カギは「力の出し方&タイミング」。コツを掴んで運動能力アップ!
2024.11.18
今年の秋は例年以上に気温が高く、晩秋となるこの時期も、お子さんと公園に出かけたり、一緒にスポーツをしたりと、外で遊ぶことも多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、子どもが身体を動かす時や、パフォーマンスを高めたいと思う時のカギになる「力の出し方とタイミング」です。
例えば、トランポリンで高く跳ぶためには、“跳ぶ時”にお腹に力を入れ、頭から足まで真っ直ぐになるように意識することがカギになります。そうすることで、トランポリンから受ける力を無駄なく身体で受けとめて、より高く跳べるようになります。
また、走る時も同様です。“着地し、地面を蹴る瞬間”に、お腹に力を入れ、それまで曲げていた足首・膝・股関節を伸ばすようにすることで、関節が地面の反発力を吸収せずに、身体にその力が加わることで効率よく推進力が生み出されます。その時に腕振りが加われば、もっと力強い走りができます。
このように、走ること、ジャンプすることなど、運動のパフォーマンスを上げるためには、「身体に力を入れるタイミング」がとても大切になってくるのです。
<Let’s Play!>
「力の出し方とタイミング」を磨くためには、反復練習をして徐々に“タイミングが合う”感覚を身に着けることが大切です。そこで今回は、室内で行える遊びとして「走る」「跳び箱」などの運動遊びをしながら、力を入れるタイミングを計る能力を高めていきましょう。
タイミングを意識して走ってみよう!

【1】まずは地面を蹴る時に、地面を蹴る足の「反対側の腕」を前から後ろに振り切ることを意識します。地面から伝わってくる力を感じながらかるく走ります。
※まずは、その場でタイミングをとることから始めると良いでしょう。
※「腕を振り切る」時と「足で地面を蹴る」タイミングが合うと身体が自然と浮く感じが出てきます。お腹にも同時に力を入れると良いですね。
【2】次は、地面を蹴る時に、蹴る足と「同じ側の腕」を後ろから前に振り上げることを意識します。感覚がつかめたら、タイミングを感じながらかるく走ってみましょう。
【3】1、2のタイミングがつかめたら、よりタイミングを感じやすいように、低い障害物などを用意してゆっくり走ってみましょう。
- タイミングを合わせる感覚は、わかるまでは難しいものです。もし子どもが「できない」「やめたい」と感じる場合は、無理強いせずに辞めることも大切です。子どもの楽しみを第一に考え、子どもがやろうとする意欲を大切にしながら取り組んでみてください。
蛙のジャンプをしてみよう!

- しゃがみこみ、床に両手をつけます。
- お腹に力を入れ、両足で地面を蹴りながら斜め上に思い切り飛び上がり、その時に両腕を下から上に思い切り振り上げ、身体が一直線になるように意識します。
- 脚の伸びと腕の振り上げのタイミングが合うと、より高く、より遠くまで、跳ぶことができます。
人間跳び箱に挑戦!
<STEP1:大人の上に乗ってみよう>

- 大人は床に四つん這いになり、頭を下げます。
-
子どもは大人のお尻の方からゆっくりと大人に向かって走り、大人の足の前で両足を踏み切ります。踏み切る時に少し沈み込み、跳ぶタイミングで両手を振り上げます。
- 「蛙のジャンプ」のタイミングが基本になります。
- 大人の背中に振り上げた両手を付き、そのままお尻をつけて大人の上に乗ります。
- ジャンプする前の沈み込みと、両腕の振り上げ動作のタイミングがポイントです。
<STEP2:跳び箱を跳んでみよう>

- 大人は子どもに対して横になるように四つん這いになります。※大人の背中の高さは子どものおへその高さになるようにします。子どもの背が高い場合は、大人は立って背中を丸めます。
- 子どもはゆっくりと大人に向かって走り、両足で踏み切ります。両足の膝を少し曲げて、身体の安定を保ちながら、地面からの反発する力と腕の振り上げのタイミングを合わせて斜め前方にジャンプします。
- 子どもが大人の背中に手をつく瞬間、子どもは肘をピンと伸ばします。そのまま大人の背中を押して、開脚をしながら腰を前に出して大人の背中を跳び越えます。
- 両足で着地します。
- これらのタイミングが合うと腰が自然に浮いてきますので、跳び箱に手をつくだけで、跳び越えることができるようになります。
Let‘s Eat! きのこの力で子ども健やかな成長をサポート
晩秋になり、徐々に気温が下がっていく時期です。外遊びから帰ってきた際にほっとするような温かい料理が出てくると、お子様の食も進むのではないでしょうか。食事は身体をつくることに加えて、身体を温めて怪我をしにくい状態を作るためにも欠かせません。
そこで今月は、走ったり、ジャンプしたりといった力強い動きを生み出す身体づくりや身体の温めに効果的な菌活レシピをご紹介します!
<厳選レシピ>
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きのこたっぷりポカポカあんかけチャーハン
身体づくりに欠かすことができないのは、エネルギーをしっかりと摂ること。主食に含まれる糖質を代謝しエネルギー産生を助けるのに欠かせないのが、きのこに豊富なビタミンB1です。ビタミンB1はエネルギーと共に熱も生み出すため、運動が終わって身体が冷えたときにも、運動前に身体を温めたいときにもおすすめです。
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きのこタルタルチキン南蛮
卵を使った具沢山ソースとボリュームたっぷりのチキン南蛮は、身体づくりに必要なたんぱく質が豊富に含まれています。きのこには、たんぱく質の代謝を助けて、体内でアミノ酸を効率よく使えるようにするビタミンB6がたっぷり含まれており、お子様の身体づくりをサポートします。
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たっぷりきのことさつまいものシチュー
身体を温めるためには、血行を良くすることも大切です。きのこには血行を良くする効果のあるナイアシンが豊富に含まれています。また、かぼちゃに豊富なビタミンEは、血液の循環を良くする効果があるため、合わせることで効率よく身体を温めます。寒さで筋肉が固まりケガをしやすいこの時期にピッタリの一品です。
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きのことほうれん草のパワフルグラタン
成長期の子どもは、筋肉の発達に加えて「骨の発達」も重要です。きのこに豊富に含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあるため、カルシウムの豊富な牛乳やほうれん草を合わせることで効率的な骨づくりに繋がります。アツアツのグラタンは子どもの大好きなメニュー。心も身体も満足すること間違いありません。
profile
松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運 動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、スポーツ科学修士
松本大学人間健康学部スポーツ健康学科教授
日本体育大学卒業後、日本体育大学大学院在学中に中国北京体育学院へ交換留学。聖徳大学短期大学部、聖徳大学専任講師を経て、2002年度より松本大学に着任。信州大学大学院 医学系研究科 加齢適応医科学専攻で医学博士を取得。現在は、幼児の運動能力に関する研究などに取組み、レクリエーション関連科目や運動と遺伝子などの講義を担当する。
【資格】
レクリエーション・コーディネーター、体育学修士、医学博士
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