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5月の特集テーマ
自然の中で遊ぶ! 食べる! アウトドア&BBQ大作戦

おしゃれで楽しい、スマートバーベキュースタイル

2017.05.15

手軽なのにおいしくて、後片付けもラクラク。今までにない新しいスタイルのバーベキュー。お肉だけでなく、様々な趣向でお客様のおもてなしにも役立つ、進化したBBQの魅力をご紹介します。

手軽なのにおいしくて、後片付けもラクラク。今までにない新しいスタイルのバーベキュー。お肉だけでなく、様々な趣向でお客様のおもてなしにも役立つ、進化したBBQの魅力をご紹介します。

加納 陽さん(Hinata Kano)
教えてくれたひと
大野倫子(Rinko Oono)
管理栄養士、KITCHENCRUISER代表、東京スマートバーベキュー協会元代表。「食を通して心もきれいになる」ことを確信し、「身体を悪くした人をゼロまで戻すより、悪くならない人を増やすこと」に注力。笑顔が広がる食スタイルを多面的に提案し続けている。自身が主催するサークル「KITCHENCRUISER」では広報とディレクションを担当。
http://kitchencruiser.com/

5月のトレンドコラムでは、最新アウトドア情報をお伝えしていますが、今回から2週にわたって、屋外アクティビティの大定番・バーベキューのおしゃれで楽しい新スタイルをご紹介します。お話をうかがったのは、上級バーベキューインストラクターの資格を持つ管理栄養士・大野倫子さん。料理レッスンなどを行う“移動式レストラン”「KITCHENCRUISER」を主宰するかたわら、「スマートバーベキュー」の普及に尽力しています。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、夏に向けたダイエットの大敵でもある「便秘」の根本的な解決は“しっかり食べること”と、お伝えしていますが、「スマートバーベキュー」は、まさに“食べること”の楽しさや喜びに満ちた、新しいBBQのスタイルです。

スマートバーベキューの魅力は
屋外での調理をみんなで楽しむ一体感。

大野さんは、現在、管理栄養士として勤務しながら、休日を利用して栄養レッスン会やタイ料理レッスン会を開催する「KITCHENCRUISER」の活動をしています。その過程で出会ったのが、これまでにないスタイルの「スマートバーベキュー」でした。

「それまでにも、実家の梨園でバーベキューをよくやっていたんです。でもそれはBBQというより『焼肉』。網の上にバラ肉を乗せて焼肉のタレで食べて、最後は焼きそばで締めるような、よくある日本のやり方でした。ところがある日、知り合った方がバーベキューに合わせてハムを燻製で手づくりしていると聞いて、がぜん興味を持ったんです。その方がスマートバーベキューというものを教えてくれました」

大野さんによれば、スマートバーベキューとは、簡単に言えば「ガーデンパーティー」形式のバーベキューのこと。従来のような「焼きながら食べる」という焼肉形式とは異なり、調理に工夫を凝らして、みんなで一体感を感じながら調理も食事も楽しむというもので、カリブ海からアメリカのテキサスに渡って発展を遂げた本来のバーベキュー文化を広めるため、日本バーベキュー協会が提唱しているスタイルです。

BBQ

「私が、このスタイルに一番感動したのは、日本バーベキュー協会のインストラクター試験を受けたときのこと。そこでピットマスター(BBQを取り仕切る人)たちが、あうんの呼吸でさまざまな調理を行う様子を目にして、すごくかっこいいなと思ったんです。ぐいぐい引き込まれて、前に出てメモをとりまくっていたので、変わったやつが来たぞって思われていたでしょうね(笑)」

その後、上級インストラクター資格を取得し、東京スマートバーベキュー協会代表を務めるまでに熱中。「KITCHENCRUISER」でもバーベキュー部を立ち上げ、さまざまなイベントを企画するようになりました。実家の梨園に「情熱」と名付けた燻製ボックスを設置して「燻製BBQ」を行ったり、中華メニューを取り入れた「ニイハオ!BBQ」や、女子目線で食器やアイテムをセッティングした「乙女のスマートBBQ」を開催したり・・・その輪は回を追うごとに広まっているそうです。

