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きのこで菌活。

夏バテ対策はカンタン!「ちょっとの努力」だけでOK

菌活1

 

食生活や生活習慣の乱れが引き起こす「夏バテ」。毎日のちょっとした心がけで暑さにも負けない元気な身体が手に入るのであれば、ぜひとも実践していきたいですよね。今週のトレンドコラムでは元水泳日本代表の伊藤さんに現役時代のお話を通して、「頑張らないで、頑張ること」の大切さをお話いただいていますが、その中でお話いただいている、アウターからの健康的な生活に加えてたいせつなのが、「きのこで菌活」です。すぐにでも取り入れられる食生活の改善ポイントについて、管理栄養士の松岡里和先生に教えていただきました。に加え、日常生活に「きのこで菌活」を取り入れ、おいしく食べて、夏バテ知らずの健康的な身体を手に入れましょう!

 

—————— 教えてくれたひと ——————

riwa matsuoka

松岡里和(ニュートリズム代表・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養認定管理栄養士)

総合病院や医療現場の管理栄養士として勤務し、栄養・給食管理、栄養カウンセリング、NST(栄養サポートチーム)など、チーム医療の実践に尽力。2万人以上の栄養カウンセリング実績を持つ。病院栄養士より独立後、管理栄養士によるコンサルティング事務所ニュートリズム【NUTRism】を設立。『栄養する。そして笑顔になる。』をコンセプトに、講演・セミナー講師、企業や飲食店のコンサルティング、レシピ・商品開発、書籍執筆、メディア出演、アスリートへの栄養サポートなど多方面で活動を行っている。

 

“よく噛む”食生活で夏バテは予防できる!

—— 編集部:先週、先々週と、夏バテ対策に効果的な栄養素についてお話を伺いました。その他にも食事の面から自律神経を整えることができれば一層夏バテに効果的だと思うのですが、なにかコツがあれば教えてください。

—— 松 岡:すぐにでも実践できる工夫としては、よく噛んでゆっくり食べることもおすすめです。目安は一口30回噛むこと。よく噛んで食べることで自律神経に直接働きかけ、副交感神経の働きを高めて自律神経を整える効果にもつながります。

—— 編集部:夏は冷たい麺類を食べる機会も増え、ついつい早食いをしてしまうんですよね・・・。

—— 松 岡:たしかに麺類はあまり噛まずに飲み込みやすい食品ですね。しかし、よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激されますので、ダイエットしたい方にもおすすめですよ。満腹中枢は噛み始めてから15~20分後に刺激されて満腹感を感じる仕組みなので、それよりも前に食べ終わってしまうと、“食べたのにお腹が満たされない”と感じる状態に陥ってしまうんです。その点、きのこは食物繊維が多く噛みごたえのある食材ですので、早食い防止にも役立ちます。

—— 編集部:ゆっくりよく噛んで食べることが大切なのですね。確かにきのこは弾力があり噛む回数も増えそうです。そのほかにも「食べ方のコツ」があれば教えてください。

—— 松 岡:繰り返しになりますが、規則正しく3食食べる――朝食を抜かないということです。みなさん忙しい方が多いので、朝は少しでも長く寝ていたいという方も多いかと思いますが、3食きちんと食事をとるだけで身体が大きく変わってきますよ。

—— 編集部:朝からしっかりよく噛んで食事ができたら言うことなし、ということですね。

—— 松 岡:そうですね。自律神経って自分の意志で直接コントロールすることは難しいですが、食習慣や生活習慣を変えることで、自律神経に働きかけることができます。「よく寝よう」と考えてもなかなか眠りにつくことはできませんが、「よく噛もう」と意識することで自然と眠れるようになる――自分の意志で変えられない部分よりも変えられる部分に目を向けて、効果的に結果を出していきましょう。

—— 編集部:なるほど。ほかにも気をつけた方がいいことはあるのでしょうか?

