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10月の特集テーマ
子どもと暮らす毎日をより豊かに、健康に。

子どもを育て、自分も成長する、
育児の魅力。

2017.10.16

今月は「ピンクリボン月間」に合わせて、家族の健康をテーマにお届けしています。今回取り上げるのは「子育て」について。現在子育て中の方はもちろん、独身の方やこれから子どもを持ちたいという方も必読の子育てそのものの楽しみ方をお伝えします。お話をうかがったのは、幼児教育者で日本キッズコーチング協会理事長を務める竹内エリカさん。社会的にも課題となっている育児について、さまざまな角度から、その魅力を教えていただきました。また、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、毎日の食事から免疫力を高めて家族の健康を叶えるポイントについてお届けしていますので、トレンドコラムとあわせてご覧くださいね。

今月は「ピンクリボン月間」に合わせて、家族の健康をテーマにお届けしています。今回取り上げるのは「子育て」について。現在子育て中の方はもちろん、独身の方やこれから子どもを持ちたいという方も必読の子育てそのものの楽しみ方をお伝えします。お話をうかがったのは、幼児教育者で日本キッズコーチング協会理事長を務める竹内エリカさん。社会的にも課題となっている育児について、さまざまな角度から、その魅力を教えていただきました。また、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、毎日の食事から免疫力を高めて家族の健康を叶えるポイントについてお届けしていますので、トレンドコラムとあわせてご覧くださいね。

教えてくれたひと
竹内エリカ(Erika Takeuchi)幼児教育者、日本キッズコーチング協会理事長
20年にわたり発達心理について研究し、約15000人の親子に携わる。発達支援では多動症・不登校の克服、運動指導では全国第1位他、14賞のコーチ実績がある。『男の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方』『女の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方』(KADOKAWA/中経出版)ほか著書多数。千葉県出身。2児の母。http://www.jakc.or.jp/

想像もしないことが起こる。だから子育ては最高に楽しい

竹内エリカさんは、自身が設立した日本キッズコーチング協会を通して、母親や教師など、子どもの教育や育成支援に関わる人々を対象に、子ども育成支援に取り組んできました。そのきっかけになったのは、自身の結婚と出産。これまで、なんと15000組もの親子に関わってきたそうです。

「私自身の経験も踏まえて言えることは、子育てってすごく楽しいということなんです。その面白さは、『未知のことがたくさん起こる』ということに尽きると思っています。子どもって、本当に個性もさまざまですし、どう育っていくのかわからない。だからこそ驚きに満ち溢れているし、人が想像を超えて成長していく姿を間近で見られるということは得難いことだと思っています」

多くの人が子育ての喜びに触れている一方、保育施設の社会的な不足など、育児支援を取り巻く状況が問題視されているという現状もあります。最近は価値観が多様化していて、「結婚しない」「産まない」という選択肢も以前より一般的になってきました。このような風潮も、竹内さんは出産や育児に対するイメージの問題ではないかと言います。

「たしかに出産や育児を“負担”だと考える人もいます。でも、それは単純に『経験していないから』なんですよ。人は経験したことがないことはなかなか選択できませんから。ただ、そもそも人生って選択できるものではありませんよね? 生きるということは、目前に起きたことをどう捉えるかの連続です。そういう意味では、子宝に恵まれることも人生だし、そうではない人生もあって、それをどう受け入れるかという問題だと思うんです」

現在は子育てがしにくい社会環境であることは事実。子どもを育てるにはお金もかかるし、育児と仕事の両立も難しい。不妊治療を続ける人もいれば、シングルマザーとして奮闘している人もいます。そういった中では、ポジティブに状況を受け入れづらいという人もいるかもしれません。

「子どもを望んでいる人にとっては、出産や育児の楽しい話題は辛いものがあるでしょう。私たちの協会にも子どもがいない人はたくさんいます。でも、子育ての楽しさ、人の成長を促す楽しさを、教育に関わることで実感している人もいます。『セルフ・エフィカシー(自己効力感)』という言葉があるのですが、人って誰かのために何かをしているときにもっとも幸せを感じるんですよ。それは自分の子どもかどうかは関係ありませんし、どんな人でも母親がいない人はいませんから、親子関係を考えることは、どんな人にとっても意味があることだと思います」
 

