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きのこ面白情報

かわいいきのこグッズや、不思議で楽しいきのこカルチャーをご紹介!

【きのこ面白情報】きのこ文学研究家 飯沢耕太郎

きのこの「不思議なパワー」をみんなに伝えたい!
「〈きのこ×文学〉ワンダーランド」展at町田市民文学館ことばらんど

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2005年にベトナム・ホーチミン市を訪ねた時、路上の切手屋さんで、きのこの図柄の切手を3種類ほど買いました。これがどうやら、私の頭の中にきのこの胞子が入り込んだきっかけだったようです。

その後、何かに取り憑かれたように「キノコ切手」を蒐集(しゅうしゅう)し始め、約2年間で3000種類ほど集めて、とうとう『世界のキノコ切手』(プチグラパブリッシング、2007年)という本まで出してしまいました。このコラムでお馴染みのとよ田キノ子さんとお会いしたのもその頃で、きのこ関係の仲間もどんどん増え、気がついたら、きのこの輪を広げる「胞子活動」にまっしぐらに突き進んでいたわけです。

なぜ、そんなにきのこ夢中になっているのか、毒きのこでも食べたのではないか、とよく聞かれるのですが、自分でも理由がよくわかりません。本当に何か「不思議なパワー」につき動かされているとしかいいようがないのです。


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でも、きのこについて書いたり、喋ったり、イベントを企画したりするのは本当に楽しい。きのこのパワーが全身に伝わってくるようで、いつも幸せな気分になってしまいます。僕の本業は「写真評論家」なのですが、「飯沢さんは写真についてよりも、きのこについて喋っている方が嬉しそうですね」とよくいわれます。前に『きのこのチカラ』(マガジンハウス、2011年)という本にも書いたのですが、どうやらきのこには「人を幸せにするチカラ」が備わっているようです。


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さて、数ある「胞子活動」の中でも、いま私が一番力を入れているのは「きのこ文学」の蒐集と研究です。「きのこ文学」というのは、きのこを主なテーマとする小説、詩歌、エッセイなどのこと。もちろん大人向けのものだけではなく「きのこ絵本」や「きのこ漫画」もその中に含まれます。「きのこ映画」や「きのこアート」にまで広げて考えてもいいでしょう。2008年に『きのこ文学大全』(平凡社新書)という本を出して以来、すっかりその魅力にはまってしまいました。調べれば調べるほど、古今東西の文学者たちがきのこの「不思議なパワー」に魅せられ、素晴らしい作品を残してきたことがわかってきます。

たとえばルイス・キャロルと泉鏡花の共通性は何でしょうか? いうまでもなく二人とも「きのこ文学」の大傑作を書いていることです。キャロルの『不思議の国のアリス』(1865年)と鏡花の『茸の舞姫』(1918年)は、どちらもきのこの魔術性を作品の中に見事に取り込んでいます。時代も、国籍も、作風もバラバラな作家や詩人が、きのこたちによって文学的なインスピレーションを刺激され、素晴らしい作品を書き残しているのです。

そんな「きのこ文学」の魅力を皆さんに伝えようと展覧会を企画しました。今年の夏、町田市民文学館ことばらんどで開催される「〈きのこ×文学〉ワンダーランド〜きのこの森へようこそ〜」展(2013年7月20日〜9月23日)です。夏休み企画なので、絵本や童話作品が中心になりますが、大人も子供も楽しめる展示になると思います。イベントも盛り沢山。ぜひ足をお運び下さい。

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飯沢耕太郎さん、あなたにとってきのことは?
「それは永遠の謎です。」

iizawa_pro飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
きのこ文学研究家、写真評論家。1954年、宮城県生まれ。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。近著に『深読み! 日本写真の超名作100』(パイ インターナショナル)、『フングス・マギクス 精選きのこ文学渉猟』(東洋書林)、『ザンジバル・ゴースト・ストーリーズ』(祥伝社)など。最近、講演旅行のついでに台湾・高雄市の「台灣北斗」の工場を見学してきた。まるで宇宙人のようなきのこたちの姿に感動!

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