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12月の特集テーマ
お酒の文化、新しい魅力。

お正月に堪能したい! 美味しい料理とお酒を楽しむ魅力

2017.12.11

年末年始の食事と共にお酒を楽しむと言っても、どのようなお酒を選び、どのような食事を用意したらいいのか、そして、お客様をお迎えする際には、どのようなおもてなしをしたらいいのか迷ってしまいますよね。今週のトレンドコラムでは、年々多様性を増す、お酒の楽しみ方をお伺いしました。 また、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、飲みすぎた翌日も元気に過ごすための方法をご紹介していますので、併せてご覧ください。

年末年始の食事と共にお酒を楽しむと言っても、どのようなお酒を選び、どのような食事を用意したらいいのか、そして、お客様をお迎えする際には、どのようなおもてなしをしたらいいのか迷ってしまいますよね。今週のトレンドコラムでは、年々多様性を増す、お酒の楽しみ方をお伺いしました。 また、今週の「きのこで菌活。」コラムでは、飲みすぎた翌日も元気に過ごすための方法をご紹介していますので、併せてご覧ください。

てじままきこ
教えてくれたひと
手島麻記子(Tejima Makiko)食文化研究家 / テーブルコーディネーター
「日本酒のある豊かな暮らし」をテーマに、全国各地の日本酒とイタリアンをはじめとした西欧料理との食べ合わせや「ライフスタイルとしての日本酒」の新しい楽しみ方を。国内外で広く発信している。
(株)彩食絢美 代表取締役社長、日本酒造組合中央会認定 日本酒スタイリスト、酒造之太祖久斯之神任命 名誉利酒師酒匠、日本ソムリエ協会認定 ワインアドバイザー
【彩食絢美HP】http://www.saishokukenbi.com/

新年に向けて、お酒を楽しむ準備を

「現代日本は、国内のグローバル化が進み、日本古来のお酒だけではなく、国産のビールやワインも種類豊富な時代になりました。こんなに豊かにお酒を楽しめる時代は今までなかったですよね。だからこそ、さまざまなお料理が登場するクリスマスパーティーやご家族で楽しむお正月は、お酒もさまざまな種類を集めて、食べ合わせを楽しむ絶好の機会です」

年末年始は特に、地方色の強い料理を食べる機会が多いもの。例えばお雑煮は地域によって味付けが大きく違うものの代表格ですが、地域の伝統食には、その地域で作られたお酒が合うというのはよく聞く話です。

「日本酒の伝統的な味わい方は、その地域でつくられたお酒を、同じ地域の郷土料理とあわせることです。お酒の種類に迷ったら、料理に合わせた地元のお酒を選ぶことをおすすめします。でも、それにとらわれずに、さまざまなお酒を試してみるのも面白いんですよ。『この酒とこの料理はあまりあわないけれど、こっちの酒とは合う』と言う意外な発見やワクワク感は会話も弾ませてくれるものです」

お酒は気に入ったラベルデザインを見て買ってもいいし、味わいの解説を見て買ってもいい。日本食には日本酒、洋食にはワイン…と考えてしまいがちですが、日本のワインは和食に合うものも多いし、洋食によく合う日本酒もたくさんあります。新しい食べ合わせのなかから、お酒の新しい楽しみ方が生まれ、日本文化として定着していくこともあるわけです。

また、酒造りの考え方にも、最近変化があったのだとか。

「かつては日本酒の高級酒といえば山田錦という酒米の王様でつくるものとされていましたが、今はその地域ならではの酒米を育て、それをその地域の風土のなかで醸して酒をつくることが、味わいの面からも注目を集めています。鳥取の強力米(ごうりきまい)や岡山の雄町米、宮城県の蔵の華米など、どれもその県を代表とする酒米です。ワインも、その土壌にあったぶどう生産から取り組む、小さなワイナリーのワインが、注目されることが多くなっています」

trend051岡山県産の牡蠣で作った佃煮には、岡山県産の酒米「雄町」を使った日本酒を。
trend051宮城県の特産・ホヤの酢の物には、宮城県産の酒米「蔵の華」を使った日本酒を。

旅に出て、その地域でしか買えない、ほんの一握りのお酒を味わうことは、こころまで豊かになる特別な体験を演出してくれます。お客様をお迎えする際のスペシャルなものとして用意するのもいいですよね。

お酒のある食事を更に充実させる、酒器の楽しみ

最近では、ワイングラスで日本酒を楽しむレストランがあったり、ビールを陶器で楽しむお店があったり、酒器の楽しみ方もさまざまです。

「ワイングラスで日本酒を飲むことの意味は、香りを十分に楽しむことにあります。これは、吟醸酒というフルーティーな日本酒が一般的に楽しめるようになったことで生まれた新しい文化ですね。また、お正月などのめでたい場では、「目で味わう」要素をもった、華やかな絵付けの酒器などでお客様をおもてなしするのも粋なものです」

口の広い酒器ならば、お酒が注がれた瞬間にふわっと広がる酒の香りを楽しむこともできるし、繊細で複雑なお酒の口当たりを十分に楽しみたければ、まず一番はじめに唇があたる口縁とよばれる、フチの部分が薄い酒器がおすすめ。同じお酒でも、酒器によって感じ方が変わるから不思議です。

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お屠蘇を試してみませんか。

日本のお正月ならではの風習に、1月1日の朝に無病長寿を願って飲まれるお屠蘇(おとそ)があります。いまでは、その風習を続けている方もだいぶ少なくなったそうです。

「お屠蘇は、白朮(ビャクジュツ)や山椒、陳皮などを配合した『屠蘇散(とそさん)』を日本酒に漬け込んだ薬酒のことで、平安貴族の正月行事に欠かせないものだったそうです。今は、スーパーなどでも屠蘇散が手軽に手に入りますので、無病長寿を願う日本の伝統文化として試してみてはいかがですか」

日本の文化に根付き、時代にあわせて多様な変化をとげる日本のお酒。手島さんは古いものを継承し若い世代に受け継ぎ守っていくことと、新しい味わい方や楽しみ方の発見の両方を楽しんで行くことが、豊かな酒文化を育んでいくと話してくれました。
【12/18更新の次回は、日本のお正月に欠かせないお節料理の魅力を紐解きます】

 

【今週更新!きのこで菌活。】

お酒を楽しんだ次の日は、ついつい飲みすぎてしまって二日酔いということも…。 実は、合わせる食事によって症状を緩和することができるんです。肝臓の働きをサポートする「きのこで菌活」で、おいしく二日酔い対策をしていきましょう!

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

今おすすめのきのこレシピ

霜降りひらたけと春野菜のガーリックソテー

紫外線が強まるこの時期、春野菜を美味しく食べながら美容にも嬉しいブレミアムメニューをご紹介します。霜降りひらたけに豊富なエルゴチオネインは抗酸化作用をもつので、健康な肌づくりに役立ちます。また菜の花にはビタミンA・C・Eが含まれるので、合わせて摂ることで効果がアップ。シンプルな味付けで旨味が引き立つ一品です。

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