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きのこで菌活。

「二日酔い」と「ダイエット」に効果を発揮。きのこ料理が効く理由

菌活1

お正月や新年会など、なにかと飲食をするイベントが増えるこのシーズン。連日の二日酔いや新年早々の体重増加に頭を悩ませている方はいませんか? 実はそのお悩み、どちらもきのこで菌活を習慣化することで解決できるんです!今週のトレンドコラムでは、和食のヘルシーさやその魅力についてお届けしていますが、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、アルコールケアとダイエットのお話をお届けします。この時期ならではのお悩みを、すっきりきのこで解決していきましょう!

 

—————— 教えてくれたひと ——————

管理栄養士 望月理恵子<

望月理恵子(管理栄養士)

クリニックでの栄養カウンセリングや大学・専門学校の講師、コラム執筆やヨガ教室の開催、レシピ開発など多岐に渡って活動中。得意ジャンルはアンチエイジング、メタボ、ダイエット、美容、食育など。健康検定を実施する株式会社Luceの代表も務める。

 

二日酔いの予防とケアは、きのこにおまかせ!

—— 編集部:新年早々、新年会が続いていて二日酔いになりがちです……。

—— 望 月:それは身体によくありませんね。実は、二日酔いの予防やケアにも、きのこがおすすめなんですよ!

—— 編集部:二日酔いと聞くと「シジミ」をイメージされる方も多いかと思いますが、きのこにはどんな効果があるのでしょうか?

—— 望 月:シジミが二日酔いにいいと言われているのは、オルニチンというアミノ酸の一種が豊富に含まれているからなのですが、実はこのオルニチン、きのこにもたっぷり含まれていて、シジミ同様、肝臓の機能をサポートしてくれるんです。

—— 編集部:それはとても心強いですね!

—— 望 月:それだけではありませんよ。アルコール代謝をする際にビタミンB1が大量に消費される関係で、飲酒後はビタミンB1がものすごく減少するんです。お酒を飲む方のほとんどがビタミンB1不足に陥っているといっても過言ではありませんから、オルニチンとビタミンB1を豊富に含むきのこ類は、まさにアルコールケアの最強食材といってもいいでしょう。

—— 編集部:ビタミンB1が不足すると、オルニチンがあってもアルコールをうまく分解できないということでしょうか?

—— 望 月:そうですね。アルコールを分解しきれないので、二日酔いにもなりやすいかと思います。また、ビタミンB1は、本来糖質の代謝に働きかける栄養素なんですが、このB1が欠乏することで“炭水化物をたくさん消費した”と身体が勘違いしてしまうようです。お酒を飲んだ後にラーメンが食べたくなるのには、こういった理由もあるようですよ。

—— 編集部:ビタミンB1をしっかり摂ることで、食べ過ぎも予防できるんですね!では、二日酔いを防ぐためには、どのようにきのこを食べればいいですか?

—— 望 月:まずは、お酒を飲む前にきのこを食べましょう。胃袋がからっぽの状態でアルコールを摂取すると胃や腸ですぐに吸収されてしまいますが、消化に時間のかかる食物繊維を豊富に含むきのこをあらかじめ胃の中に入れてあげることで、その後に入ってくるアルコールの吸収を抑制することができるからです。お酒を飲む前に、たとえばきのこのサラダとか、ホイル焼きといったメニューを食べておくと、後々お酒が残りにくくなりますよ。

—— 編集部:おつまみもきのこを使ったものを選ぶのがいいですか?

—— 望 月:豚肉のようにビタミンB1を含む食材でもいいのですが、カロリーの低いきのこであれば、脂肪として蓄えられるリスクも少ないので罪悪感なく食事が楽しめるかと思います。

—— 編集部:二日酔いになってしまった後はどうしたらいいでしょうか?

—— 望 月:とにかくたくさん水分をとった方がいいので、味噌汁やスープなど、きのこを使った汁物を食べるのがいいでしょうね。

—— 編集部:なるほど。教えて頂いたきのこで菌活ポイントを習慣化して、お酒を楽しみたいと思います。

 

基礎代謝が最も上がる1月はダイエットの開始に最適の時期

マイタケ
—— 編集部:「今年こそはスタイルアップを目指そう!」と目標を立てたばかりなのに、連日の暴飲暴食がたたって、しっかり体重が増加してしまいました……。

—— 望 月:おととしのデータではありますが、冬に太る女性というのは、なんと“2人に1人”の割合でいるそうですよ。太らなかった方にその理由を探ってみたところ、共通して分かったことは“行事を楽しまなかった”ということだったそうです。

—— 編集部:年末年始だからといって気を抜かずに、規則正しい生活を送っていたということでしょうか?

