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きのこで菌活。

寒さ撃退!免疫力+筋力アップで冬も元気に

菌活1

冷え知らずの健康的な身体を手に入れたいけれど、大変なことや面倒なこととなると、なかなか毎日は続けられませんよね。今週のトレンドコラムでは、冬を思い切り楽しむための“おもてなし”についてお伝えしていますが、家族や友人との楽しい時間のためにも、ツライ冷えを解消しておきたいですよね。今回は、今日から簡単に始められる「冷え対策」の方法を教えていただきました。毎日の生活にちょっとした習慣を加えるだけで、気になる不調が改善されていくことでしょう。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

管理栄養士 国際中医師 瀧本靖子<

瀧本靖子 (管理栄養士 国際中医師)

体調不良を薬膳で治した経験から中医学のおもしろさに魅了され、中医学・薬膳の世界へ。現在は、飲食店の薬膳メニューの監修やセミナー講師を務める一方で、薬膳教室を主宰し、薬膳料理を教えている。西洋栄養学と薬膳を融合させた理論と料理作りが得意。

 

寒い時期には免疫力を高めよう!

—— 編集部:きのこは“免疫力の向上”にもよい、と伺いましたが、具体的にはどのような栄養素がよいのでしょうか?

—— 瀧 本:きのこに豊富に含まれているβグルカンには、免疫力アップに高い効果があることが分かっています。βグルカンには免疫細胞を活性化する働きがあるので、風邪や病気の予防の他、がん細胞などの増殖も抑制してくれるんです。

—— 編集部:免疫細胞が減少してしまう原因としてはどんなものが挙げられますか?

—— 瀧 本:実は免疫細胞と自律神経は密接に関係があるんです。ストレスや緊張をはじめ、とても些細な事でも自律神経は乱れます。例えば、寒暖の差が激しい11月は急に寒くなることがありますが、外気温の急な低下によって、交感神経が優位になりアドレナリンが出やすくなります。すると、免疫機能を果す”リンパ球”が少なくなります。その結果、抵抗力が下がり風邪を引きやすくなってしまうことがあります。

—— 編集部:ストレスや緊張、環境の変化も影響があるんですね。

—— 瀧 本:そうですね。逆に、副交感神経が優位になるとリンパ球が活性化され免疫力が高まります。腸の動きを司るのは、自律神経である交感神経と副交感神経ですが、食事をすると腸の動きを活発にする副交感神経が働きます。特に腸に停まる時間の長い食物繊維の多いきのこは副交感神経が優位に働いて、免疫力を高める食材です。健康な身体づくりには、免疫力アップとそれをアシストする冷えの改善が欠かせないんです!

—— 編集部:その両方を叶えてくれるきのこは、まさに最強の食材といえそうですね!

マイタケ

 

ながら運動×きのこのビタミン=冷え解消!

—— 編集部:改めてお伺いをしたいのですが、低体温は生活習慣からも改善することができるのでしょうか。

—— 瀧 本:はい。例えば、身体に筋肉が付くとエネルギーの産生量が上がるので、それに伴って体温が上昇します。

—— 編集部:筋肉が付くと、低体温が改善されるということですか?

—— 瀧 本:そうなんです。ですから筋肉の素であるタンパク質はしっかり摂取するようにしてくださいね。肉であれば、ヒレ肉のような脂の少ない赤身肉がおすすめです。

—— 編集部:「筋肉を付ける」というと、イメージ的にささ身がいいのかな、と思っていましたが……。

—— 瀧 本:確かにカロリーは低いのですが、赤身肉の方が栄養素は豊富です。赤身肉には良質なたんぱく質が含まれており、きのこには、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB群が豊富なので、更に効率的に筋肉を付けることができるんですよ。「豚ヒレ肉ときのこの葱ソースホイル焼き」などは筋力の強化にも良いメニューです。さらに、きのこのオルニチンには、成長ホルモンの分泌を促し、筋肉をアップさせる効果があるので、ぜひ、きのこは毎日摂って頂きたいですね。

 

豚ヒレ肉ときのこの葱ソースホイル焼き豚ヒレ肉ときのこの葱ソースホイル焼き

 

—— 編集部:筋力アップということは、運動も大切ということでしょうか?

—— 瀧 本:そうですね。肉類をしっかり食べても運動をしなければただ身体にため込んでしまうだけなので……場合によっては太ります。筋肉がないということは熱を産生することができないということなので、摂取した飲食物をエネルギーに変えることができずに、ますます太りやすい身体になってしまいますよ。

—— 編集部:肥満も冷えに関係するのでしょうか?

—— 瀧 本:中医学の考えでは肥満も起因するといわれています。身体に余分なものがある状態ですから、そういったものが血液の流れ等を邪魔してしまうんですね。太っている方はむくんでいる方が多いので、そういった意味でも、血行不良を引き起こしてしまいがちです。

—— 編集部:なるほど。肥満による冷えを防ぐという観点からも、やはりきのこと運動は不可欠のようですね。

—— 瀧 本:はい。加齢とともに筋肉量も減ってきますから、早めのうちから筋力アップに取り組んでおくことをおすすめします。

—— 編集部:そうはいっても、ハードな運動は続けられる自信がありません。

—— 瀧 本:たとえば歯を磨いている時にちょっとスクワットをするとか、テレビを観ながら筋トレをしてみるとか、そんな程度でいいんですよ。わざわざ時間を作って「運動をしよう!」となるとストレスにもなりますし、2日に1回のペースでもいいから“ながら運動”の習慣を作っておくことが大切です。

—— 編集部:運動をすれば血行もよくなりそうですし、冷え症の改善にもなりますね。簡単な運動でスリムな体型と冷え知らずの健康な身体が手に入るのであればまさに一石二鳥です! 

—— 瀧 本:はい。適度な筋トレと美腸に、低カロリーでヘルシーなきのこ、そして肉や魚を使った食事を組み合わせれば一層の効果が期待できます。また、エリンギには体脂肪を減少させる効果も見つかっており、肥満の強い味方です。(*1)きのこと冬の野菜、豚肉などをあわせた、温かで栄養満点な鍋で、きのこで菌活を習慣化するのがおすすめですよ!
(*1 エリンギの体脂肪低減効果を詳しく見る▶)

 

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【次週は、きのこでカンタン♪食生活のポイントを押さえて、温め対策をお届けします】