“朝起きられない”お子さんに朗報!その原因と解決に導く食事の工夫で元気な1日を
2026.04.13
新年度を迎え、子どもたちは新しい学年やクラスでの生活が始まっていますね。楽しみな気持ちと同時に、少し緊張や不安を感じながら毎日を過ごしているお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
一方で、4月は保護者の方々も環境の変化が大きかったり、忙しさが増したりするため、子どもの“朝の時間”に戸惑うご家庭も少なくありません。学校に行く支度がなかなか始められなかったり、声をかけてもすぐに起きられなかったり…。保護者の方も仕事などで家を出る時間が決まっている場合も多く、朝はどうしても慌ただしくなりがちです。
実際、一般社団法人 起立性調節障害改善協会の小学生から高校生の保護者を対象にした調査では、約8割の家庭で「子どもが朝起きづらい」と感じているようです。新しい生活が始まる新年度は、このような「朝の悩み」を改善する良いタイミングにもなるのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもが朝起きられない理由や、朝起きられるようになるための習慣・食生活のヒントをご紹介します。日々のちょっとした生活や食事の工夫で、新年度も元気に楽しんでいきましょう。
INDEX
朝起きられない 3つの原因とは

先程もご紹介したように、実際に約8割の家庭で「子どもの起床」について悩みを感じているようです。そこには、子どもならではの原因も。
そこではじめに、子どもが朝起きられない主な3つの原因をご紹介します。
① 生活環境の変化
4月は、子どもたちにとって生活環境が大きく変わる時期。クラス替えや担任の先生の変更、新しい友だちとの関係づくりなど、これまで以上に多くのストレスがかかります。さらに、新しい環境に慣れるまでは、子ども自身も無意識のうちに緊張しているため、交感神経が優位な状態に。すると気づかないうちに心身に疲れがたまったり、質の良い睡眠がとれなくなったりすることで、朝の目覚めが悪くなってしまうのです。
② 長期休暇による生活リズムの変化
今は春休みが明けたタイミングでもあります。春休みに限らず長期休暇明けは「朝起きられない」という子どもが多くなることも。
長期休暇は比較的、食事をとる時間や起床時間、就寝時間が変化しやすくなります。学校のある時とは異なる生活リズムが長期間続くことで、学校が始まってもすぐには元のリズムに戻れず、朝すっきりと起きにくくなってしまいます。
③ 体内時計の未発達
私たちの身体には「体内時計(既日リズム)」と呼ばれる仕組みがあり、朝の光を浴びたり、食事をとったりすることで整えられています。しかし、子どもはまだ体内時計を整える働きが発達の途中にあるため、②で紹介したような生活リズムの変化によって体内時計がずれやすく、目覚めにくくなったり、午前中にぼんやりしてしまったりすることがあります。
このように、「朝起きられない」という状態は、単にやる気の問題ではなく、新しい環境による変化や生活リズム、身体の仕組みが重なって起こることが多いのです。
「朝起きられる」サイクルをつくる食事のチカラ
ここまでご紹介したように、朝起きられないのは生活リズムや環境の変化が影響しています。一方で、朝すっきりと目覚めたり、体内時計を整えたり、午前中から元気に活動するためには、食事による栄養補給も欠かせません。
私たちの身体は、食事からとった栄養素をもとにエネルギーをつくります。特に朝は、寝ている間に身体を修復するためにたくさんのエネルギーが使われるため、エネルギーが枯渇した状態になっています。そのため一日を元気に始めるためにも、「朝食」で効率よくエネルギーを生み出すことが重要です。また「朝食を食べる」という行為は、身体にスイッチを入れて体内時計を整えるための重要な役割もあります。
このときに欠かせないのが、「ビタミンB群」と呼ばれる栄養素です。
ビタミンB群は、食事からとった糖質やたんぱく質、脂質をエネルギーに変える際に働く栄養素で、「エネルギー代謝を支える役割」を担っています。ビタミンB群が不足すると、身体の中でエネルギーが作られにくくなり、朝からだるさを感じたり、ぼんやりしやすくなったりしてしまいます。
ビタミンB群は、水溶性ビタミンの一種で体内に蓄積されにくいため、毎日の食事でこまめに補うことが大切です。肉類や魚類、穀類、そしてきのこ類などに豊富に含まれていますが、中でもきのこは、どんな料理にも合わせやすいため、毎日の食事にとり入れやすい食材の一つです。
