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1月の特集テーマ
神社仏閣をめぐる旅。

寺社仏閣を訪ねる魅力

2018.01.08

日本には多くの神社仏閣が存在し、文化庁の調査によると神社の数は全国で81,255、お寺の数は77,316。(平成27年12月調べ) これだけ多くの神社仏閣があるからこそ、その多彩な魅力にひかれる方が多いのにも納得できます。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、免疫力を高め不調から身体を守る方法をご紹介していますが、「トレンドコラム」では、神社仏閣をめぐり、その感動体験を通して心も身体も元気になる、そんな寺社を訪ねる魅力をお伝えします。

日本には多くの神社仏閣が存在し、文化庁の調査によると神社の数は全国で81,255、お寺の数は77,316。(平成27年12月調べ) これだけ多くの神社仏閣があるからこそ、その多彩な魅力にひかれる方が多いのにも納得できます。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、免疫力を高め不調から身体を守る方法をご紹介していますが、「トレンドコラム」では、神社仏閣をめぐり、その感動体験を通して心も身体も元気になる、そんな寺社を訪ねる魅力をお伝えします。

吉田さらささん
教えてくれたひと
吉田さらさ(Yoshida Sarasa)
岐阜県生まれ、早稲田大学第一文学部美術史学科にて東洋美術史と西洋美術史を学ぶ。大学時代に仏像の美しさに惹かれ、寺を旅する魅力に気づく。寺と神社をめぐるうちに、日本の仏教や神道の奥深さに惹かれ、現在は寺と神社の旅の専門家として、寺、神社、仏像、宿坊に関する単行本と雑誌記事を数多く執筆している。

根強い人気のある、神社仏閣を巡る旅

ファストな文化の揺り返しから、スローな文化が見直されるようになって久しいですが、今、若い女性の間で、坐禅や御朱印集めが話題になるなど、様々なきっかけから神社や仏閣の魅力を多くの人が感じているようです。神社仏閣とひとくくりに表現されることも多くありますが、その由来には大きな違いがあります。

「神道は、時代によってさまざまに形を変えていますが、その根底にある『八百万の神』、すなわち、あらゆる自然物に神が宿るという考え方は、おそらく、縄文時代ごろから存在したのではないかと思います。一方で、仏教はインドを起源に中国・朝鮮を経て日本へと伝わった、海外由来の信仰です。その昔、仏教は海外の進んだ文化として日本の文化の中に取り入れられたのです」

そして、明治に入ってすぐの頃までは神も仏も一つの信仰として曖昧に考えられていた、『神仏習合』の時代が続きます。この時代には、お寺の中に『鎮守社』として神社が建てられたり、神社の中に『神宮寺』としてお寺が建てられたり、神社もお寺も兼ねていることが多くあったのだそう。

「明治元年に神仏分離令が発せられると、神道か仏教か明確にわけられるようになったのです。しかし、現在でも、お寺の境内の中に小さな神社があるなど、神仏混淆の名残はさまざまなところで見られます。複雑な歴史があるからなのか、日本の神社やお寺は、知れば知るほど一筋縄にはいかない魅力があるんですよね」

吉田さんは、大学時代に専攻していた美術史の授業で、美術品としての仏像に触れたことがきっかけで、寺社仏閣を巡るようになったのだといいます。

 

「それぞれのお寺にある、仏像を拝み、その美しさや迫力など、そこに行かないとわからない感動や驚きを体感することが大きな魅力の一つ。そして、寺社をめぐり、宿坊に泊まり、精進料理を頂くと、その背景にある仏教のことを学び、その新たな魅力も知ることができるんです」

宗派により、お経や教えも本当にさまざまで奥深い魅力があるのだそう。その魅力を知るためには、自分で経験してみることが一番だと、吉田さんは話します。

体験してわかる、神仏の魅力やありがたさ

いま、坐禅や御朱印集めなどは、ひとつにブームとして取り上げられることもありますが、吉田さんは何事も本来の意味を知った上で、経験し・学び・魅力を発見するのは良いことではないかと話します。

「坐禅などの瞑想は人気がありますよね。坐禅体験をさせてくれるお寺も多く、日常生活にはない心を落ち着かせる時間に魅力があるのでしょう。私は、坐禅よりも真言宗に伝わる瞑想法『阿字観』を行わせて頂くことのほうが多いです。阿字観は、掛け軸に書かれた「阿」という字と一体となることを想像しながら行う瞑想法です。坐禅は禅宗の教えに基づいた厳しい指導が行われる場合もありますが、阿字観は、それと比べると少し緩やかな印象があり、自分に合った瞑想法だと感じるためです」

色々な寺院を訪ね、仏教の教えやその修行を知る中で、このように自分自身の生活にも取り入れられる物事に出会うことがあるのも、魅力の一つですね。

一方、御朱印は本来、参拝者が写経をお寺に納めた際にいただく印のこと。それが、現在では、納経はしなくても、参拝のあかしとしていただけるようになったのです。寺社名、お堂の名前、御祭神の名、御本尊の名、参拝した日付などを墨書きした上に朱で押印したもので、御本尊や御神体の分身のような存在。また、一字一字ていねいに書き押印してくださるので、世の中に一つとして同じ物がない、ありがたいものなのです。

御朱印は、御朱印所でいただくことができます。先に、参拝をしてから頂きに行くのが良いですね。また、浄土真宗など宗派により、御朱印のないお寺もあります。(浄土真宗の中でも御朱印を行なっている寺院もあります)

「御朱印や坐禅に興味のある方は近年増えていますが、実際に体験する前に、それにはどのような意味があるのかを知っておくことがまず大切です。そして、実際に自分もやってみることで、精神統一をするとはどういったことなのか? や、御朱印のありがたみなどをより一層実感できると思います」

日本の文化に根付く神社仏閣。今年は、本来の意味を知って多くのお寺や神社を訪ね、その魅力を実感してみませんか? さまざまな発見があることでしょう。

【1/15公開の次週は、仏様のさまざまなご利益についてご紹介します。】

 

【今週更新!きのこで菌活。】

お寺や神社をめぐる旅は心を落ち着かせ、心身ともに健やかになるように感じますね。「きのこで菌活。」では、身体の健康を保つために、きのこで食事から免疫力を高める方法をご紹介します。

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

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