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きのこで菌活。

熱中症になる前に!暑さ対策にもインナーケア!

菌活1
暑さが厳しい8月、この時期気になるのは、熱中症や夏風邪といった夏場特有の体調不良です。今週のトレンドコラムでは、伝統的な夏祭りや花火大会をもっと楽しむための豆知識や、風鈴など風流な日本の”涼”を感じる工夫をお伝えしていますが、そのような夏のイベントを楽しむためにも、不調に負けない健康的な体を手に入れたいですよね。そこで、今週の「きのこで菌活。」では、熱中症対策のポイントを管理栄養士の三城 円先生に教えていただきました。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

管理栄養士 三城円さん

三城 円 (管理栄養士、San-CuBic代表)

容姿コンプレックス、ダイエット、摂食障害といった自身の経験を「ひとりで苦しんでいる人のために生かしたい」とパーソナル管理栄養士としての食生活相談をスタート。食という手段を用いて、ひとりひとり理想の自分を手に入れるための指導を行っている。

 

体調悪いな・・・という方、ムシムシした部屋で過ごしていませんか?

—— 編集部:暑い日が続き、熱中症の話題を耳にすることが多くなってきましたが、そもそも熱中症とはどうして発症するのでしょうか?

—— 三 城:高温多湿な環境に身体が適応できず、体内に熱がたまってしまうのが熱中症です。外気温に影響されて、自分の体温調節ができなくなってしまっている状態ですね。のぼせてしまっている、と言ったら分かりやすいでしょうか。

—— 編集部:体内に熱がたまっているということは、実際に体温が高くなりすぎてしまっているということですか?

—— 三 城:そうですね。内臓を含めて体内の温度が上昇しすぎてしまっている状態です。それなのに、自分の力では熱を下げることができないので、さまざま症状が引き起こされてしまうんです。

—— 編集部:熱中症特有の症状にはどのようなものが挙げられますか?

—— 三 城:めまいや立ちくらみ、眠くないのにあくびが出る「生あくび」などの症状が出始めたら要注意です。他にも、足がつったり、ひどくなると頭痛や嘔吐、倦怠感といった症状が出ますし、さらにひどくなると、痙攣を起こしたり、泡を吹いて倒れたりもします。こういった症状を総称して「熱中症」と呼んでいます。

—— 編集部:様々な症状があって驚きました。熱中症にかかりやすい「場所」はあるのでしょうか?

—— 三 城:体温を上昇させる要因には、気温・湿度・日差しの強さの3つが関係していると言われています。ですから、一番危険なのは、「直射日光の当たる暑いところ」ということになりますね。あとは風通しの悪い場所も注意が必要です。

—— 編集部:近年、「ご高齢の方が家の中で熱中症にかかって搬送」といったニュースを度々耳にしますが、部屋の中にいるからといって、決して安心はできないんですよね?

—— 三 城:はい。直射日光の当たらない部屋の中にいたとしても油断はできません。日本は湿度が高いので、エアコンを付けずに熱のこもった部屋に長時間いるのは危険です。室内温度は28度以下、湿度は50~60%を目標とすると良いとされていますので、窓を開けて風通しを良くする、冷房を使うなど気温と湿度に配慮することが必要ですね。

 

きのこでかなえる美腸が、熱中症予防にも効果的!

マイタケ

—— 編集部:熱中症を予防する方法を教えていただけますか?

—— 三 城:はい。熱中症を予防するためには、身体を内側から元気にしておくことが一番です。そのために、最初にしなくてはいけないことは何だと思いますか?

—— 編集部:食事をしっかり摂ることではないのでしょうか?

—— 三 城:それがもっとも重要なのですが、食べる前に栄養素を吸収する「腸」を健康に整えておくことが、最初に行うべき準備になります。

—— 編集部:なるほど! せっかく食事の内容に気を遣っても、きちんと栄養素を吸収できないとしたら、もったいない話ですよね。

—— 三 城:私は、「“食べている=摂れている”ではありませんよ」とよくお話しさせていただくのですが、栄養素を吸収するのは口ではなく腸なんですね。ですから、胃腸の調子を整えないことには、どんなに身体に良いものを食べても効果が薄れてしまいます。

—— 編集部:「腸内環境がいい」いうのは、どんな状態でしょうか?

