人類が知りつくせないほどの種類があるきのこ。その一部をご紹介します。
【きのこアルバム】マツカサキノコモドキ
朝晩の冷え込みがぐっと深まり、街には少しずつ冬の気配とクリスマスの雰囲気が漂い始めるこの時期。
お店にはクリスマスのリースやオーナメントが並び、その中には松ぼっくり(松かさ)を見かける機会も増えてきましたね。
そこで今回は、“松かさ”を名前に持つきのこ『マツカサキノコモドキ』をご紹介します。
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マツカサキノコモドキは、日本、中国、ヨーロッパなど主に北半球で見られるきのこ。冬から春にかけて、地中に埋まった松かさから発生するきのこです。
傘の大きさは約5〜30mmと小ぶり。発生時はまんじゅう形をしており、成長すると傘が平らに開いていきます。
傘の表面の色は、個体差があり黒褐色・灰褐色・黄土色・灰色・白色など様々です。
一方、傘の裏側はひだ状で、白色を帯びているのも特徴です。
また、柄は長さ約4〜6cm・太さ約1〜2mmと細長い形をしており、柄の中は空洞です。
傘に近い上部は白色、下部は橙黄褐色をしており、表面には細かな毛が見られます。
そしてマツカサキノコモドキの最大の特徴は、地中の“松かさ”から生えるということなんです。地上に顔を出す際には、柄の根元は約4〜8cmと長く伸びるそうです。
同じく松かさに発生するきのこには、マツカサキノコ、マツカサシメジ、ニセマツカサシメジ、マツカサタケなどがあります。
マツカサキノコモドキは、特にマツカサシメジとよく似ていますが、「シスチジア」と呼ばれる傘、柄、ヒダの表面から飛び出した特殊な細胞の形などから判別できるそうです。
ちなみに、マツカサキノコモドキは漢字で表すと「松毬茸擬」となり、松毬(松かさ)に発生することと、マツカサキノコに似ていることから名づけられたといわれています。
なお、マツカサキノコモドキは一般的には食べられるといわれていますが、野生のきのこの中には食用種に似た有毒種があったり、衛生面の確認も必要になったりしますので、専門家の確認がない限りは目で見てお楽しみいただければと思います。
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冬の気配がぐっと近づくこの時期、山のきのこたちは少しずつ息を潜める季節になっていきます。一方、私たちは年末に向けてイベントの多い時期にもなっていきますので、温かい料理をとり入れながら、身体の内側から整えていきましょう。
【出典】
・今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編(2011)「増補改訂新版 山渓カラー名鑑 日本のきのこ」株式会社 山と渓谷社,東京
・前川二太郎 編著 (2021)「スタンダード版 新分類 きのこ図鑑」株式会社 北隆館,東京
・奥沢康正 奥沢正紀 著(1998)「きのこの語源・方言辞典 」 株式会社 山と渓谷社,東京
・今関六也・本郷次雄 編(1989)「原色日本新菌類図鑑(Ⅰ・Ⅱ)」株式会社 保育社, 大阪
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