—— 望 月:そうですね。「冬太り」という言葉がありますが、これは“冬だから太る”という意味では決してありません。日常生活と変わらない生活をしていれば体重が変わることもありませんし、むしろ痩せる人もいるぐらいです。

—— 編集部:むしろ痩せる!?冬は太りやすい季節なのかと勝手に思っていました!

—— 望 月:それは大きな間違いです!「冬太り」というのは、単純に摂取カロリーが消費カロリーを上回ることによっておきる体重の増加現象。忘年会や新年会、クリスマスやお正月など冬には脂肪を蓄積させるイベントがたくさんあるため、こういったことが起こりがちなんですが、そもそも1月は一年の中で一番基礎代謝が上がる時期でもあるんですよ。体温と外気温の差が最も大きくなる時期なので、身体が体温を維持しようと働くんです。

—— 編集部:1月が一番基礎代謝の上がる時期!? それは一年で一番痩せやすい時期でもあるということですか?

—— 望 月:そうなんです! ただ、活動量が少ないのも……1月なんですよね。

—— 編集部:寒いと動きたくなくなりますもんね……。

—— 望 月:でも、活動をしなければ熱を生み出すことができません。そうすると身体はどうなるかというと、“生命を維持しよう”という本能が働いて、食べ物を食べることでエネルギーを作ろうとするんです。だから、「なんだかいつもよりも食欲が増す→ついつい食べ過ぎる→でも、寒いから動きたくない」。これを繰り返していくうちに、どんどん脂肪を蓄えてしまうんですね。反対に、基礎代謝が上がっている時期なので、動いて熱を作り出すことを意識すれば、おもしろいように痩せていきますよ。

—— 編集部:1月は目標を立てやすい時期でもあるので、ダイエットを始めるにはいいタイミングですね!

—— 望 月:はい。1月をピークに、夏に向かって基礎代謝はどんどん落ちていきます。一番代謝が落ちる時期は8月。“今年こそは水着を着たい!”という方は、暖かくなってからではなく、今から頑張っていきましょう!効率よくダイエットができますよ。

—— 編集部:では、ダイエットを意識した食事というと、どういったものがおすすめでしょうか?

—— 望 月:やはり、食物繊維が豊富でカロリーの低いきのこがおすすめです。

—— 編集部:確かに食物繊維による整腸効果が期待できて、ダイエットによさそうです!

—— 望 月:そうなんです。消化に時間のかかる食物繊維は、整腸作用のほかにも中性脂肪の吸収を抑制してくれるという働きもありますし、おなかにたまりやすいため“満腹感が得られやすい”というメリットもあります。食感がいいので、よく噛むことで、満腹感の相乗効果も期待できるんですよ。

—— 編集部:しかも、低カロリーというのがうれしいですね。

—— 望 月:ダイエットの失敗の原因というのは、ほとんどの方が「挫折」。我慢や空腹によるストレスに耐え切れずに、皆さん心が折れてしまうんですね。その点、きのこを使ったレパートリーを増やしておけば、“万が一おなかがすいた時でも、これなら食べていい”という安心感があるので、ストレスを感じることなくまたダイエットを頑張ることができます。しかも、エリンギには中性脂肪の吸収を抑制してくれる働きが確認されていて、ダイエットに大変心強い食材なんです。

—— 編集部:なにか、きのこのおすすめの食べ方はありますか?

—— 望 月:代謝アップに効果的なビタミンB群は水に溶け出しやすいので、栄養素を余すことなく摂取できるという点で、汁物がいいかと思いますね。

—— 編集部:味噌汁ならば気軽に毎日の食事に取り入れられそうです。

—— 望 月:味噌汁は特におすすめの食べ方ですよ!きのこにはグアニル酸という旨味成分が含まれているのですが、出汁に使われる昆布のグルタミン酸や鰹節のイノシン酸との相乗効果で、一層の旨味を感じることができるからです。“旨味は満腹感を与えやすい”という研究データもあるぐらいなので、きのこの風味を生かした食べ方をすると効率よくダイエットができますよ。

—— 編集部:温かい鍋もよさそうですね!

—— 望 月:はい。身体を温める効果のある唐辛子や生姜を使ったメニューならば、代謝が上がってさらなるダイエット効果が期待できそうです。

 

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