ポジティブに捉えることで、視野も人生も開けていく

今までの人生にない体験をすること、そして人の成長に触れることが、子育ての大きな魅力。たしかに、もしも「この子はこう育つ」とあらかじめわかっていたら、育児のやりがいは感じづらいかもしれません。でも、育児に正解を求めすぎて、子育てが苦しく感じてしまう人もいるのだそうです。

「実際に、皆さん、いろいろな悩みを抱えています。でも、その悩みのほとんどは『正解』があると思うからなんですよね。ところが、子育てに正解なんてないんですよ(笑)。だからこそ面白さがあるんです。もちろん、よりよい育て方はありますが、親の状況もさまざまなら、子どもの個性もさまざま。育児中にはいろいろな予期せぬことが起こりますが、それをどう捉えて乗り越えるかというだけなんです」

竹内さんが例に出してくれたのは、道端の石。歩いていて石につまずくと、「嫌なことが起こったな」と考えてしまいがちですが、そう思うことに意味はなく、ただ石をどければいい。預けられる保育所が近くにないことを嘆くのではなく、預けられる方法を探したり、子どもの不得意なことを残念に思うのではなく、いい面を見つけたり。この考え方は、育児全般に言えることです。

「私がおすすめしているのは、『リフレーミング』という方法。フレーム(枠組み)を変えるという意味です。『テストの成績が悪い』のは『固定観念にとらわれない』と言い換えることができますよね。どんなことにも、いい面と悪い面の両方があるんです。これを常に意識していると、ダメだと思っていたこともよく思えてくると思いますよ」

たとえば、子どもがひとりで立って歩くのが遅いと心配になるかもしれませんが、実はハイハイをする期間が長いほうが、上半身が鍛えられて、結果的に運動神経のいい子に育つということもあるのだそう。経験したことがないことは不安にも感じるけれど、視野を広くもってポジティブに捉えれば、どんなことも楽しさに変わる。このことは、子育てに限らず、人生全般にもいえることかもしれません。

「そもそも、人が成長するためには『壁』が必要なんです。子どもの年齢ごとの発達には7つのステップがあって、1年に1つの能力を獲得していきます。でも、このステップは子どもに限った話ではないんです。何かを新しく始めるとき、たとえば新入社員にとってもこのステップを踏むことで成長していきます」

年齢ごとの発達のステップ

 ステップ 年齢 発達
ステップ 0 0歳 楽しい体験をする     →「好奇心」が育つ
ステップ 1 1歳 できたという体験をする  →「やる気」が育つ
ステップ 2 2歳 わかったという体験をする →「集中力」が育つ
ステップ 3 3歳 自分でやりたい事をやる  →「自立心」が育つ
ステップ 4 4歳 壁を乗り越える体験をする →「我慢する力」が育つ
ステップ 5 5歳 助け合うという体験をする →「思いやり」が育つ
ステップ 6 6歳 助け合うという体験をする →「思いやり」が育つ

 
もちろん、どんな子もこのとおりに成長するわけではありません。大切なのは、今どのステップにいるのかを見極め、一つひとつをていねいにクリアしていくこと。もしかしたら、初めて「親」になる場合も、子どもと一緒に大人も同じ段階を踏んで成長していくのかもしれませんね。

「子どもの成長を、ぜひ楽しんでください。そうすれば、親の視野もどんどん広がって、もっと人生が楽しくなります。何より、子どもと接していると、想像している以上に愛おしく感じますよ。ぜひたくさんの人に、この喜びを味わってほしいですね」
 

【次週は、具体的な育児のポイントをご紹介。「いい子」とはどんな子? どう接するのがいい? などの疑問に答えます】

【今週更新!きのこで菌活。】

寒くなってくると、子どもの風邪やインフルエンザも心配ですね。 また、家族のがんや動脈硬化、高血圧、糖尿病といった大病、生活習慣病の対策にも免疫力の向上が不可欠。家族の健康的な身体をつくる毎日の食事にきのこを取り入れて、免疫力を上げる方法をご紹介します。

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

今おすすめのきのこレシピ

霜降りひらたけの寄せ鍋

栄養満点な温かいお鍋で、風邪などの不調に負けない健康な身体をつくりましょう。きのこに豊富な食物繊維は、免疫細胞の約7割が集まる「腸」を整えることで全身の健康をサポートする働きが期待できます。また、水菜や白菜に含まれるビタミンCと合わせることで効果がアップ!ジューシーな霜降りひらたけのうま味が口いっぱいに広がるお鍋です。

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