冬の肌ストレスを解消!きのこで美肌を手に入れる!
気温が下がり、空気も乾燥するこの季節。“冬だから肌がかさかさしてしまうのは仕方ない”と諦めていませんか? その乾燥肌、「きのこで菌活」を取り入れた食習慣で改善できるかもしれません。今週のトレンドコラムでは、日本食をもっと楽しむための和食器の魅力についてお届けしていますが、今週の「きのこで菌活。」は、楽しい食事や生活からストレスをオフしたり、しっかりと栄養素を摂取して叶える美肌づくりのお話。美容効果のある栄養満点のきのこをたっぷり食べて、肌トラブルのない1年を始めましょう!
—————— 教えてくれたひと ——————
望月理恵子(管理栄養士)
クリニックでの栄養カウンセリングや大学・専門学校の講師、コラム執筆やヨガ教室の開催、レシピ開発など多岐に渡って活動中。得意ジャンルはアンチエイジング、メタボ、ダイエット、美容、食育など。健康検定を実施する株式会社Luceの代表も務める。
食事の塩分と油の見直しで、冬場の乾燥肌を改善!
—— 編集部:乱れた食生活と乾燥した空気の影響からか、最近肌のコンディションがよくありません。
—— 望 月:冬場は空気が乾燥しているので、肌の水分も失われがちですよね。加えて冬は塩分を過剰摂取してしまう時期でもあるので、余計に肌トラブルを抱えてしまうんです。
—— 編集部:塩分の過剰摂取、ですか?
—— 望 月:そうです。冬になると、なんだか塩分が濃いものの方がおいしく感じませんか?塩分に含まれているナトリウムには身体の水分バランスを保つ働きがあるのですが、塩分を過剰に摂取すると、体内の水分バランスを保とうとして細胞の水分が奪われてしまうため、自然と身体が水分不足に陥ってしまうんです。
—— 編集部:それが肌にも影響してくるということですか?
—— 望 月:はい。塩分をとりすぎている人は、細胞に十分な水分がないため、肌が乾燥しやすくなり、結果的にしわができやすくなってしまうんですね。
—— 編集部:しわのない潤いのある肌を目指すのであれば、塩分の量まで気を遣わなければいけないということなんですね。
—— 望 月:はい。塩分には血圧を上昇させて体を温める作用があるため、本能的に冬場はどうしても濃い味が欲しくなりますが、旨味の多いきのこを使えば、調味料が少なくても物足りなさが軽減されるのでおすすめです。きのこには塩分排出を促してくれるカリウムが含まれていますし、食物繊維によって便秘の解消も期待できますから、総合的に肌荒れが軽減されていくことでしょう。
—— 編集部:肌の乾燥対策という観点で、何か食生活で気をつけた方がいいことはありますか?
—— 望 月:質のいい油を適度にとる、ということですね。女性の方は特に、カロリーを気にして油分を控えている方も多いかと思いますが、油が不足すると皮脂やホルモンを作ることができないため、肌がかさかさしてしまったり肌荒れが起きてしまうんです。また、腸内で潤滑油の役割を果たすものがなくなってしまうので、便秘の原因にもなりかねません。
—— 編集部:便秘は美肌の大敵ですからね……。でも、ダイエットのために油は控えてしまいがちです。
—— 望 月:やみくもに油をとればいいというわけではなく、“質のいい油をとる”ということがポイントです。
—— 編集部:質のいい油というのは、たとえばどういったものが挙げられますか?
—— 望 月:いま話題になっている“オメガ3”と呼ばれる油ですね。亜麻仁油やえごま油、チアシードオイル、青魚の油などもこれにあたります。こういった油はアレルギーを起こしにくく、コレステロール値を下げてくれたり、血管を広げてくれたりとさまざまな効果が期待でき、健康な身体づくりにもひと役買ってくれます。
—— 編集部:では、いま使っている油を全部このオメガ3に置き換えればいいということですか?
—— 望 月:残念ながらオメガ3は熱に弱いので、加熱をすると質が落ちてしまうんです。そのため、ヘルシーなきのこと合わせて、カロリーも控えた、加熱しない料理がおすすめですよ。きのこのマリネやカルパッチョなどの上からかけて食べてみてはいかがでしょうか。
—— 編集部:身体にいいと言われているオリーブオイルはどうでしょうか?
—— 望 月:オリーブオイルは融点が高く酸化しにくいオメガ9系のオイルなので、炒めものなどの加熱調理にはオリーブオイルを使うといいと思いますよ。
免疫機能の高い身体が、若々しい見た目を作る
—— 編集部:食物繊維の一種で、きのこに多く含まれるβグルカンは、免疫力アップに効果的と一週目にお伺いしましたが、この効果は美肌とはあまり結びつかないものなのでしょうか?
—— 望 月:免疫力アップと美肌は密接な関係にありますよ!たとえば、免疫が落ちていると外部の刺激に敏感になってしまって肌荒れを引き起こしてしまいますが、免疫力が上がると外部の刺激に強くなるだけでなく、血行やリンパの流れが良くなることで、荒れた肌や髪につやを取り戻すことができます。
—— 編集部:美肌にも効果的ということは、免疫力アップがアンチエイジングにつながると言ってしまってもいいものなのでしょうか?
—— 望 月:はい。仕事柄、よくアンチエイジングについての相談を受けるのですが、日ごろから、アンチエイジングに最も効果があるのは「免疫力の高い身体づくり」と「整腸」だと私はお答えしています。
—— 編集部:身体の機能を高めてあげることが、結果的に見た目の“若さ”にもつながっているということですか。
—— 望 月:そうです。免疫力が高いということは、細胞も若々しいということ。つまりは肌つやのよい見た目で、病気に打ち勝つ元気な身体であるということです。若々しくきれいな方というのは、実際、病気にもかかりにくいんですよ。こういった方々は、“血液の成分や身体の機能が年相応よりも若い傾向にある”ということも研究で分かってきています。
—— 編集部:見た目をきれいにするということは、健康にもいい効果があるんですね!ほかにも、きのこには「美容ビタミン」と呼ばれているビタミンB2が豊富に含まれていましたよね?
—— 望 月:はい。きのこに含まれるビタミンB2には細胞の新陳代謝を促す働きがありますし、ビタミンB6にも皮膚病を予防・改善する働きがあるので、美肌効果が期待できます。肌の外側というのは高価な化粧品でどうにかなる場合も多いですが、土台となる肌づくりは、内側からのケアが何よりも重要なんです。
—— 編集部:ビタミンB群を積極的にとることで、肌の内側からきれいになれますか?
—— 望 月:そうですね。ビタミンB群には代謝を促す効果があるので、ターンオーバーが活性化されるという意味でも、しみやくすみのない美しい肌が手に入れられるかと思います。ビタミンB群との相乗効果として、美肌には油も必要ですし、新しい肌細胞を作るためには肉や魚をしっかり食べてタンパク質を摂ることも大切なので、バランスのとれた食事を心がけましょう。
—— 編集部:では、きのこと組み合わせて食べることで美肌の相乗効果が期待できる食材があれば教えてください。
—— 望 月:それならば、鮭がおすすめですね!鮭にはアンチエイジング効果のあるアスタキサンチンが豊富に含まれているので、きのこのビタミンB群と一緒にとることで、しみやたるみの予防、肌の乾燥対策、美白効果など、総合的に美肌に働きかけてくれることでしょう。
おすすめレシピ
きのこたっぷりの雑炊で、栄養素をしっかり摂取。ビタミンB群&免疫力アップで美肌をつくりましょう!
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