脱・夏の睡眠不足!「睡眠の質」を高めて“暑さ疲れ”と“夏バテ”を予防する食事のヒント
2026.08.01
8月に入り、夏本番の暑さが続いていますね。強い日差しを長時間浴びる機会が増えたり、昼夜関係なく高温多湿な日々が続いたりするこの時期は、「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「朝からだるい」「仕事や勉強に集中できない」と感じている方も多いのではないでしょうか。近年様々な場面で睡眠の質が注目されていますが、夏はその「睡眠の質」が低下しやすくなるため注意が必要です。
睡眠の質は、「睡眠時間」だけでなく、「睡眠の深さ」も大切な要素となり、これが夏バテ予防や疲労回復のポイントにもなります。さらに、睡眠の質の低下は肩こりや頭痛の原因にもなるといわれており、良質な睡眠をとることは身体だけでなく、脳や自律神経にも良い影響を及ぼします。
そこで今回は、「睡眠の質」を高めるために意識したい、食事と生活習慣のポイントをご紹介します。暑さによる疲れを翌日に残さないためにも、バランスの良い食事や生活習慣から睡眠の質を高めていきましょう。
INDEX
- 夏の眠りが浅くなる理由とは?
- “快眠”のカギ「自律神経」も整える!睡眠を助ける4つの栄養素
- 「きのこのチカラ」で夏の睡眠ケアを叶える!
- 今日から実践!睡眠の質を高める生活習慣のポイント
- 年代別!睡眠ケアのポイント
夏に眠りが浅くなる理由とは?
夏場の眠りに特に深く関係しているのが、「体感温度」です。人は眠りにつくときに、身体の中心温度である深部体温がゆっくりと下がることで自然な眠気が訪れる仕組みになっています。しかし、夏は気温が高いことで体感温度が高くなり、さらに、湿度の高さから汗をかいても蒸発せず、体内に熱がこもりやすくなります。体感温度が高くなったり熱がこもりやすくなったりすることで深部体温が十分に下がらないため、寝つきが悪くなったり途中で目が覚めたりしやすくなってしまうのです。
加えて、過度な冷房がきいた屋内と厳しい暑さの屋外との温度差によって自律神経に負担がかかり、身体を覚醒方向へと導く「交感神経」が慢性的に働き続けてしまうことも、夏の眠りが浅くなる原因です。睡眠時には、身体を休息方向へと導く「副交感神経」の働きが優位となるよう生活習慣を整えることが大切です。
また、近年では睡眠不足は日中の集中力低下だけでなく、免疫機能や代謝機能、生活習慣病、メンタルヘルスの悪化にも関係することが明らかになっているため、質の良い睡眠がとれるよう日頃から意識していきましょう。
“快眠”のカギ「自律神経」も整える!睡眠を助ける4つの栄養素
先ほどもご紹介したように、睡眠の質を高めるための重要な要因の一つとして「自律神経」があります。自律神経には活動時に優位になる「交感神経」と、休息時に優位になる「副交感神経」があり、良質な睡眠には交感神経から副交感神経へのスムーズな切り替えが必要です。ところが、室内と屋外との気温の変化が大きかったり、冷たいものを食べ過ぎて腸に負担かかかったり、暑さによりストレスが溜まったりすると交感神経が優位な状態が続き、上手く副交感神経へ切り替えられなくなってしまいます。その結果、なかなか寝付けず、睡眠の質が低下しやすくなってしまうのです。
副交感神経を優位にするには、食事による身体の内側からのケアが有効です。そこで、睡眠の質を高めるのに特に役立つ4つの栄養素をご紹介します。
1.食物繊維
自律神経は「腸」に多く集まっています。その数は全身の約7割とも言われているため、腸を整えることが自律神経のケアに役立ちます。そんな腸を整えるのに欠かせない栄養素といえば「食物繊維」です。食物繊維は日本人に不足しがちな栄養素であるため、積極的に食事からとり入れることが大切です。また、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の材料となる「セロトニン」は、腸で作られるため、食物繊維によって腸の健康が保たれることで、睡眠ホルモンの合成もスムーズに行われます。
2.GABA
GABAはアミノ酸の一種で、リラックス効果のある神経伝達物質として知られています。交感神経の働きを抑え、副交感神経の働きを高めるため、近年の研究ではGABA を含む食品を摂取することで神経細胞の興奮を抑えて、寝つきや目覚めを良くする働きや、ストレスの軽減による睡眠の質の改善が期待できる可能性が報告されています。
3.オルニチン
オルニチンは、交感神経の抑制や副交感神経の活性化を促す効果と、肝臓でのアンモニアの分解をサポートする働きがあります。副交感神経を活性化させることでイラつきを抑えるのに役立ち、アンモニアの蓄積を防ぐことで疲労感の軽減に役立つため、ストレスの緩和や、睡眠中の疲労回復のサポート、朝の目覚めの改善などに役立ちます。
4.エルゴチオネイン
きのこなどの特有の菌類に豊富で、強い抗酸化作用を持つエルゴチオネイン。夏の暑さや紫外線、日々のストレスなどで体内に溜まった過剰な「活性酸素」を除去し、細胞への酸化ストレスを抑える働きが期待されています。睡眠の質はストレスや疲労の度合いも影響されるため、エルゴチオネインを積極的に摂り入れて、その原因となる活性酸素を溜め込まずに抑えることが大切です。
「きのこのチカラ」で夏の睡眠ケアを叶える!
