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HOP,STEP!Child Body Make School ─運動能力向上塾─

転んだ時に手が出ない!?運動能力の低下は片足立ち姿勢でわかる。

2025.05.19
転んだ時に手が出ない!?運動能力の低下は片足立ち姿勢でわかる。

新年度から一ヶ月以上が経ち、お子さんも新しい環境に慣れ始めた頃ではないでしょうか。4月の疲れが出るこの時期は免疫力も落ちやすくなりますので、バランスの良い食事や運動も取り入れながら、健康第一で過ごしてくださいね。

さて、話は変わりますが、皆さんは「ロコモティブシンドローム」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
ロコモティブシンドロームとは、運動器症候群とも呼ばれ「ロコモ」と略されます。ロコモは老化に伴う骨・関節・筋肉などの運動器の衰えによる移動能力が低下した状態をいい、40歳頃から増加するといわれています。

一見、子どもに関係ない言葉のように思いますが、実は、子どものロコモが現代の問題になっています。子どもの運動器の働きが低下している状態を「子どもロコモ」といい、小さい頃からゲームで遊んだり動画を見たりと身体を使う機会が少なくなったことが原因になっているそうです。
「転んだ時に手が出ず顔をぶつける」「姿勢が悪い」「すぐに疲れたという」などの様子がみられるお子さんは運動器の働きが低下しているかもしれません。

子どもロコモのチェック項目の一つに片足立ちのバランスがあります。片足立ちは多くのアスリートも自身の状態を把握する際に重要視しており、運動能力向上の基本中の基本といえます。

そこで今回は、片足立ち姿勢に注目し、「股関節・体幹」にアプローチする運動で、安定した片足立ち姿勢がとれるようになるコツをご紹介します。この運動をすることで、運動器のレベルアップが図れます。学校へ行く前やお出かけの前の準備時間に家族みんなで取り入れてみてはいかがでしょうか。

「遊び」で健やかな発達を!
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Let’s Try!
「食事」で健やかな発育を!
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Let’s Eat!

<Let’s Try!>

STEP1【片足立ち姿勢をチェックしよう】

  1. 平らな床上で足を肩幅に広げて、つま先を前に向けて立ちます。
  2. 頭の後ろで両手を組みます。
  3. ゆっくりと片方のももをあげて片足立ちになります。
  4. 〔1〕~〔5〕のチェックポイントを確認しながら、5秒間方足立ち姿勢を維持できるかチェックします。左右同様に行いましょう。

<チェックポイント>
〔1〕身体がグラグラせず、安定している
〔2〕おへその高さまで膝が上がる
〔3〕頭頂と踵を結ぶ線が一直線になっている
〔4〕支える足の膝がまっすぐ伸びている
〔5〕両肘がしっかり開いている

STEP2【股関節・体幹トレーニングで安定した片足立ち姿勢を作る!】

【第1段階】股関節の柔軟性を作ろう(90/90ストレッチ)

お尻周りの筋肉が硬くなると、股関節や骨盤の動きが低下して力を出しにくくなります。まずはお尻周りの筋肉を使いやすくしていきましょう。

  1. 両膝を90度に曲げて座り、手を胸の前で組みます。足は肩幅よりやや広めに開きます。
  2. 骨盤を立たせるように上半身をまっすぐに保ちます。
  3. 右脚は膝90度曲げた状態で身体の外側に倒し、左足は膝90度曲げた状態を保ち身体の内側に倒します。
  4. お尻が浮かない範囲で上半身を前に傾け、5秒キープします。
  5. 脚の倒し方を左右入れ替えて反対側も同様に実施し、左右5回ずつ行います。
  • ワンポイントアドバイス:身体を前に傾けるときはおへそを床に近付けるイメージでやってみましょう!

【第2段階】お尻の筋肉を使う感覚を養おう!(お尻あげ)

お尻の筋肉を使いやすくしたら実際に使ってみましょう。お尻の筋肉はお腹の筋肉とセットで使うことがポイントです!

