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きのこ面白情報

かわいいきのこグッズや、不思議で楽しいきのこカルチャーをご紹介!

【きのこ面白情報】農学博士 川村倫子

“きのこ”って、農産物じゃないこと、ご存知ですか?
正解は『林産物』。漢字で書くと木の子。森や樹木と関係が深い生き物です。

こんにちは&はじめまして。
リアルきのこ農家のrinko & mameのrinkoの方です。
私たちの所属は(農)宝珠山きのこ生産組合。
福岡県と大分県との県境にある福岡県側の小さな村、東峰村(とうほうむら)で、シイタケ栽培を専業とする農家です。

大学で9年間きのこの研究をし、一般企業に就職せず、家業であるきのこ農家に就農することを選んでから約7年。
あの時、こんなにきのこにまみれ、きのこ好きな人に囲まれた生活を送る今の自分の姿は全く想像していませんでした。

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しいたけ栽培ハウスの中にて

<しいたけ栽培の現場>
曽祖父の代から携わっていた原木しいたけ栽培は私の父の代で3代目。
父の代に農事組合法人を興し、菌床栽培へと転換しました。今から20年ほど前のことです。当時(いや、今でも)菌床栽培への偏見は多く、事業を軌道に乗せるまでは大変な苦労だったと聞いています。

現在市場に流通する生しいたけの約8割が菌床栽培のものだと言われています。
昔と比較すると品質も大幅に向上し、原木栽培されたものと見た目も味も劣らないものが栽培できるようになりました。しかし、しいたけに関しては今でも根強い原木信仰があるのが現実です。

人間の味覚は人それぞれです。
実際に食べ比べてみて、やっぱり原木栽培の方が好きと言われる分には一向にかまいません。しかしながら、食べ比べもせず「あ、これキンドコの椎茸よね」なんて私の目の前で言う方がいらっしゃるわけですよ。
「そもそも、キンドコじゃなくてキンショウです!菌床だから何だって言うのですか?!○*□△#●$!!」なんていう心の声を押し殺して、原木栽培と菌床栽培の違いを丁寧にご説明させていただきます(笑)

実際、mameは様々な産地で食べ比べできる機会がある度に焼きシイタケでその味を比べますが、「菌床栽培の方が劣っているとは思わない」と言います。味を左右するのは栽培方法ではなく、鮮度と栽培者の品質管理の方が重要なのだと思います。
みなさん、分からないから、知らないから、手に取らないのですよね。先入観もあると思います。
ですから、私達が店頭で販売している際には何でも聞いてください。これも胞子活動の一環。聞かれたことには分かる範囲でしっかりお答えさせていただきます。

店頭での試食販売の他に、シイタケ栽培について理解を深めてもらうため高校へ出張して講義を行うこともありますし、新規就農者のための視察研修、OISCAの研修の受け入れなども行っています。
きのこ栽培を通じて世代を問わず、国籍を問わず沢山の方と関わりあえるというのもこの仕事の魅力ですね。

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当組合公式キャラクター“しぃちゃん”とオリジナル加工品の一部

<きのこ加工品づくり>
生のきのこは生鮮食品なので、何日にも分けて使うと鮮度が落ちやすく、また、冷蔵保存日数にも限界があります。
でも、毎日の食生活にきのこを取り入れてほしい。
そんな願いから生まれたのが「きのこ加工品」です。

きのこ以外の材料もできる限り東峰村産のものを使い、地元の特産品となるような商品開発を心がけています。化学調味料、保存料などは無添加。大量生産はできませんし、コストもかかる製法ばかりですが、どこにも無い味ができていると思っています。

商品開発の基準は、「自分が食べたいかどうか」「本当に美味しいと思うか」
食べるのが大好きな2人組なので、あちこちに出かけては商品開発のためのヒントをいただいて、おなかもいっぱいにして帰ってきています。

食材としてのきのこの魅力はなんと言っても、旨みと食感です。
きのこの種類によって甘みや苦味、香りの強さも異なり、それぞれのきのこに個性を与えています。
美味しさに加えて、きのこには健康維持に役立つ成分もたくさん含まれています。
もっとも身近なものとしては食物繊維。お腹の調子を整えてくれます。
外食が続いた時や野菜不足を感じた時には、きのこと野菜たっぷりのお味噌汁を作ったり、さっと火を通して塩麹和えにしたり。