女子BBQ

BBQを楽しむためにもっとも大切な「おもてなしの心」。

では、スマートバーベキューとは、どんなものなのでしょうか? 前菜からデザートまでフルコースで提供すること、ピットマスターが腕を競うように焼くこと、ピットマスター以外の参加者も調理に参加して「みんなで」楽しむこと・・・。特徴はいくつもありますが、象徴的なのが、日本バーベキュー協会が選定した「スマートバーベキューの為のバーベ九則」という心構え。

キャンプ

「この『バーベ九則』に書かれているのは、要するに『おもてなしの心』なんです。たとえば、事前にゴミを減らす工夫をしておくこと。食材をパックから出してジップロックに入れておくだけでも、ずいぶん当日の手間やゴミの量が違います。もちろん、終わったあとの掃除や後片付けもしっかりして。ゲストもホストも、みんなが楽しんで、気持ちいいバーベキューにしようということですね」

ちなみに「焼ける前に一品」とあるのは、薄切り肉を焼くのとは違って、かたまり肉を焼くスマートバーベキューでは焼き上がりに時間がかかるから。ピットマスターが調理をしている間に、そのほかの参加者が前菜を用意するのも楽しみのひとつで、カナッペやフルーツの盛り合わせを用意したり、あるときは手巻き寿司をやったこともあるのだそうです。

キャンプ

『食べ物を炭にするべからず』も、従来のバーベキューと異なるところですね。よく、最後に焼け焦げたピーマンが残ったりするでしょう? スマートバーベキューでは、野菜もオイルを塗って丸ごと焼くから、食材を無駄にするということがないんです。上手に焼くことで、お肉も野菜も、本当にみずみずしく、おいしく仕上がるんですよ」

そして、欠かせないのが「三種の神器」と呼ばれる器具の存在。手際よく炭を起こせる「チムニースターター」、火力をコントロールする「水鉄砲」、炭を安全に消すことができる「火消し壷」。この3つがあるだけで、バーベキューが格段に“スマート”になります。大野さんの場合、水鉄砲を子どもたちに持たせて火加減を見てもらうようにしているのだそう。こうした工夫で、老若男女、誰もが楽しめる快適なバーベキューができるようになっています。

キャンプ
火力調整に欠かせない水鉄砲&炭起こしに必須のチムニースターター

「スマートバーベキューと言っても、基本的にはいつも家でやっていることを屋外でやるというだけなんです。すごくシンプルに考えれば、ガスや電気ではなく炭を使って調理しているというだけ。だから、誰にだってできるんですよ。ただ、大きな違いは、参加したみんなが、家の中では見られないような顔をすることだと思います。開放感のある屋外で、みんなで楽しみながらやることで、すごくいい笑顔を見せてくれるんですよね。私にとっては、その笑顔をもっと見たくて、次はどんなバーベキューをやろうかと考えることが最大の楽しみです」

大野さんが教えてくれたスマートバーベキューの魅力はたくさん。ちょっとしたコツをつかむだけで、いつものBBQが様変わりします。初夏の陽気の中、みなさんもぜひご家族やご友人と試してみてはいかがでしょうか?

【次週は、スマートバーベキューならではのメニューの数々をご紹介。もちろんきのこ料理も登場します。次週もお楽しみに!】

今おすすめのきのこレシピ

きのこの参鶏湯風スープごはん

アスリートの体調管理にもおすすめの一品。きのこに豊富なビタミンB1は糖質の代謝に関わるので、糖質を含むごはんと合わせれば効率の良いエネルギー補給が叶います。またきのこにはGABAも豊富なので気持ちを整えたい時にもぴったり。きのこと鶏肉のうま味がたっぷりのスープで身体の疲れを癒し、エネルギーチャージを助ける一品です。

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