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研究員の研究日誌

最新研究をご紹介!継続的なきのこの摂取で乳がんのリスクが低下

2021.07.27
最新研究をご紹介!継続的なきのこの摂取で乳がんのリスクが低下

研究員の川井です。今回の研究員日誌はきのこの健康効果です。
今年アメリカ、ペンシルベニア州立大学の研究者より、きのことがんリスクに関するすごい発表がありましたので、是非ご紹介させて欲しくて、私だけ研究員日誌早くも2回目ですが立候補してしまいました。

少し難しい話になってしまうかもしれませんが、できるだけ伝えられるように書きますので、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

日頃きのこを食べる人は、食べない人に比べ、がんになるリスクが低い、特に乳がんになるリスクが低い。2021年アメリカ栄養学会の国際研究雑誌(Advances in Nutrition)にこのような論文が報告されました。

この論文は1966年から2020年の間に発表された17件のがん研究の中から、19,732例のがん症例を集めて解析した信頼性の高い論文です。

この論文によると、きのこをたくさん食べる人ほど、全てのがんになるリスクが低い(リスク比:0.66)。さらに、がんの部位別に解析してみると、特に乳がんで有意にリスクが低減されることが分かりました(リスク比:0.65)。

※リスク比:0.65とは?
仮にきのこをほとんど食べない人100人中20人に悪いことが起き、きのこをよく食べている人100人中13人に悪いことが起きたとします。すると、きのこを食べていると悪い事が起きる確率が20%→13%になることから、リスク比(13%/20%)= 0.65(1.0より小さくなると良い効果)、悪い事の起きるリスクが35%減少したということができます。

更に、きのこの種類までは特定していませんが、きのこの摂取量が分かっている7件の研究をもとに、きのこの摂取量とがんリスクを推定したところ、毎日18gのきのこを食べている人は、きのこを食べていない人に比べて、乳がんを含む全てのがんになるリスクが45%下がると推定しています。

乳がんは日本人女性がなるがん第1位、生涯で9人に1人は乳がんになると言われています。罹患率も年々増加していて、大きな社会的課題となっています。きのこは薬ではありませんので乳がんを治すことはできません。ですが、日々の食生活できのこを食べてもらうことは、乳がんになるリスクを減らすことにつながります。

私はこの研究を多くの人に知ってもらい、きのこが皆さんや皆さんの大切な人の健康の役に立つことを願っています。

私もこの研究を知って、改めてきのこを食べよう、家族が毎日きのこ18gを食べれるように料理しようと思いました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

引用論文:Ba D. M., et al., Higher Mushroom Consumption Is Associated with Lower Risk of Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies, Adv. Nutr., 2021, nmab015

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