【きのこアルバム】ヒョウモンクロシメジ

2022年がスタートしました！今年は「寅年」、トラは『決断力と才知』の象徴としての意味があり、縁起の良い年といわれているそうです。一方、「虎豹」という言葉にもあるように、トラはヒョウと共に「強さ、猛々しさ」の象徴とされています。
そこで今回は、トラと並んで「強さ」の象徴とされる「ヒョウ」を名前に持つきのこ「ヒョウモンクロシメジ」をご紹介します。

ヒョウモンクロシメジは、秋に広葉樹林や針葉樹林の地上に発生するきのこ。群れになって発生したり、単体で発生したりと様々な形で発生します。
柄は白色～淡黄色をしており、柄の表面は帯褐色の繊維状の質感や微細な“ささくれ”で覆われています。

また、ヒョウモンクロシメジは漢字では「豹紋黒湿地」と書きます。
ヒョウモンクロシメジの傘表面は、白い下地に褐色～灰黒色の鱗片が密に同心円状に並んでいるという特徴があり、その模様がヒョウ柄に見えることから、このような漢字表記になったと考えられています。

また、ヒョウモンクロシメジはヨーロッパやアメリカでも見られるきのこですが、しばしば外国では学名の「Tricholoma pardinum」ではなく「Tiger Tricholoma（＝虎柄のキシメジ属のきのこ）」と呼ばれているそうです。

日本では名前に「ヒョウ」がつき、外国では「トラ（Tiger）」がつくのはなんだかおもしろいですね。

実際、豹と虎は同じネコ科ヒョウ属に分類される食肉類だそうで、分類的にはとても近い存在なのだそう。「虎豹」という言葉や、名古屋城本丸御殿の「竹林豹虎図」で虎と豹が描かれているように、トラもヒョウも、強さの象徴として昔から愛されていたのかもしれませんね。

ちなみに、ヒョウモンクロシメジは発生環境が整うことが稀で、なかなか出会うことのないレアなきのこなのだとか！もしも見つけたらラッキーですが、ヒョウモンクロシメジは有毒きのこになりますので、似たきのこを発見しても、見て楽しむようにして下さいね♪

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きのことの出会いも一期一会。今年1年が皆様にとって良い出会いのある、素晴らしい年になることを心よりお祈り申し上げます。
2022年も様々な野生のきのこをご紹介していきますので、きのこアルバムを引き続き、よろしくお願いいたします！

出典
・今関六也・大谷吉雄・本郷次雄　編（2011）「増補改訂新版　山渓カラー名鑑　日本のきのこ」株式会社 山と渓谷社，東京
・奥沢康正　奥沢正紀　著（1998）「きのこの語源・方言辞典 」 株式会社 山と渓谷社，東京
・前川二太郎　編著　（2021）「スタンダード版　新分類　きのこ図鑑」株式会社 北隆館，東京

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◆◇◆ヒョウモンクロシメジ◆◇◆

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