人類が知りつくせないほどの種類があるきのこ。その一部をご紹介します。
【きのこアルバム】イボテングタケ
本格的な冬が到来し、何かとあわただしい季節。体調を崩していませんか?今年は残念ながら中止となっているイベントもありますが、輝くイルミネーションや煌びやかな装飾など、クリスマスシーズンの訪れを感じる時期ですよね。
さて今回は、松ぼっくりやどんぐり等のように、クリスマスのオーナメントに似合いそうなユニークなきのこ「イボテングタケ」をご紹介します。
イボテングタケってこんなきのこ!
「イボテングタケ」は、漢字で“疣天狗茸”と書き、傘は4~25cmと、比較的大きく成長するきのこです。針葉樹林に発生するきのこで、夏から秋にかけて広い範囲で見かけることができます。生育環境によっても異なりますが、群れをなして生えている様子を見かけることが多く、傘の色は灰白色~オリーブ色を帯びた濃い茶色、表面には白色のイボが多数ついていることが特徴的です。傘の裏のヒダは白色で密集しており、柄は白色~淡い黄色で表面には小さな鱗片があり、成長と共にやがてささくれ状へと変化します。
うま味なのに毒?!イボテングタケが含む特殊成分とは?
「イボテングタケ」は、その名の通り、以前きのこらぼで紹介したテングタケの仲間で、毒をもつきのこです。毒成分の正体は「イボテン酸」という名でアミノ酸の一種であり、舌の上の“味蕾(みらい)”に働きかけて強いうま味を示すとともに毒成分としても作用します。つまり、“イボテングタケ”は、うま味でもあり毒ともなる特殊な成分を含んでいるきのこということ!
ちなみに、イボテン酸自体は死に至るほどの危険な毒ではありませんが、イボテングタケにはその他に神経毒成分の「ムスカリン」や猛毒の「アマニチン」といった危険な毒素も含まれているため、口にするのは大変危険です。
イボテングタケとテングタケ、その見分け方は?
そんな「イボテングタケ」と「テングタケ」の違いについては一見するとわかりづらいのですが、見分け方のポイントがいくつかあります!
<全体のシルエット>
・テングタケ=どちらかというと華奢
・イボテングタケ=比較的がっしりしている(大型のことが多い)
<生息場所>
・テングタケ=広葉樹に生える
・イボテングタケ=針葉樹に生える
<傘表面のイボの特徴>
・テングタケ=尖っていない(また、比較的イボが剝がれやすい)
・イボテングタケ=ピラミッド状や、立体的で尖っているものなど、目立つ形状が多い
上記はあくまで例ですが、もし身近な場所で、「イボテングタケ」か「テングタケ」かわからないきのこに出会ったら、ひとつの目安として観察していただけると嬉しいです!(ただ、どちらにしても毒性のきのこになりますので、触ったり食べたりせずに目で楽しむ程度に留めてくださいね。)
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かわいらしい見た目に似合わず、うま味と毒が共存する恐ろしいイボテングタケ。本格的な冬を迎え、外できのこと出会うことも少なくなってくるかと思いますが、世界中にある未だ発見されていない未知のきのこに思いを巡らすだけで、気持ちがわくわくします!
皆さまも体調にはお気をつけて、“きのこで菌活”で素敵な冬をお過ごしください♪
≪出典≫
今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編(2011)増補改訂新版 山渓カラー名鑑 日本のきのこ.山と渓谷社,東京
長沢栄史 監修(2003) フィールドベスト図鑑 14 日本の毒きのこ 学研
竹本常松・横部哲郎・中島正 (1964) 邦産キノコの成分研究(第2報)イボテングタケより殺蠅成分の分離 薬学雑誌 84 (12) 1186-1188
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◆◇◆イボテングタケ◆◇◆
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