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きのこばか

【vol.13】祖父との思い出

皆さんいかがお過ごしですか。最近、サウナにハマっているきのこ大好き花村です。今回は、私が何故きのこ好きになったのか、きのこばか誕生の物語。

私の実家では、毎年秋になるときのこ採りに出掛けるという慣習があります。私が初めてきのこ採りに連れて行ってもらったのは小学校2年生のとき。

土曜日の朝5時頃、祖父に起こされた私は眠い目をこすりながら、祖父と1つ年上の兄との3人で山へと向かいました。何故、こんな朝早くに?と思われるかもしれませんが、太陽の光にきのこが当たると反射で見えにくくなり、きのこが見つけづらいというのがその理由。私は、2人の後に付いて決して緩やかでない山道を登って行きました。

1時間程経った頃、服に汗がぴったりと張り付き足が重くなってきた時、急に視界が開けました。「よく頑張った。着いた。」と祖父が静かに言いました。顔を上げると眼下には、私の住む村がミニチュアのように広がっています。朝6時、村は近くの河川から発生した霧に覆われ幻想的な雰囲気を漂わせていました。疲れなどは消えていました。冷気を含んだ風が、汗ばんだ身体をスルスルと抜けていきます。

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祖父は、私と兄を大きな松の木陰に座らせました。
「ここまで登るのは大変だったろ。でも、毎年じいちゃんがきのこを採りに何度も何度も山に登るのは、じいちゃんが採るきのこを楽しみにしている人達がいるからだ。誰かの為に頑張るってのは、不思議と力が湧くんだな。お前たちも、誰かの為に頑張れる人になりなさい。きのこだって死んでしまった植物や動物を分解して土に戻してあげる、そして生きている花や木々の栄養に変えてあげているんだ。他の生き物たちの為に働いているんだな。」
こんなに小さな生き物に、そんな凄い力があるのかと私は幼心に感心しました。

家に帰り、魚(び)籠(く)いっぱいに採れたジコボウ(総称・ハナイグチ)やコムソウ(総称・ショウゲンジ)といったきのこを祖父と兄と一緒に親戚に贈る準備をしました。私は、自分が季節はずれのサンタさんになったような気分になって、大事に大事にきのこ達を段ボールに詰めていきました。

祖父は、今年で93歳になります。もう山には登りませんが、毎日畑に出掛けては、真っ黒に日焼けして私達が食べる野菜を作ってくれています。一緒に山に登っていた時に比べ、一回り小さくなったその背中は、未だ強く逞しく。初めて山に登ったその日、私はその背中を一心に追い続けました。誰かのために静かに働く祖父の姿を、私はどうしようもなくきのこと重ねてしまうのです。私にとって、きのこの存在は静かに逞しくある祖父でもあるのです。祖父が私をきのこ好きにさせてくれました。

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※追伸 祖父に93歳まで元気でいるための秘訣を聞いてみた所、その秘訣は食と運動だそう。しっかり3食バランスよく食べ、畑で汗をかく事が大事なのだとか。
あっ、あときのこも毎日食べています。きのこには長生きの秘訣があるのかもしれません。

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