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9月の特集テーマ
スポーツの秋!新習慣でさらに健康に!キレイに!

カラダを整え、胃腸も刺激! 大人におすすめ「ラジオ体操」

2017.09.18

過ごしやすい季節の新習慣として始めたいスポーツをご紹介している、今月のトレンドコラム。ランニング、自転車に続いてご紹介するのは「ラジオ体操」です。誰もが知っているであろうこの体操、実は全身の400以上の筋肉を効果的に活性化してくれる、健康&美容効果が凝縮されたものなんです。その効果が見直されるきっかけになったのは、スポーツドクターの中村格子さんの書籍『実はスゴイ!大人のラジオ体操』が大ヒットしたこと。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、カロリーコントロールから、スリムで健康的な身体を作る方法をお伝えしていますが、「トレンドコラム」では、筋肉を動かしキレイな身体を作る方法を、ラジオ体操ブームの火付け役となった中村さんにその効果や習慣化のコツとともにをうかがいました。

過ごしやすい季節の新習慣として始めたいスポーツをご紹介している、今月のトレンドコラム。ランニング、自転車に続いてご紹介するのは「ラジオ体操」です。誰もが知っているであろうこの体操、実は全身の400以上の筋肉を効果的に活性化してくれる、健康&美容効果が凝縮されたものなんです。その効果が見直されるきっかけになったのは、スポーツドクターの中村格子さんの書籍『実はスゴイ!大人のラジオ体操』が大ヒットしたこと。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、カロリーコントロールから、スリムで健康的な身体を作る方法をお伝えしていますが、「トレンドコラム」では、筋肉を動かしキレイな身体を作る方法を、ラジオ体操ブームの火付け役となった中村さんにその効果や習慣化のコツとともにをうかがいました。

教えてくれたひと
中村格子(Kakuko Nakamura)
整形外科医師/医学博士・スポーツドクター
1966年生まれ。横浜市立大学卒。「健康であることは美しい」をモットーに、整形外科医・スポーツドクターとして各種競技の日本代表選手をはじめとしたトップアスリートを支えるかたわら、スポーツと医療の架け橋として、より多くの人の健康で美しい人生をサポートすべく、テレビ・雑誌などのメディアでも多数活動。臨床整形外科医として25年のキャリアとトップアスリートのコンディショニングの経験から独自のエクササイズを考案。特別な道具やテクニックは一切必要なく、体力に自信がない方や運動が苦手な方でも安心して取り組めるエクササイズが特長。著書『大人のラジオ体操』はシリーズ累計82万部を超えるベストセラー。

健康・美容効果を考えつくされた“究極の全身運動”

ラジオ体操の「正しいやり方」を解説した『実はスゴイ!大人のラジオ体操』が出版されたのは2012年のこと。スポーツドクターとして帯同していた中村さんが、新体操日本代表チームの練習にラジオ体操が取り入れられていることを知り、東日本大震災の被災地での健康維持に役立てたいと考えたことがそのきっかけだったそうです。そして本は大ヒットし、関連本が次々と出版されるなど、ラジオ体操はブームと呼べるほど脚光を浴びることになりました。

中村格子さん

「これだけ受け入れられた理由はいくつかあると思います。まず、多くの人が親しみをもっているために習慣として取り入れるハードルが低いと感じられたこと。もうひとつは、子どもの頃はわからなかった効果が、大人になってやってみると実感できるということがあるのではないでしょうか。ある程度年齢を重ねると、起き抜けに腰の痛みや身体のこわばりを感じると思いますが、そういった不調がたった3分の体操で改善するわけです。だから注目を集めたのだと思います」
 
そもそもラジオ体操は「いつでも」「どこでも」「誰でも」できる国民保険体操として、戦前、逓信省簡易保険局によってつくられたもの。現行のラジオ体操も、老若男女を対象として、健康面はもちろん、疲労回復や美容にも効果があるようにと専門家によって考えつくされている、と中村さん。
 
ラジオ体操第一は、3分14秒で約400種類ある筋肉を活性化させる究極の全身運動です。一般の人にとっては健康維持やダイエットなど美容効果が期待できますし、特定の部位の筋肉だけが鍛えられがちなアスリートにとっては全身のコンディションを効率よく整えることになります。ただし、うろ覚えのまま自己流でやっても効果は薄いんです。ポイントを押さえて、正しい動作でテキパキとやることで、効果がかなり違ってきますよ

ポイントを押さえて、まずは実践してみましょう!

中村さんによれば、ラジオ体操の目的の特長は大きく3つあります。1つ目は「身体の歪みがとれる」こと。身体を左右均等に動かすため、歪みがとれてプロポーションがよくなることも期待できます。2つ目は「全身の筋肉・関節をまんべんなく使うこと」。日常生活ではあまり動かさない部分もしっかり動かすことで、健康で若々しい身体をキープできるのだそう。そして3つ目は「内臓の働きを活性化する」こと。
 
「ねじる運動など、腹部体幹の働きを促進する動きがふんだんに盛り込まれていますから、胃腸の活性化が促されることが期待できます。特に中高年や高齢者は栄養の吸収力が下がっていますから、しっかり動かすことで腸内環境も整うと思いますよ。食後は胃腸に負担がかかりますから、朝食前や、昼食後にお腹を休ませてから行うことをおすすめします」
 
