夏の強い身体づくりに!免疫力を高めるための「きのこで菌活」。
ある日突然やってくる、熱中症の症状。熱中症を回復するためには、身体を内側から元気にしておくことが必要です。今週のトレンドコラムでは、夏の旬を味わい愉しむ魅力をお伝えしていますが、「きのこで菌活。」では、毎日の食事に取り入れるべき栄養素にもフォーカスし、「食べられないから身体も元気にならない」という悪循環から脱却するための方法を教えていただきました。
—————— 教えてくれたひと ——————
三城 円 (管理栄養士、San-CuBic代表)
容姿コンプレックス、ダイエット、摂食障害といった自身の経験を「ひとりで苦しんでいる人のために生かしたい」とパーソナル管理栄養士としての食生活相談をスタート。食という手段を用いて、ひとりひとり理想の自分を手に入れるための指導を行っている。
ポイントは体温。健康のためには、夏こそ冷えすぎに注意したい
—— 編集部:2週にわたって、身体が元気でいることが熱中症を防ぐために重要というお話を伺ってきましたが、昨日まで元気だった方が急に熱中症を発症することもあるのでしょうか?
—— 三 城:熱中症は突発的に起きる場合がほとんどですが、「なんだか最近疲れがたまっているな」という方は注意した方がいいかもしれませんね。疲労を感じ始めているということは、自律神経が乱れてくる恐れがあるということでもあるので。
—— 編集部:では、熱中症にならないためには、身体を元気な状態でキープするということが不可欠ということでしょうか?
—— 三 城:はい。熱中症対策としてもっとも有効なのは、自律神経を整え、体温を下げないようにすることです。夏は冷房で体が冷えることも多く、体温も下がりがち。一般的に体温が35度台以下の状態だと免疫力が低下しているとされるのですが、バランスの良い食事などを意識することで、体温を上げることができます。
—— 編集部:体温が高い=身体が元気な状態、ということですか?
—— 三 城:そうですね。体温が高いということは免疫力も高いということ。免疫力が高いということは、身体を元気な状態に保つ力が高いということです。では、体温を上げて、免疫力を上げるにはどうしたらいいかというと、「バランスの良い食事をとること」。これに尽きます。体温を上げるためには、まず「燃やすもの=炭水化物やタンパク質、脂質」といったエネルギーの素となる栄養素を積極的に摂りましょう。
—— 編集部:なるほど。でも、炭水化物や脂質といった栄養素は、ダイエットをしている時などは特に控えてしまいがちですよね。
—— 三 城:もちろん、脂質の多いものばかりを摂取していると肥満のリスクも高まるので、栄養素が偏ってはいけませんよ。しかし、健康的な身体づくりにはエネルギーの元となる「燃やすもの」が必要です。肉や魚や乳製品、ご飯に加え、代謝を促すために必要なビタミンやミネラルを豊富に含む食材を積極的に取り入れて、食事のバランスを整えていくことが重要なんです。
—— 編集部:ビタミンやミネラルが豊富と言うと、「きのこ」が思い浮かびますね!
—— 三 城: はい、そうですね。きのこに豊富なビタミンやミネラルを摂って食事のバランスを整えることも免疫力アップに効果的ですが、きのこそのものにも免疫力を上げる栄養素が含まれているんですよ。
—— 編集部:きのこ単体でですか?
—— 三 城: はい。きのこには、βグルカンという免疫力を高める食物繊維の一種が含まれているのですが、このβグルカンには、体内に入ってきた病原菌を腸内で排除したり、発病を抑える働きがあるといわれています。免疫機能に関わる白血球を活性化させる働きもあるので、アレルギーの予防や改善にも効果があるといわれているんですよ。
—— 編集部:そうなんですか。きのこにはすごいパワーがあるんですね! きのこを取り入れつつ、食事のバランスを整えるコツは何かありますか?
—— 三 城:栄養素のバランスのとれた食事を毎回とれれば理想的ですが、1日単位、1週間単位で帳尻を合わせていけば問題ありません。足りない栄養素を積極的に補おうと意識することが大切です。たとえば、ビタミンやミネラルを豊富に含んだきのこを少しずつでも毎日食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。きのこは栄養豊富で低カロリーなだけでなく、火の通りも早いので調理も簡単。肉や魚、乳製品など、様々な食材と相性がよいので、常備菜としても最適です。
—— 編集部:炭水化物やタンパク質を含む主食メニューにきのこを取り入れれば、一品でバランスよく栄養が摂取できそうですね!
—— 三 城:はい。そんな風にして「帳尻を合わせる」んです。たとえば、ビタミンやミネラルのほかに、炭水化物やタンパク質、脂質もバランスよく摂れる「きのことコーンのチーズマフィン」を朝食にすれば、朝からしっかり栄養素が摂れますよ!
1日の食事を小分けにすることで、栄養素を効率よく吸収。
—— 編集部:お話を伺っていて、暑さで疲れている時などは、なかなか食事も取りづらいのではと思ったのですが、いかがですか。
—— 三 城:そういう場合には、一度に食べる量を減らして3食を4食に分食するなど、食事を小分けにしてとることが有効です。
—— 編集部:1食あたりの量を減らした場合、食事をして数時間経ってお腹がすいてきたら、果物や野菜、きのこなどの食べやすいものを軽く食べる・・・などの方法でいいのでしょうか。
—— 三 城:食間は5、6時間ぐらいがベストと言われていますが、厳密に考える必要はありません。ご自身の生活スタイルの中で、食べられるときに栄養があってヘルシーなきのこなどを取り入れた軽食をとることを心がけましょう。毎食がっつりご飯を食べるのではなく、例えば夕食を2回に分けるとしたら、1回はおかずとお味噌汁程度でいいかと思います。
—— 編集部:分食のメリットはどんなところにありますか?
—— 三 城:一度に消化する量が少ないということは、相対的に胃に負担をかけにくくなるので、消化されやすくなり、その結果、栄養素が吸収されやすくなることにあります。あとは、熱中症とは関連がありませんが、血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。
—— 編集部:へえ!まずはやってみることが大切ですね。
—— 三 城:そうですね。身体のために、できることからはじめてみてください。
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【次週は「暑さ対策に!知っていますか?食事からの水分補給の重要性」をお届けします。】