—— 三 城:理想の腸内環境は、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見(ひよりみ)菌が7割いる状態です。

—— 編集部:善玉菌・悪玉菌はよく聞きますが、日和見菌はどんな菌でしょうか?

—— 三 城:善玉菌と悪玉菌、腸内で優勢な方に加勢する菌です。たとえば、善玉菌が2割いるのであれば、そこに日和見菌が加勢するので9割が善玉菌として働くことになりますが、悪玉菌の方が多い場合はそちらと仲良くなるので腸内環境が悪化します。

—— 編集部:善玉菌、悪玉菌は、名前どおりのイメージだと思っていいですか?

—— 三 城:そうですね。善玉菌は消化を助けて便秘を改善してくれる、身体にいい菌です。自律神経のコントロールを司る“セロトニン”という脳内物質のもとは善玉菌が作っているので、この菌が増えるとメンタルも安定するといわれています。反対に、善玉菌が少ない人はイライラしがちになるんですよ。

—— 編集部:腸内の菌が脳に作用しているとは考えたこともありませんでした! 善玉菌も悪玉菌も、もともと体内にいるものなんですか?

—— 三 城:そうです。もともと体内にいて、どちらも身体に必要なものですが、悪玉菌が多くなりすぎてしまうと健康に良くありません。

—— 編集部:どうしたら善玉菌を増やすことができますか?

—— 三 城:善玉菌のエサの一つといわれているのが食物繊維なので、意識的にきのこなど、食物繊維が豊富な食べものを摂取するようにしてください。食物繊維には、腸内の余計な“ゴミ”を絡めとって便にしてくれるほかにも、善玉菌を増やして元気にしてくれる役割があるんです。

—— 編集部:反対に、悪玉菌が増えてしまう原因はありますか?

—— 三 城:睡眠不足や添加物の多い食事を摂っている方は腸内環境が乱れがちですね。それから加齢によっても悪玉菌は増えていきます。

—— 編集部:加齢は防ぐことができませんが、睡眠不足や食事の内容といった生活習慣については改善していけそうですよね。

—— 三 城:できることから始めることは大切ですね。あとはストレスです。嫌なことがあると胃が痛くなったり、緊張しておなかが痛くなったりするように、胃腸はストレスが反映されやすい器官なので、なるべくストレスのない生活を送ることも大切です。

—— 編集部:そうなのですね!しっかりと栄養をとるためや精神を安定させるためにも、善玉菌の多い美腸をつくりたいです。これからの季節、美腸のために何か気を付けた方がいいことあれば教えてください。

—— 三 城:暑さがピークを迎える時期ですが、冷たすぎるものは胃腸に負担がかかるので食べすぎないようにしたいですね。身体を冷やす効果のある夏野菜やフルーツで、上手にクールダウンできると理想的です。

—— 編集部:身体を冷やす効果のある食材とは、どんなものが挙げられますか?

—— 三 城:きゅうりや冬瓜、スイカなどのウリ科の野菜のほか、ナスやレタスも身体を冷やすといわれています。あとは、マンゴーやパイナップル、バナナといった南国フルーツもクールダウンに効果的ですね。

—— 編集部:さっぱりとした野菜や果物なら、食欲のない時でも食べられそうですね。

—— 三 城:食物繊維の豊富なきのこに加え、身体を冷やす効果のある夏野菜、疲労回復効果の高い豚肉を使ったサラダは、この時期おすすめしたいメニューの一つですよ。

 

おすすめレシピ

きのこ×豚肉×夏野菜で、健康的にクールダウン! 夏疲れオフにおすすめのメニューです。

 

【次週は 知っていますか?夏の「胃腸疲れ」をお届けします。】

/kinokolabo