【きのこアルバム】アミスギタケ

いよいよ夏本番。夏休みがはじまれば、子どもたちが元気に外で遊びまわる姿を見かけることも増えますね。
そこで今回は、子どもの大好きな遊具「ジャングルジム」を思わせるような、傘の裏側の「網目」が特徴的なきのこ「アミスギタケ」をご紹介します。

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アミスギタケは、春から秋に掛けて広葉樹の枯木や切株に群生するきのこ。
日本各地をはじめ、世界各地に広く分布しています。

傘の裏面にはアミスギタケの最大の特徴である網目状の「管孔」があります。
管孔とはきのこの胞子をつくる部分で、アミスギタケは「ヒダ」がないかわりに「管孔」をもち、そこで胞子をつくります。（身近なきのこでは、「ヒダ」のあるきのこにはエリンギが、「管孔」のあるきのこにはマイタケがあります）

アミスギタケはその「管孔」が大きく、放射状に延びた楕円形の、くっきりとした穴がみられます。
その様子が「網」に似ていたことや、傘表面がスギの木肌に似ていることがアミスギタケの名前の由来といわれています。
またこの特徴から、地方名では、あなあき、あなぼこ、はちのすと呼ばれて昔から親しまれてきたようです。

一方、アミスギタケは傘の表面も特徴的。
傘の中心は窪みがあり、色は黄白色から淡茶色、そして、表面には暗褐色でささくれ状の鱗片が見られます。

また、アミスギタケは傘の直径は1～5cm程度、厚さは1～3㎜とあまり大きなきのこではなく、比較的小柄なきのこに分類されます。

このように小さなアミスギタケですが、広葉樹の枯木や切り株に群生し、木材を分解することで土に還す役割も。森の掃除役として活躍する、とてもパワフルなきのこの一つです。

ちなみに、食べられるかどうかは不明とされています。諸説ありますが、肉質が堅いため食には向かないのではとも言われておりますので、もしアミスギタケに似たきのこを見つけた際には、傘の裏側の「管孔」を観察するなどして、目で見て楽しむようにしていただければと思います。

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夏本番、自然の美しさが一層輝きを放つこの季節。きらめく太陽の元、熱中症など体調には十分お気を付けいただきながら、この季節を楽しんでいきましょう。

【出典】
・今関六也・大谷吉雄・本郷次雄　編（2011）「増補改訂新版　山渓カラー名鑑　日本のきのこ」株式会社 山と渓谷社，東京
・前川二太郎　編著　（2021）「スタンダード版　新分類　きのこ図鑑」株式会社 北隆館，東京
・本郷次雄　監修　（1999）山渓フィールドブックス⑩「きのこ」株式会社　山と渓谷社,　東京
・今関六也・本郷次雄　編（1989）「原色日本新菌類図鑑（Ⅰ）（Ⅱ）」株式会社　保育社,　大阪

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