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きのこで解明!ドクター’s クエスチョン supported by 雨宮病院

健康診断も怖くない?!きのこと血中脂質・血糖の関係を検証!

2021.06.01
健康診断も怖くない?!きのこと血中脂質・血糖の関係を検証!

新しい年度が始まり2ヵ月が経過した6月は、環境も落ち着き始め、健康診断を実施する会社や団体が多くなります。そこで今回は、きのこが健康状態にどのような影響を与えるのかを調査するべく、健康状態や生活習慣病の指標となる「血中脂質」「血糖」に対する影響を調査しました。

試験DATA

◆試験期間:試験期間:2021年2月1日~2021年2月14日(2週間)
◆被験者数:20~40代の男女合計18名
◆試験方法:試験方法:血液採取により試験前後の血中脂質・血糖を測定
◆食べたきのこの種類と量:エリンギまたはブナシメジ 1日合計約100g

検証結果

血中脂質の変化

中性脂肪と総コレステロールのグラフ
中性脂肪と総コレステロールのグラフ

きのこを2週間摂取した試験前後の血中脂質を比較すると、中性脂肪の数値が平均10.6ポイント低下し、総コレステロールでは平均2.3ポイント低下がみられました。また、HDLコレステロールは0.78ポイント増加しており、総じて、中性脂肪、総コレステロール、HDLコレステロールにおいて数値の改善が見られました。

普段の食事スタイルにきのこを取り入れることで、食物繊維、ビタミンB群、ビタミンD、オルニチンといったきのこの栄養素をふんだんに摂取することができますし、その中でも血中コレステロール値を正常にする効果がある「β-グルカン」が豊富に含まれています。
今回、きのこから日常生活の中であまり摂取できていなかった栄養素を豊富に、かつ低カロリーに摂取できたことがこのような効果に繋がったと思います。

血糖の比較

次に血糖についての数値を比較すると、空腹時血糖で6.0ポイント低下し、ヘモグロビンA1cは0.67ポイント数値が低下した。いずれも数値が改善している(健康な状態に近づいている)という事が言えます。
食物繊維の豊富なきのこを摂取することにより、継続的に、糖質の吸収が緩やかになったことが結果として現れている可能性が示唆されます。

総評

一般的に総コレステロール、LDLコレステロール、ヘモグロビンA1cといった数値が高いことや、HDLコレステロールの数値が低いことは生活習慣病のリスクを増加させます。しかし、今回きのこを継続的に摂取することにより数値の改善・変化が見られました。
今回の試験期間は2週間でしたが、継続的に、普段の食事スタイルにきのこを加えることで、さらに効果が期待できると考えられます。
美味しいだけではなく、生活習慣病予防にも大きな役割を果たしてくれるきのこは、身近で信頼できる食材ですね。

profile

池田 正典(いけだ まさのり)

群馬大学医学部 卒業 / 日本整形外科学会 所属
医療法人雨宮病院 副院長
当院 大腿骨頚部骨折センター 副センター長

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