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1月の特集テーマ
神社仏閣をめぐる旅。

行ってみたい、神社仏閣4選

2018.01.22

今週お届けするのは、全国津々浦々の神社仏閣を訪ね歩いて単行本や雑誌記事を書いている、吉田さんおすすめの神社仏閣4選です。寺を巡る旅の専門家だからこそ知っている魅力やポイントをお伺いしました。また、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、出かける機会も増える春に向けて今日からできる花粉症対策をご紹介しています。お寺を巡る前にも是非チェックしてみてください♪

今週お届けするのは、全国津々浦々の神社仏閣を訪ね歩いて単行本や雑誌記事を書いている、吉田さんおすすめの神社仏閣4選です。寺を巡る旅の専門家だからこそ知っている魅力やポイントをお伺いしました。また、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、出かける機会も増える春に向けて今日からできる花粉症対策をご紹介しています。お寺を巡る前にも是非チェックしてみてください♪

吉田さらささん
教えてくれたひと
吉田さらさ(Yoshida Sarasa)
岐阜県生まれ、早稲田大学第一文学部美術史学科にて東洋美術史と西洋美術史を学ぶ。大学時代に仏像の美しさに惹かれ、寺を旅する魅力に気づく。寺と神社をめぐるうちに、日本の仏教や神道の奥深さに惹かれ、現在は寺と神社の旅の専門家として、寺、神社、仏像、宿坊に関する単行本と雑誌記事を数多く執筆している。

こころ落ち着く場所は、一人ひとり違って当たり前

寺と神社の旅の専門家、吉田さんに、オススメの神社仏閣はどこですか?と、お伺いすると、このように教えてくださいました。

「日本全国には、実に多くの神社やお寺があります。いくつもの寺院や神社を訪ねていくことで、ここは自分にあっているなとか、自分の気持が落ち着くという場所があるものです。近年、パワースポットという言葉が流行しています。日本古来の聖地をそうした外国語で呼ぶことの是非はさておき、自分にとっての“パワースポット”となる場所は人それぞれだと考えています。今日は、私が個人的に好きな仏像のあるお寺をご紹介します。皆さんも自分の感覚に合うお寺や神社をぜひ見つけてみてください」

有名な寺社でも、行ってみると心が落ち着かなかったり、観光客は行かないような、小さな寺社でも、行ってみると居心地が良かったり…そんな経験がありませんか。
一人ひとりの「心地良い」「何かパワーを頂けるような気がする」という感覚を大切にしていただけたらいいのでは、と吉田さんは話します。

戸隠神社奥社参道
長野県にある戸隠神社奥社参道。杉並木の間を歩いていくだけで心が癒やされるような感覚に。

仏像に会いに行くなら、奈良京都がやっぱりオススメ

吉田さんによると、仏像に会いに行くのであれば、お寺の数が非常に多い、奈良や京都がオススメなのだそう。京都のお寺には美しい庭園も多いですし、奈良のお寺の雄大な建造物も魅力があります。

 

心がとても癒やされる【京都・戒光寺 丈六釈迦如来像】

「戒光寺の丈六釈迦如来像は、10メートルの高さがあるとても大きな仏像です。私は、丈六さんに会いに行くと、とても心が癒やされる感じがするんです」

京都にある戒光寺は、後掘河天皇のご勅願所として鎌倉時代中期に創建されたお寺です。室町時代に起こった応仁の乱で伽藍を消失しましたが、鎌倉時代の仏師運慶・湛慶親子の合作である木像のご本尊「丈六釈迦如来像」はその大火から免れ、現在もそのお姿を見ることができます。首の辺りから何か流れている様に見えるのは、後水尾天皇が暗殺者に寝首を掻かれた時に、この釈迦如来が身代わりに立たれ、付いた血の跡だと言われています。この事から、身代わりのお釈迦様と呼ばれ、「悪しき事のお身代わりになってくださる」「首から上の病気、のどの病気を治してくださる」と崇められています。

また、「丈六」はもともと仏像のサイズを示す言葉で、1丈6尺 (約 4.85m)という意味です。これは、お釈迦様がそれだけの身長だったと言われることに由来します。こちらの釈迦如来像はそれよりも大きいのですが、「大きい仏様」という意味で、丈六さんと呼ばれるようになったようです。

 

安らぎの空間【奈良・福智院 地蔵菩薩像】

「福智院は静かにゆっくりと、仏像を眺めることができる、私の好きな寺院です。奈良町と呼ばれる古い建物が並ぶエリアのはずれにあり、観光客でいっぱいの奈良公園周辺のお寺とくらべると、ぐっと落ち着いた雰囲気です」