  1. 仰向けで寝て両膝を曲げます。足は肩幅ぐらいに開き、つま先はまっすぐにします。
  2. 両手を天井に向かって伸ばします。
  3. 大腿と身体が一直線になるまでゆっくりお尻を持ちあげます。
  4. 持ち上げたらお尻の穴を締めるように力を入れて5秒キープします。
  5. ゆっくりとお尻を元の位置に戻します。これを10回繰り返します。
  6. 〈レベルアップ〉簡単に10回できた場合は片足を伸ばしてやってみましょう!
  • ワンポイントアドバイス:お尻をあげる時にあくびをするように大きく息を吸いましょう!(お尻をおろす時に息を吐いてください)

【第3段階】片足立ちの中でお尻とお腹の筋肉を使ってみよう!(バンザイ片足立ち)

安定した片足立ち姿勢を作るためにはお腹とお尻に力が入ることが大切です。片足立ちの中で実際に使う運動をしてみましょう!

  1. 壁を背にして5cmほど離れて立ちます。足は肩幅に開き、つま先はまっすぐにします。
  2. タオルを両手で持ちバンザイするように持ち上げます。
  3. 頭や背中・腕などが壁に当たらないように注意して、ゆっくりと片足立ちになります。
  4. 片足立ち姿勢を3秒キープしたら反対の足に切り替えて、左右5回ずつ行います。
  • ワンポイントアドバイス:片足立ちになる時にあくびをするように大きく息をいましょう!(足をおろす時に息を吐きます。)

☆【第1~3段階】を一通り行ったら、もう一度片足立ち姿勢のチェックをしてみましょう。最初よりも、安定して片足立ちができるようになるはずです。

今回のまとめ

今回は、子どもの運動能力向上の基本となる「片足立ち姿勢」をテーマにご紹介しました。片足立ち姿勢は、股関節周りの柔軟性や体幹の使い方、バランスなど運動能力に関わる要素がたくさん関係しています。ぜひ親子で実践してみてください!

<Let’s Eat!>きのこの力で子どもの健やかな成長をサポート

新緑の季節は、生活環境のほかにも気候の変化も大きく、心身ともにストレスを感じやすい時期となります。そんな時は、メンタルとも深く関係し、健康の要とも呼ばれている「腸」を整えることが大切です。腸内環境が整うと、便通が良くなるだけでなく、腸管バリアという言葉があるように腸から体内に侵入する物質を防ぎ、免疫力も高めてくれます。腸を整えるのに欠かせない食物繊維が豊富な「きのこ」を食べて、腸から強い身体をつくっていきましょう!

<厳選レシピ>

profile

監修 長谷川 尋之

松本大学人間健康学部健康栄養学科専任講師
兵庫大学を卒業後、管理栄養士を取得し、運動と栄養の両面から研究する運動栄養学を大阪体育大学大学院で学ぶ。大学院卒業後は、スポーツクラブアクトス、チームニッポン・マルチサポート事業(栄養)で健康づくりの運動指導やトップアスリート栄養サポートに従事して現職に就く。現在は、運動栄養学の教育・研究とともに、県内・外のアスリートの栄養サポートを行う。
【資格】
管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、修士(スポーツ科学)

監修 カラダのメンテ(⻑野県松本市のパーソナルジム)
代表:⼭本 葵

順天堂⼤学卒業。⼤学在学中に⼋千代リハビリテーション学院とのWスクールを経て理学療法⼠免許を取得。卒業後は相澤病院にてスポーツリハビリテーション業務に従事しトップから成⻑期アスリートの競技復帰を⽀援。その傍ら、⽇本⾃転⾞競技連盟マウンテンバイクのトレーナーとして東京五輪に、⽇本スケート連盟ショートトラックナショナルチームトレーナーとして北京五輪に帯同。現在は様々な競技のトップアスリートから⼩学⽣までの⾝体づくりを⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、⽇本スポーツ協会アスレティックトレーナー、中・⾼保健体育教員免許

副代表:百瀬 優規

⾼崎健康福祉⼤学卒後、理学療法⼠免許取得。卒業後は相澤病院で整形外科や内科など幅広い疾患のリハビリテーション業務を担当。その後、オーストラリアへ留学し政府認定のトレーナー資格を取得。帰国後はトップアスリートから⼩学⽣まで幅広くトレーニング指導を⾏う。現在は⽇本スケート連盟ショートトラック強化スタッフとしてジュニアナショナルチームを中⼼にトレーニング指導も⾏っている。
【資格】
理学療法⼠、Cert3 fitness(オーストラリア政府認定トレーナー資格)