—— 松 岡:熱中症や脱水症状を起こさないためにも、この時期は特にこまめな水分・ミネラル補給をしていただきたいのですが、甘くて飲みやすいジュースやスポーツドリンクばかり飲むのは考えものです。スポーツで身体を動かした後や炎天下で汗をたくさんかいたときはスポーツドリンクを飲んでいただきたいですが、日常生活レベルの水分補給はお茶かお水で十分です。

—— 編集部:甘い飲み物はかえってのどが渇いてしまいそうですもんね。

—— 松 岡:そうですね。それに、1週目にもお話しした疲労回復に効果的なビタミンB1という栄養素は、糖質の代謝にとっても欠かせないものなんですね。

—— 編集部:それはつまり、糖分をエネルギーに変える時にビタミンB1が使われてしまうということですか?

—— 松 岡:そうなんです。糖分の多いジュースをがぶがぶ飲むと、その代謝のためにビタミンB1が使われてしまって、肝心の疲労回復のために使われなくなってしまうんです。

—— 編集部:せっかく摂取したのになんだかもったいないですね。

—— 松 岡:本当ですね。日頃の水分補給はなるべく糖分を含まない水やお茶を中心に飲むようにしておきましょう。

 

知ってましたか? 夏バテの症状に一番悩んでいるのは30代女性です

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—— 編集部:夏バテしやすい年代の方というのはいるのでしょうか?

—— 松 岡:小さなお子さんとご高齢の方は夏バテしやすい傾向にありますが、一方で若者ほど夏バテを自覚している人が多いのも事実です。特に30代の女性が一番多く夏バテの症状を自覚していると言われています。

—— 編集部:それはなぜでしょうか?

—— 松 岡:冷房による冷えもそうですし、あとはダイエットによる影響が大きい方も結構いらっしゃいますね。太るから食事を制限しようとか、食事を抜いてしまうと自律神経が乱れて疲れやすくなってしまうんです。こういった自律神経の乱れが夏バテを引き起こす大きな要因になっているのではと考えられます。

—— 編集部:ご高齢の方が発症しやすいのかと思っていたのでなんだか意外でした。

—— 松 岡:そうですよね。大切なのはやはり”食事”なんです。ご高齢の方の場合は健康に気を遣って規則正しい生活を送っていたり、朝ごはんをしっかり食べるという方も多いので比較的夏バテを感じている人は少ない傾向にあります。ただし、ご高齢になると老化現象によって自律神経の調整自体がうまくいきにくくなってくる上に自覚症状を感じにくくなるので、水分不足や脱水に気がつかない「かくれ脱水」の方も多いため要注意です。

—— 編集部:なるほど。では、働き盛りのお父さん世代はどうでしょうか?

—— 松 岡:働き盛りというと外食が多かったりしてビタミンやミネラルが不足しがちな方が多く、栄養バランスの乱れから夏バテを引き起こす例がよく見られます。部活動やスポーツをする機会が多いジュニア世代も、夏バテになりやすいのでしっかり栄養補給ができるようにサポートしてあげてください。小さなお子さんも脱水症状になりやすいので注意が必要ですよ!

—— 編集部:どの世代も、気をつけなければいけないということですね。

—— 松 岡:そうなんです。どの世代にも共通して言えることは、夏バテを予防するためにはしっかり食べることが一番の近道だということ。これは夏バテになってしまった後もまったく同じことが言えます。

—— 編集部:食欲がないからといって食事をとらないでいるとますます不調をきたすということですか?

—— 松 岡:そのとおりです。疲れているから、食欲がないからと夏場は麺類だけで簡単すます…という方も多いかもしれませんが、それだと栄養バランスが偏って余計にだるさを招いてしまうという悪循環につながってしまいます。麺だけでなく、そこにしっかり栄養素の詰まった食材、例えばきのこや鶏肉、夏野菜などを添えることを心がけるようにしてください。

—— 編集部:疲労回復や免疫力アップ効果のある栄養素をたっぷり含むきのこを添えれば、効率よく栄養補給ができそうですね!

—— 松 岡:そうですね。すでにバテてしまっているという方には、きのこを使ったつけ麺がおすすめです。夏が旬のオクラを合わせれば、ねばねば成分が胃腸の粘膜の保護もしてくれますので、食欲アップにもつながりますね!

 

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