先ほどご紹介した、睡眠の質を高めるために欠かせない4つの栄養素をまとめて摂れる食材が「きのこ」です。きのこはレタスの2倍以上もの食物繊維を含み、また、トマトや発芽玄米など一部の食材にしか含まれないGABAも豊富です。
また、オルニチンはシジミで有名な栄養素ですが、例えばブナシメジでは、シジミの約7倍も多く含まれています。さらに、エルゴチオネインは菌類の中でも特にきのこに豊富な栄養素なため、日々の食事にとり入れることで、効率の良い睡眠ケアを後押ししてくれます。他にも、きのこには疲労回復に役立つビタミンB1も豊富に含まれており、味にクセがなくどんな料理にも合わせやすいのも嬉しいポイント。ぜひ毎日の食事に積極的にきのこをとり入れて、夏の睡眠不足の解消に役立てていきましょう。
今日から実践!睡眠の質を高める生活習慣のポイント
睡眠の質を高めるためには、食事と合わせて日々の生活習慣の中での工夫も大切です。そこで、今日からすぐに始められる生活習慣のポイントを4つご紹介します。
1 就寝の90分ほど前を目安に、少しぬるめの38〜40℃のお風呂に10〜15分程度浸かる
2 寝る1時間前にはスマートフォンやタブレットの使用を控える
3 寝る前に深呼吸や首・肩・股関節をほぐす軽いストレッチを行う
4 朝起きたら太陽の光を浴び、体内時計を整える
ぜひ暑い夏のより良い眠りと目覚めのために、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
年代別!睡眠ケアのポイント
最後に、食事や生活習慣に加えて、年代別に気を付けたいポイントと対策方法をご紹介します。
【子ども】
子どもにとって8月は夏休み真っ只中。夏休みは、夜更かしやゲーム・動画の見過ぎ等で睡眠の質が低下しやすく、すると成長ホルモンの分泌にも影響するため注意が必要です。ゲームや動画の見る時間を決めたり、寝る直前には使用しないようにしたりすることと合わせて、できるだけ毎日同じ時間に寝起きすることを意識し、生活のリズムを整えるようにしましょう。
【若年層】
若年層は寝る前のスマートフォンの使用等により睡眠の質が下がったり、睡眠時間が削られたりしがちです。睡眠不足は集中力や運動能力を低下させて日々の生活パフォーマンスを落とすだけでなく、美容や肌荒れにも影響するため、夏こそ、規則正しい生活や栄養バランスの良い食事を心がけ、寝る前はスマホから少し離れる時間を作ることが大切です。
【中年層】
中年層は仕事や家庭での責任が大きくなることでストレスが増え、自律神経が乱れやすい年代です。また、なかなか寝付けないからと言って寝酒をする方もいらっしゃるかもしれませんが、眠りが浅くなる原因になるため注意が必要です。バランスの良い食事に加えてストレッチなどの軽い運動や適温での入浴を習慣化し、夏も質の良い睡眠を目指しましょう。
【高年層】
高年層は加齢とともに睡眠時間が短くなりがちですが、無理に長く寝ようとする必要はありません。日中の適度な運動や散歩で身体を動かしつつ、朝日を浴びる習慣をとり入れることで身体をしっかりと目覚めさせ、睡眠リズムを整えましょう。睡眠不足の解消や適度な運動は転倒予防や認知機能の維持への効果も期待できます。
睡眠は単純な「休む時間」ではなく、「身体を回復させる治療の時間」とも言えます。特に暑い夏は、気温や湿度の変化によって身体に大きな負担がかかるため、睡眠の質の良し悪しが、夏場の体調や疲労感、熱中症予防にも大きく影響します。
例年以上の暑さが予想されている今年の夏。そんな時期だからこそ、規則正しい生活を心がけて睡眠の質を改善し、ストレスや疲れを残さない健康的な身体で、夏をより一層楽しんでいきましょう。
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