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きのこ面白情報

かわいいきのこグッズや、不思議で楽しいきのこカルチャーをご紹介!

【きのこ面白情報】きのこライター 堀博美

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今やネット上にはきのこ情報があふれ、数々のきのこの本が書店に並び、そして野山のきのこをたずねて山を行く人が増え、店先には栽培きのこやレシピがたくさん。

さながらきのこが満開といった感じの今日この頃ですが、こんなにきのこの情報が手に入るようになったのは、私が見たところ、ここ数年のことです。

私がきのこにはまった大学生時代、約20年前は、きのこ情報は今に比べて非常に少なく、きのこ写真といえばほぼ図鑑だけで、きのこ好きはグッズの小さなきのこの絵柄を見つけたり、小説や歴史本の記述に一行ほどきのこについて書かれているのを発見したり、そういうちょっとしたところにきのこを見つけて喜んだりしていました。

そもそも、当時、食べる以外できのこ好きと知れるとちょっと変わった人のように思われるので、「かくれきのこ好き」もたくさんいました。


では、そんな中で、そもそもどうしてきのこが好きになったのか。私のケースをちょっとお話しします。
あるとき、きのこ図鑑を見ていると、見開きで真っ赤な傘に白いいぼのついたきのこたちが輪になって生えているのが目に入りました。名前はベニテングタケです。それで、こんな生き物が本当にいるのだろうか、ぜひ現物を見てみたいと、図鑑のすみにあった「10月 菅平」という記述だけを頼って、友人を募って見に行きました。

今にして思うと、おおざっぱな時期と地名だけの無謀とも言えるチャレンジでしたが、その時は運良く生えていてくれたのです。

菅平高原で朝に見たベニテングタケは写真以上に迫力があり、みずみずしい色の美しさや堂々とした存在感に圧倒されました。そして、ベニテングタケ以外にも、珍しいきのこにたくさん出会い、さらに名前にひかれて予約した「ペンションきのこ」のきのこ鍋のおいしさ! 名前はだてではなく、知る人ぞ知るきのこに詳しいオーナーの宿だったのです。この菅平旅行自体が、きのこに運命づけられたものだったようです。

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京都に帰り、今回知ったきのこの素晴らしさは、どうにかして広めなければならない、と、なぜか確信したのでした。そこで、ミニコミ誌、今で言うところのzine(小冊子)「SOMA TIMES」 を発行することになりました。今にして思うとなぜミニコミなのかは謎ですが、当時は何の気負いもなく、まさか後にきのこの本を商業出版することになるなどと夢にも思わず(そもそも、きのこ本を書くのは学者さんやきのこ狩りの達人だけだと思っていました)19号まで発行しました。


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そのために、さらにネタを増やそうと図鑑をめくると、形がそっくりな紫のきのこと茶色いきのこが向かい合っていました。これは紫が毒、茶色が食に違いないと思えばさにあらず、紫はムラサキシメジというおいしい食用きのこで、地味な茶色が、食べると手足の先が死ぬほど痛くなる、しかもそれが一ヶ月も続くというドクササコだったのです。きのここわい!…という訳で、きのこについてもっと詳しくなるべくきのこの学習会に入り、きのこの勉強もすることにしました。この勉強を今では「菌トレ」と呼んでいます。
菌トレは山で実際にきのこを見て、図鑑と照らし合わせて行う場合もあります。山を行きつつきのこを見るのは、トレーニングというより楽しい山歩きのようにもなっています。
一方で、家できのこグッズを作ってミニコミと一緒にフリマで販売するようにもなっていました。まさにきのこまみれです。
ここから私が日本初「きのこライター」になるまでの道のりは、長くなりますのでまたいずれ。


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イベントで堀さんがトークをすると、聞いている人もみるみるきのこ好きに・・・このきのこあふれる時代、これから皆さまがきのこに出会うのはとても幸福なことだと思います。私の活動がきっかけできのこの道に入った、とおっしゃる方もいて、うれしいことです。
私は、きのこのおかげでかなり幸せな生活をおくらせてもらっています。
皆さまもぜひ幸せな「きのこのある生活」を見つけられてはいかがでしょう。


堀さん、あなたにとってのきのことは?
「ご胞子(奉仕)させていただく存在です。」

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堀博美
1971年神戸市生まれ。20年前頃にきのこに魅せられ、ミニコミ誌やグッズを作るなどしてきのこにはまる。2006年、日本キノコ協会「MOOKきのこ」副編集長に抜擢。2009年頃よりフリーの「きのこライター」として活動。きのこ活動は多岐にわたり、山歩きからグッズ作り、ワークショップに栽培まで。イベントも多数行い、直近では阪神梅田本店「ドキドキ!きのこフェスティバル2013」をとよ田キノ子さんと共にプロデュース。(2013年7月3日〜8日)その他イベント多数準備中。日本菌学会、関西菌類談話会会員。

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