人類が知りつくせないほどの種類があるきのこ。その一部をご紹介します。
【きのこアルバム】ナスコンイッポンシメジ
全国的にもうすぐ梅雨明けを迎え、いよいよ夏本番といった日々がスタートしますね!
暑い夏に似合うのは・・・やっぱり青い海と白い雲。そこで今回は、クジラやイルカなど、海洋生物の表皮に似ている?!ユニークなきのこ「ナスコンイッポンシメジ」をご紹介します。
ナスコンイッポンシメジは、夏~秋にかけて、針葉樹や広葉樹などさまざまな樹木に生えるきのこで、本州から九州にかけて幅広く生息が確認されています。傘の大きさは3.5~5㎝程で、傘表面は暗い紫色のきわめて細かな鱗片(りんぺん)に密に覆われています。柄は、傘とほぼ同じ色で細かい鱗片に密におおわれていて、柄の根元は白色の菌糸に包まれています。傘の裏のひだの色は白色で、成熟していくと黄色をおびた淡い紅色へ変化するのも特徴です。裏返して見てみると、傘表面の色とのコントラストが美しいですね。
今回のナスコンイッポンシメジはどちらかというと紺色が強いものですが、名前の通り茄子のような紫色が鮮やかな個体も発生することがあります。動物と同じく、きのこも個体差が大きいので野生のきのこ観察ではそういった違いを楽しむのもよいかもしれませんね。
さて、ナスコンイッポンシメジの最大の特徴のひとつは、傘の色と鱗片。
鱗片は鱗皮(りんぴ)とも呼ばれており、様々な形状のものがあります。過去にきのこアルバムで紹介したものの中では、棘のような痛々しい「ツノシメジ」や「コウタケ」、岩にひびの入った模様の「マツオウジ」や「オニイグチ」、独特な形状の「キララタケ」などなど、きのこそれぞれに違った特徴があります。この鱗片の役割に関しては不明な点が多いのですが、一説によればきのこ表面の乾燥防止や保護などの役割が考えられるそうです。しかしながら未だにこういった身近な疑問の答えが見つかっていないことを考えると、きのこの奥深さが垣間見えるような気がしますね。
今回ご紹介しているナスコンイッポンシメジは、傘表面の細かい鱗片が斑点のようなまだら模様を織りなしていて、中心から放射状に広がる美しいグラデーションは、まるで海洋生物の表皮を彷彿とさせます。海や水辺とは真逆の環境に生息するきのこの姿に、海洋生物を感じるなんて不思議ですね…!


さて、今年の夏は、海やプールなどいつも通りの夏の楽しみ方…とはいかないかもしれませんが、2020年の夏は一生に一度だけ。それぞれの夏、きのこと共に健康で豊かな時間を過ごしていただければ嬉しいです♪
*************************
≪出典≫
・今関六也・大谷吉雄・本郷次雄編(2011)増補改訂新版 山渓カラー名鑑 日本のきのこ.山と渓谷社,東京.
「こんなきのこを見つけた!」という情報がありましたら是非きのこらぼに教えてください♪きのこ発見!情報を送る
◆◇◆ナスコンイッポンシメジ◆◇◆
以下よりご使用のパソコンの解像度を選択してダウンロードしてください。
・1280×1024
・1600×1200
・1920×1200
▼Windowsの場合
表示された画像の上でマウスの右ボタンをクリックし、
メニューから「デスクトップの壁紙として設定」を選択してください。
▼Macintoshの場合
表示された画像の上で、
「controlキー+クリック」→「画像をディスクにダウンロード」。
「Apple Menu」→「システム環境設定」 > 「デスクトップとスクリーンセーバー」を選択し
「デスクトップ」のタブを表示。
その上へダウンロードした画像をドロップしてください。
任意の画像の配置方法を選択し、「デスクトップに設定」ボタンをクリックしてください。
きのこの壁紙をGET!「きのこアルバム」アーカイブはコチラ
今おすすめのきのこレシピ
-
霜降りひらたけと彩り野菜のうま煮
「三寒四温」となる春先は、自律神経の乱れによるメンタル面の不調にも気をつけていきましょう。そこで、春の食材を使用した優しい味わいの一品をご紹介♪きのこに豊富な食物繊維は、自律神経と深く関わる腸を整えることで心と身体のケアに役立ちます。また霜降りひらたけはうま味が豊富なため、減塩にも効果的。素材をゆっくり煮て作るヘルシーな一品です。
レシピを見る