きのこで解明!ドクター’s クエスチョン supported by 雨宮病院

健康ブームときのこの可能性

2021.04.01
健康ブームときのこの可能性

日本の医療費問題やコロナウイルスの影響もあり、改めて健康が見直される昨今、食生活や生活習慣を見直すことで病気を予防することの重要性が一層増しています。
そんな中、低カロリーであること、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富であること等、様々な点から健康に役立つ食材として注目を集めている食材が「きのこ」です。
このコーナーでは、「患者さんのために正確で有益な情報を届けたい」という信念を持つ雨宮病院 副院長池田 正典先生が、「きのこ」の健康効果に興味を持ち、ホクトのきのこらぼ編集部と共にチームを組んで、実証実験を通してきのこの可能性を探っていきます。

はじめまして

池田先生:こんにちは。昨今、感染症の拡大などものあり、より一層健康の大切さや、自分の身体は自分で守ることの重要性が増してきているように感じています。きのこは低カロリーですし、食物繊維なども豊富で、今のような時代には一役買ってくれる可能性があると感じています。

編集部:そうですね。私も、スーパーやWEBを見ても、健康志向が高まっていると感じます。また昨年、厚生労働省の発表した食事摂取基準2020年版の重点課題の中でも「若年期からの生活習慣病予防」があげられていて、健康でいること、病気を未然に防いでいくことが重視されているように感じます。食物繊維をはじめ、豊富な栄養素を含むきのこは、もっともっと皆さんの健康の役に立てるのではないか、と考えています。

池田先生:私たちの病院でも、若年の方からご高齢の方までたくさんの患者さんと接し、食事をはじめ生活習慣のアドバイスをさせていただくのですが、皆さん頭では「こうしないと」と思っていても、ライフスタイルや家族構成などによって、物理的に変えることが難しい方が多いようです。その中で課題と感じているのは、やはり健康と直結する、ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取を増やすことや、減塩等ですね。

記事のイメージ

編集部:特に食物繊維についていえば、食事摂取基準の目標値が、成人男女でそれぞれ男性21g以上/日、女性18g以上/日と定められていますが、令和元年の国民栄養・健康調査によると、成人男女の食物繊維摂取量の平均値は男性で19.4g/日、女性で17.5g/日と、男女とも不足していることがわかります。
最近は、食物繊維が腸の善玉菌の餌になったり、排便を促して腸内環境を整える効果があると耳にする機会が多くなっていて、より一層、食物繊維の重要性が高まってきているように感じます。食材の中でも食物繊維が豊富といわれるきのこで1パック(100g)3~4gの食物繊維が含まれているので、今の食生活に加えて、大体きのこ1パックを食べていけば基準を満たす計算になります。きのこにはビタミンやミネラルも含まれますので、何か変化が期待できるかもしれません。

池田先生:そうですね。また、生活習慣病予防に関していえば、今回の改定でナトリウムの摂取上限が引き下げられたり、コレステロールの摂取基準の上限が新たに設定されましたよね。基準の変更により病院でのアドバイスも変更しているのですが、根本的には食事から健康をつくることが重要になってくると思います。

編集部:本当に、そうだと思います。きのこはうま味成分も豊富なので、きのこを料理にうまく取り入れることで、ナトリウムの摂り過ぎ予防にも効果が期待できると思います。また、食事摂取基準の重点課題としてもう一つ「高齢者のフレイル予防」も挙げられていますよね。筋肉のもととなるタンパク質の摂取をはじめ、丈夫な骨づくりに役立つビタミンDの摂取上限が引き上げられたり・・。特にきのこにはビタミンDも豊富なので、フレイル予防の観点からも一役買う可能性があるように感じています。

【主な変更点と新設項目】

・50歳以上のタンパク質の目標量を引き上げ
・1歳以上のビタミンDの目安量を引き上げ
・3歳以上の鉄の推奨量を変更
・3歳以上の銅の推奨量を変更
・3~5歳のカリウムの目標量を新設
・17歳以下の飽和脂肪酸の目標量を新設
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2020版

編集部:ビタミンDは紫外線に当たることで皮膚でつくられる栄養素ではありますが、昨今は皮膚がんの予防などからも紫外線対策がおこなれていたり、外出自粛の影響もあって紫外線を浴びる機会が減ってしまっているので、食事からとることが求められていますね。しかし、ビタミンDが含まれる食材はきのこや魚類、卵類など限られているので、ぜひヘルシーなきのこが役に立てばうれしいです。

池田先生:そうですね。私たちの病院でも、骨や筋肉の落ちやすいご高齢の方を対象に食事指導や運動教室を実施していますが、年齢と共に低下する骨量を維持することはとても大切で、最近では筋肉増加にもビタミンDが一役買っていることが分かってきています。ぜひビタミンDの豊富なきのこに期待したいです。

編集部:またビタミンDの働きについては丈夫な骨の維持だけでなく、免疫力の向上など研究が進められている部分なので、骨への影響に加え、体調の変化なども期待できるかもしれませんね。
また、動物実験では、きのこを食べることで血糖値の上昇が緩やかになったり、コレステロールの排出が促されたり、内臓脂肪や皮下脂肪の低減効果も観察されており、実際に人を対象とした実験でも、これらの効果も期待できるかもしれません。

池田先生:きのこ=ヘルシーな食材、というイメージはありましたが、改めて、私たちの患者さんをはじめ、現代社会にとって必要な様々な効果が期待できますね!なによりきのこは調理が簡単ですし、うま味成分が多く料理がおいしくなるというのも嬉しいですね。また食感がよいので咀嚼回数が上がって、食べすぎの防止や脳の活性化にも役立つ可能性もありますね。

記事のイメージ

池田先生:きのこには身体に嬉しい様々な効果があると思うのですが、これから一緒に、参加者を募って、お通じへの効果や血液への効果、更には運動機能、認知機能への効果があるのか・・など、様々なきのこの健康効果を探っていければと思います。

編集部:きのこは低カロリーなうえ、ビタミン・ミネラル・食物繊維など様々な栄養素が含まれていますが、実際に身体への効果としてはまだまだ未知の部分がありますので、その効果を検証して、私たちももっと体によいきのこの開発や、商品開発など、様々なことに繋げていきたいですね。ぜひ、よろしくお願いします。

きのこには、どんな健康効果が期待できるのでしょうか?
来月からは、毎月1テーマごと、研究チームが行った実証実験の結果をご紹介していきます。初回となる5月は、きのこのお通じへの効果を実証していきます!

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