人類が知りつくせないほどの種類があるきのこ。その一部をご紹介します。
【きのこアルバム】ウコンハツ
朝晩の気温差や空を漂う雲に、だんだんと秋の気配を感じられる日も多くなってきましたね。秋分は昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境に日が短くなり秋の夜長に向かっていきます。秋の夜に似合うのは、美しい月ですよね。
今月は、そんな秋の夜長、空に煌々と輝く月のように存在感を放つ「ウコンハツ」をご紹介します。
「ウコンハツ」はベニタケ科に属するきのこで、漢字では「鬱金初」と書き、傘の直径は3~8cm程で比較的小柄なきのこです。夏から今の季節にかけて、アカマツ・コナラ林、コナラ・クヌギ林などの林に発生し、日本や中国、北アメリカなどにも生息すると言われています。傘表面は成長するにつれてまんじゅう形から平らになり、やがて中央部がくぼんできます。黄金色の傘とは対照的に、傘の裏のヒダは白色で、傘の鮮やかな黄色とのコントラストが美しいのが特長です。
ウコンハツの名前の由来ともなっている「ウコン」は、ショウガ科の多年草で、別名「ターメリック」とも呼ばれ、ターメリックライスなど、料理を黄色く色づける目的で使われるスパイスです。ウコンといえば、一般的に二日酔い予防に効くイメージがありますね。この黄金色の「ウコンハツ」にも、もしかしてそんな効果効能が…?!と思ってしまいそうですが、残念ながら「ウコンハツ」には漢方的な効能は一切ありません。
むしろ、古くなってくると漬け物の一種である「ぬか漬け」のような不快臭がしてくるため、食には適さないきのこと言われています。
ちなみに、ウコンハツをはじめとするベニタケ科のきのこにはある共通点があります。それは、「縦に裂けない」ということ。エリンギやマツタケなど、食に馴染みのあるきのこの多くは繊維が縦に走っているため、頭から真っ二つに裂くことができますが、ベニタケ科きのこを裂こうとすると、柔らかい発泡スチロールを軽く握ったときのような感触でボロボロと崩れてしまいます。
つまり、よくわからないきのこでも、柄を裂こうとした際にボロボロになれば「ベニタケ科のきのこである可能性が高い」と第1段階識別ができるため、きのこの識別方法としてよく用いられているそうです。
※野生のきのこを素手で触ることは大変危険ですので、専門家の見解無しにむやみに触ったり採取するのはくれぐれも控えましょう。
「ウコン」のように漢方的な効果効能はないものの、色鮮やかに輝く「ウコンハツ」。夜空に美しい月を見つけた時のように、林の中でこの鮮やかなきのこを見つけたら、なんとも嬉しい気持ちになりそうですね。秋は一年の中で最も月が美しく見える季節といわれています。ゆっくりとした時間を楽しみたい秋の夜長、空を見上げて黄金色に輝く月を探してみてはいかがでしょうか。
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≪出典≫
今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編(2011)増補改訂新版 山渓カラー名鑑 日本のきのこ.山と渓谷社,東京
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