きのこのいいところは料理法を選ばないところでしょうか。
和洋中こだわらず、どんな料理にでも使うことができるので料理をする際にも、商品開発をする際にもイメージが膨らみます。
菌食、菌活、と言う言葉が浸透してきたように感じていますが、きのここそ菌食のメインだと私は思っています。
ですので、生のきのこ、乾燥きのこ、そしてきのこ加工品を摂取することで、皆さんにも是非、菌食・菌活していただきたいですね。

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フクオカきのこ大祭ステッカー

<フクオカきのこ大祭>
まだ見ぬ菌友のみなさん、是非今年の11月には福岡においでくださいませ!

ここ数年で“きのこ女子”という言葉がちらほらと聞かれるようになり、モチーフとしてのきのこの知名度・人気度はぐんぐん上昇しています。
物販のみ、トークのみのイベントなどはこれまでにも国内(主に関東圏)で開催されていますが、幅広いジャンルのきのこ好きが一堂に集まるイベントは他に例を見ません。
そこで、私たちが愛してやまない「きのこ」の魅力を九州・福岡からも発信したいと思い、このイベントを企画しました。

「きのこ」をキーワードに食×アート×学問を融合させたイベント。
きのこは、食材として、芸術や文学のモチーフとして、科学的研究題材として世界中で愛されている生き物です。
このような広いジャンルにわたって多くの人に親しまれている生き物は他にはないと言っても過言ではありません。
来場されるお客様同士、出展者同士、お客様と出展者それぞれの出会いが、ジャンルを超えたコラボを生み、それが更なる新たな「きのこ」の魅力を発信していくイベントとなるよう関係者一丸となって取り組んでいく所存です。

広がれ!菌友の輪!をコンセプトにはじめた“きのこ”でさまざまな分野の方をつなげるイベント。
イメージは菌輪~Fairy ringですね。

“フクオカきのこ大祭2014”は、今年2014年11月24日(月・祝)に福岡のど真ん中、天神地区での開催となりました。

昨年夏から毎月1回、菌曜日の夜にイベント開催のための会議を行っています。回を重ねるごとに少しずつ新たな菌友が増えじわじわと増殖中です。
会議が終わると、菌友同士のグッズ自慢大会、リアルきのこ観察情報、発生状況の報告・・・。どちらがメインなのかな?的な白熱した時間が続きます(笑)

初対面の人と、「きのこが好き」って言うだけで、もう昔からの親友みたいに打ち解け、大盛り上がりできる。みんな菌に侵されているのですね~。さすが菌友!

いろんな分野の人の話が聞いてみたい、会ってみたい。
・・・きのこを通して沢山の人と関わりたい。
私のやりたいことは、どうやら全てきのこが叶えてくれそうです。
このディープな世界、潜れるところまで潜ってみます。
みなさんも、是非ご一緒に♡

rinko & mameさん、お二人にとってのきのことは?
外の世界を見るためのフィルター(rinko)
外の世界と自分の世界をつなげてくれる菌糸(mame)

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川村倫子(農学博士)
生まれも育ちも、福岡県朝倉郡東峰村(旧)宝珠山村。3姉妹の長女。
大分県立日田高等学校から宮崎大学農学部に進学。同大学大学院農学研究科で修士課程を終え、鹿児島大学大学院連合農学研究科博士課程に進む。農学博士。
2007年に帰郷し、農事組合法人宝珠山きのこ生産組合にて就農。きのこ農家4代目として「農業する農学博士」を体現するとともに、研究・開発および渉外、企画の責任者として現在に至る。
リアルきのこ農家として“きのこもの”を集めたイベント「ドキドキ!きのこフェスティバル@阪神百貨店梅田本店」にも参加。今年は福岡にて「フクオカきのこ大祭2014」を開催する。

【ホームページ】http://www4.plala.or.jp/takara-kinoko/
【(農)宝珠山きのこ生産組合】http://www.facebook.com/takarakinoko
【フクオカきのこ大祭】https://www.facebook.com/kinokotaisai

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