こちらの寺のご本尊の地蔵菩薩像もとても大きく、台座からの総高は6.6m弱。どっしりとした鎌倉彫刻が印象的な仏像さまです。また、仏像の光背(仏像の後ろにつける装飾で、仏像から発せられる後光を表す)に多数の化仏(光背に配置されている小さな仏形の像)を、実際に表現している例は極めて稀で、現存している地蔵尊としては、福智院の本尊が唯一なのだそうです。地蔵菩薩は、釈迦入滅後の56億7千万年後に弥勒菩薩が降臨するまでの長い間、苦しむ人々を救ってくれる慈悲深い仏様です。

 

空間と寺院内の自然も魅力【鎌倉 覚園寺 薬師如来像】

「関東では、覚園寺の薬師三尊像を一度、拝んでいただけたらと思います。薬師如来像は、通常、開いた片手の上に薬を入れた壺を乗せていますが、こちらのお薬師さんは、組み合わせた両手の上に薬壺を乗せている点が特徴的です。両脇には、日光菩薩、月光菩薩という、お薬師さまを助ける役目の菩薩様がいらっしゃいます。三体合わせて「薬師三尊像」と呼びます」

本堂である薬師堂を中心とするお堂、多くの仏像と趣きある寺院内の自然が一体となった「鎌倉らしい」空間で、僧侶による案内により拝観できます。薬師堂の中には、本尊の薬師如来像、その脇侍である日光・月光菩薩像、眷属(けんぞく・薬師如来の家来)の十二神将像が安置されていて、間近でじっくりと仏像を拝むことができるのも魅力の一つです。

 

貴重な九品仏に会える 【東京 浄真寺 九品仏】

「阿弥陀如来像が9体揃っていて、とても貴重なのが浄真寺の九品仏。東京都内にも、このような心癒される空間があるんですよ。このあたりは、空襲の被害が少なかったため、貴重な江戸時代の建物や仏像が残っているのです」

浄真寺の最寄駅は東急大井町線の「九品仏駅」。自由が丘から歩いて10分ほどの場所にあります。都会の中にありなからも、浄真寺の広い境内は緑豊かで、境内の一番奥に3つの阿弥陀堂(上品堂、中品堂、下品堂)が並び、それぞれのお堂には阿弥陀如来像が3体ずつ納められています。九品(くほん)というのは、浄土宗における極楽往生の考え方で、日頃の努力や心がけなどによって、上品上生、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生、下品下生と9つの階層(=九品)に分けられており、この9つそれぞれの階層あわせて阿弥陀如来も9体祀られているのだそうです。

「9つの階層は、拝む人自身の徳の段階を表しています。特別に徳の高い人は、華やかなお迎えが来て、素早く極楽浄土に連れて行ってもらえますが、下の方の階層の人は、極楽浄土に着くまでに時間がかかります。ここでお参りして日頃の行いを反省し、自分はまだまだ下の方だと感じたら、次はもっと上の階層に行けるように努力するとよいですね」

 

最後に、雰囲気のお好きな庭園と神社についてお伺いしました。

「京都・醍醐寺三宝院の豊臣秀吉が作った庭園は、京都の庭園の中で一番好きです。秀吉さんらしい豪華で勇壮な感じの庭園で、新緑の時期の雨の日に行くと、しっとりとした雰囲気で、特に癒されます。神社は、群馬県の榛名神社が好きですね。ご本殿の背後に巨大な岩があり、自然そのものが神様であることを強く感じます」

京都・醍醐寺

 

4週にわたってお届けしてきた神社仏閣特集、いかがでしたか。古くから、日本人の心のよりどころとなってきた神社やお寺は、今のせわしない日本でも、人々の心を癒やし、支えとなっています。
今年は、ぜひ時間を作って、心も身体も健康にしてくれるような、神社やお寺を旅してみませんか。

 

【今週更新!きのこで菌活。】

春も目前。神社仏閣をはじめ、様々な場所に訪れたくなりますね。一方で気になるのが花粉症。免疫力を高めるきのこの効果や、マイタケ・エリンギの花粉症撃退パワーでしっかり予防しましょう!

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

今おすすめのきのこレシピ

きのこと菜の花のスクランブルエッグ

環境の変化が大きく疲れを感じやすい4月は、食事からしっかり栄養をチャージして春を元気に過ごしましょう!きのことソーセージに豊富なビタミンB1は糖質の代謝に関わるので、元気に活動するためのエネルギーの補給に役立ちます。また、卵からは良質なタンパク質、菜の花からはビタミンA・C・Eが摂れる、栄養バランス満点の一品です。

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