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きのこで菌活。

きのこの栄養素を余すことなく吸収できる効果的な調理法とは?

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栄養満点のきのこは健康増進や美容効果が期待できるスーパーフード。でも、せっかく食べるのであれば、より効率よく栄養素を吸収したいと思いませんか? 今週のトレンドコラムでは、日本食を一年の四季を通してより楽しむための方法をご紹介していますが、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、きのこに含まれる栄養素の効果的な摂取方法をご紹介!栄養素の特性を覚えて、毎日の食事にきのこを上手に取り入れてみましょう。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

管理栄養士 望月理恵子<

望月理恵子(管理栄養士)

クリニックでの栄養カウンセリングや大学・専門学校の講師、コラム執筆やヨガ教室の開催、レシピ開発など多岐に渡って活動中。得意ジャンルはアンチエイジング、メタボ、ダイエット、美容、食育など。健康検定を実施する株式会社Luceの代表も務める。

 

きのこのビタミンの特徴とより効果的な調理法の組み合わせとは?

—— 編集部:先週までのお話で、きのこに含まれる栄養素が、いかに健康や美容にいいかということが分かりました。普段の食事にもっときのこを取り入れていきたいのですが、効果的に栄養素を摂取する食べ方などがあれば教えてください。

—— 望 月:例えば、お子様の骨を丈夫にしたい! という場合を考えてみましょう。きのこにはカルシウムの吸収率を上げる「ビタミンD」が豊富に含まれており、カルシウムを意識的に摂りたいときに力を発揮します。牛乳やヨーグルトなどのカルシウム源と一緒にきのこを食べましょう。また、ビタミンDは脂溶性の栄養素なので、油と一緒に摂摂取することで効果的に身体に取り入れることができます。油で炒めてもいいですし、ドレッシングの油でもいいので、料理に油を使ってあげると、カルシウムもビタミンDも効率よく吸収することができますよ。

—— 編集部:ビタミンDは油と相性がいいんですね! ビタミンDは脂溶性とのことですが、ビタミンB群は確か水溶性でしたよね?

—— 望 月:そうなんです。ダイエットや美肌づくりをサポートするビタミンB群はビタミンDとは違って水に溶け出す性質があるので、火を通す場合はさっと茹でる程度にしてぐつぐつ煮過ぎないようにしてください。もしくは、溶け出した栄養素も余すことなく摂取できる汁物もおすすめです。

—— 編集部:茹でずに蒸すのはいかがでしょうか?

—— 望 月:ビタミンB群は蒸しても流れ出てしまうので、ホイル焼きなどにするのがいいですね。その場合、ホイルにたまった水分も残さないようにしてくださいね。

—— 編集部:体内の塩分バランスを整えてくれるカリウムはどうでしょうか?

—— 望 月:カリウムも水に溶けやすい性質があるので、スープなどにして食べると効果的に摂取することができますよ。

—— 編集部:ダイエットには欠かせない食物繊維の効果的な摂り方はありますか?

—— 望 月:きのこに含まれる食物繊維は、特に不溶性食物繊維が多いので、加熱方法などは特に意識しなくても大丈夫です。ただ、細かく刻みすぎないように注意してください。きのこをよく噛んで食べるのはいいのですが、食べる前に細かくしすぎたり、ミキサーでペーストなどにしてしまうと、せっかくのダイエット効果を発揮する食物繊維が破棄されてしまい、整腸作用が薄れてしまいます。きのこは包丁で切るのではなく、なるべく大き目に、手で割いてから調理をするのがベストですね。

—— 編集部:噛み切れないご高齢の方や、消化機能の弱い赤ちゃんは、どのように食べたら良いでしょうか。

—— 望 月:無理に大きく切ったものを食べる必要は、もちろんありません。健康状態や、成長にあわせて切り方などは工夫をして調整しましょう。よく噛めない場合には当然小さく刻んでくださいね。きのこには、ビタミンやミネラルなどの栄養素がとっても豊富、老若男女が楽しめる食材ですからね。

—— 編集部:本当にちょっとした工夫で、栄養素の摂取量を増やすことができるんですね!

 

旨味の強いきのこは減塩効果も満腹効果も絶大!

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—— 編集部:きのこは香りや旨味が強い食材ですが、こういったものを活かす調理方法は何かありますか?

—— 望 月:熱を加えすぎないことですね。味噌と同じで、きのこも煮込みすぎると風味が飛んでしまうので、ぐつぐつ煮込みすぎないのがポイントです。それから、調理前にきのこをじゃぶじゃぶ洗ってから使う人をたまに見かけますが、せっかくの風味が飛んでしまうので、ホクトのきのこなら洗わなくて大丈夫です。

—— 編集部:旨味が強い食材は、調理の際に調味料が少なくて済むので健康的だと聞いたことがあります。

—— 望 月:そうですね。旨味や香りの強い食材は塩分が少なくても物足りなさを感じさせにくいので、減塩効果が期待できます。また、旨味からは満腹感や満足感が得られやすいという調査報告もありますから、旨味の強いきのこはダイエットにもってこいの食材だといえますね。

—— 編集部:カロリーが低いだけでなく、きのこにはさまざまなダイエット効果があるんですね! 早速今日の献立からきのこを取り入れていきたいのですが、忙しい時でもパパッとできる一品料理があれば教えていただけますか?

—— 望 月:きのこは香りがいいので、さっと茹でて醤油を垂らすだけでもおいしく食べられますよ。火を使って調理をするのが面倒だという方は、お皿にきのこを置いてゴマ油と醤油をかけ、レンジでチン!これだけで立派な副菜の完成です。

—— 編集部:“もう一品なにか足したい!”という時に便利ですね。

—— 望 月:ほかにも、お米や調味料に、香りがよくて旨味の強い霜降りひらたけを加えて炊くだけで簡単に「霜降りひらたけの炊き込みご飯」が作れますし、あとは、時間がある時にブナシメジやまいたけなどを使った「きのこきんぴら」や「玉ねぎときのこのマリネ」などを作り置きしておくと忙しい時に重宝します。さっと炒めるだけで手軽に作れるソテーも簡単なのでおすすめですよ!

 

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