証!

2021.09.01
きのこで脳の働きも良くなる?!集中力ときのこの関係を検証!

残暑の時期になり、夏の間、知らず知らずのうちに溜まった疲れも表面化しやすい時期になりました。
そんな時期は「なんだか頭がぼーっとする」「なんとなく集中できない」という方も多いのではないでしょうか。きのこは脳と深い関わりのある食物繊維や、脳の働きに不可欠なビタミンB群やアミノ酸のGABAが多く含まれているため、今回は、きのこを食べることで「集中力」や「頭の回転」がどのように変化するのかを調査しました。

試験DATA

◆試験期間:2021年4月14日~2021年6月15日(3か月)
◆被験者数:50~60代の女性 合計6名
◆試験方法:試験前後にクレペリン検査を行い、回答数・正解率を測定
◆食べたきのこの種類と量:エリンギまたはブナシメジ 1日合計約100g

※クレペリン検査とは、隣り合う数字の合計の下1桁をその数字の間に書き込んでいく心理検査。数字は1行あたり115個あり、合計30行分行います。
1行にかけられる時間は60秒間で、60秒経ったら次の行に進み、15分(15行)+5分(休憩)+15分(15行)で計算を実施します。

検証結果

回答数・正解率の変化

中性脂肪と総コレステロールのグラフ

きのこを3か月間摂取した前後で「クレペリン試験」を実施し平均回答数と正解率を比較したところ、回答数についてはきのこ摂取群で平均9%増加、コントロール群で1%増加という結果となり、正解率については大きな差はみられませんでした。

総評

きのこ摂取群において数値の上昇がみられました。脳と腸は自律神経により密接な関係があるため、きのこに豊富な食物繊維により腸内環境が整ったことや、きのこには脳の働きに不可欠なビタミンB群やアミノ酸のGABAが含まれるため、これらの栄養素を継続的に摂取することで、脳の働きが良くなる・集中しやすくなるなどの良い効果が生まれた可能性が考えられます。
腸を整えることで自律神経が整うことや「うつ」への効果が期待されるなど、「腸は第二の脳」とも呼ばれるほど精神・脳と密接な関係がありますので、腸を整え、心身ともに健康な毎日を送ってもらえればと思います。

profile

池田 正典(いけだ まさのり)

群馬大学医学部 卒業 / 日本整形外科学会 所属
医療法人雨宮病院 副院長
当院 大腿骨頚部骨折センター 副センター長

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