また、朝気持ちよく起きるためには、食事で睡眠の質を高めることも大切です。きのこにはビタミンB群の他にも、睡眠ケアに役立つ栄養が豊富に含まれています。例えば、きのこに豊富なオルニチンはストレスホルモンに働きかけて寝つきや目覚めをサポートするため、睡眠の質を高めるのにピッタリの食材です。
今日から実践!“朝起きられる”リズムをつくる食習慣

前の章でもご紹介したように、「朝起きられる」ようになるためには、「朝食」をしっかり摂ることで体内時計を整えることが大切です。特に、主食(ごはん・パンなど)に加えて、たんぱく源の肉類や魚類、卵などに、野菜やきのこを組み合わせることで、エネルギー源となる三大栄養素とそれを活用するためのビタミンB群の両方を補えます。
とはいえ、子どもが朝起きなければ、十分に朝食を食べさせることも難しいもの。少しずつできるところから始めて、「朝気持ちよく起きる」そして「朝食をしっかり食べる」という習慣に繋げていけたらよいですね。
忙しい朝は、「しっかり準備しなければ」と考えると負担になってしまいますが、まずはできる範囲で整えることがポイントです。例えば、前日のうちに簡単な下ごしらえをしておいたり、具だくさんのみそ汁やスープのように、一品で複数の食材がとれるメニューをとり入れたりするのもおすすめです。
前日に準備しておくことで、朝は温めるだけで食事が整い、時間のない日でも無理なく続けやすくなります。また、このようなメニューに、栄養豊富なきのこ類を加えるのもおすすめです。きのこは、下ごしらえも簡単で火が通りやすいため、普段の食事に加えるだけで、無理なく栄養をプラスすることができます。
さらに、バランスの良い朝食をとることの他にも、体内時計を整えるためには、起きたらカーテンを開けて光を取り入れることや、夜遅くにスマホやゲーム、テレビといった強い光を浴びすぎないことを心がけることも大切です。
これらすべてを完璧に行う必要はありません。「朝ごはんに一品足してみる」「朝起きたらカーテンを開ける」など、小さな工夫から始めることで、無理なく継続していきましょう。
<Let’s Eat!>きのこの力で子どもの健やかな成長をサポート
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ブナシメジとツナの炊き込みご飯
ツナのうま味とブナシメジの風味がマッチした炊き込みご飯です。炊飯器に材料を入れるだけで手軽に作れるため、朝食にもおすすめです。ご飯の炭水化物とツナのたんぱく質、きのこに含まれるビタミンB群が、1日の始まりに必要なエネルギー補給をサポートします。
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きのこでパワーチャージ!塩炒め
豚肉ときのこを使ったシンプルな塩炒めは、手軽に作れて食卓に取り入れやすい一品です。きのこの他、豚肉にもビタミンB1が豊富なため、効率よく体内のエネルギーを産生してくれます。ごはんとの相性もよく、成長期の子どもの身体づくりにも取り入れやすいメニューです。
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きのこと春雨のクリームスープ
野菜ときのこのうま味が溶け込んだ栄養満点のスープです。きのこに豊富なビタミンB₆は、牛乳に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンが「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンを生成するまでの代謝を助けるため、寝つきを良くするのに役立ちます。まろやかな味わいでほっと一息つけるので夕食にも食欲のない朝食にもおすすめです。
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味噌きのこ
きのこのうま味を活かした味噌きのこは、おかずはもちろん、作り置きにもピッタリの便利な一品です。きのこにはビタミンB群やオルニチンが豊富なため、エネルギー補給や睡眠ケアに欠かせない栄養をこの一品でとることができます。そのまま食べても料理に加えるのにもピッタリのため、朝食でも夕食でもおすすめの一品です。
profile
松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士免許を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、修士(スポーツ科学)