ラジオ体操第一は13の動きで構成されていて、それぞれの動きには目的に沿ったポイントがあります。「ポイントを確認し、使う筋肉を意識しながら、テンポよく行う」ことで、ラジオ体操の効果が高まると中村さん。
 
「ラジオ体操の特長は、13の動きを順番どおりに行っていくことで、身体を徐々に効率よく動かしていくことができます。いわば起承転結のような構成になっているんです」

ラジオ体操第一それぞれの運動のポイントと効果

  運動 ポイント&効果
1 伸びの運動 まずは、背伸びで美姿勢に!
2 腕を振って脚を曲げ伸ばす運動 バレエの動きで美脚&小尻に!
3 腕を回す運動 肩甲骨を動かして背中スッキリ!
4 胸を反らす運動 胸を開いて上向きバスト&猫背解消!
5 体を横に曲げる運動 体側を伸ばすだけなのに、わき腹がスッキリ!
6 体を前後に曲げる運動 脊椎の柔軟性アップで、腰のだるさ解消!
7 体をねじる運動 ねじりの動きで 体幹を鍛える!
8 腕を上下に伸ばす運動 垂直伸ばしで、重力に負けない若々しい身体に!
9 体を斜め下に曲げ、胸を反らす運動 もも裏のストレッチで、太もも&お尻スッキリ!
10 体を回す運動 身体を回して、歪み解消!
11 両足で飛ぶ運動 両脚ジャンプで脂肪を燃やす!
12 腕を振って脚を曲げ伸ばす運動(2回め) 自然な呼吸を意識して、丁寧に実施!
13 深呼吸 深呼吸でストレス解消!

出典:大人のラジオ体操

本来は13の動きをすべてご紹介したいところですが、ここではラジオ体操の「身体の歪みがとれる」「全身の筋肉・関節をまんべんなく使うこと」「内臓の働きが活性化する」という特長に合わせてセレクトした、3つの動きの詳しいポイントを、中村さんのコメントとともにご紹介します。

「体をねじる運動」 ねじりの動きで 体幹を鍛える!

「主に脇腹の腹斜筋に効く動きです。腹部体幹の筋肉を刺激することで内臓の働きが促進され、便秘解消の効果も期待できます。左右で動きやすさが違うと、日常のクセで少し身体が歪んでいるかもしれません」

「体をねじる運動」

ねじりの動きで体幹を鍛えます。足を開いて立ったら、腕の力を抜いて、まず上体を左→右→左→右の順でねじります。次に、腕を左斜め上に大きく2回振り上げ、一度上体を正面に戻します。この動きを反対側でも繰り返します。ポイントは、ひざをしっかり固定して行うこと。そうすることで体軸が安定するため、体幹の筋肉が引き締まり、内臓諸器官の動きの促進も期待できます。

 

「腕を上下に伸ばす運動」 垂直伸ばしで、重力に負けない若々しい身体に!

「関節は、動かさないとさびついてしまい、年齢とともに動く範囲が狭くなってしまうものです。これが身体の老化につながります。動かしながら伸ばしていく『ダイナミックストレッチ』の効果で、筋肉の弾性と関節の可動域を高めましょう」

「腕を上下に伸ばす運動」

垂直伸ばしで重力に負けない身体をつくります。まず、左足を横に一歩出しながら腕を素早く曲げて指先で肩に触れ、両腕を上に伸ばしてかかとを上げます。かかとを下ろしながら腕を素早く曲げて指先を再び肩の位置に、そして腕を下ろして左足を閉じます。同じ動きを、今度は右足を横に出して行い、この流れを2回繰り返します。この動きで背中にある筋肉を刺激、ストレッチ効果で血行も促進します。

 

「体を回す運動」 身体を回して、歪み解消!

「この左右均等に動かす運動を行うほどに身体の歪みがとれ、プロポーションが整います。痛み予防の効果も期待できます。難易度が高い動きですので、うまく身体を回せない人は両手でタオルを持って行うとやりやすいと思います」

「身体を回す運動」

両腕を右肩の高さに上げ、円を描くように腕を振りながら、右から左へ大きく回します。1周半回して腕が左斜め上まできたら、今度は逆方向に。これを2回繰り返します。両手の間隔を揃えることで腰がしっかり回り、身体の歪み解消に効果的。両手でタオルを持って行うと間隔が揃います。正確に円を描く動きを行うのが難しければ、最初は小さな円を描く動きでもOK。

 

「気持ちがいい」からこそ、習慣化できる

健康と美容のためのメソッドがたくさん詰まったラジオ体操ですが、その最大の魅力は「約3分でできるから、無理なく続けられる」ことにあるのかもしれません。人によって生活スタイルはさまざま、それぞれの暮らしのリズムに合わせて取り入れてほしい、と中村さん。
 

「ラジオ体操には朝行うというイメージがあるかもしれませんが、人によっては忙しい朝に、無理をしてやらなくてもいいんです。たった3分で特別な器具もいりませんから、やりやすいタイミングで大丈夫。習慣化するためには『自分にとって嫌なことにしない』ことが大切です。ラジオ体操をした日は気持ちや身体がどうだったのか、自分でアセスメント(評価)してみるといいと思います。心身ともに気持ちがいいことなら、きっと続きますから」
 
もうひとつ教えてくれたのが、「長期的な視点で考える」という方法。もちろん毎日続けられればそれがベストですが、「週に1回でも毎週やれば継続したことになる」と少し考え方を変えると、心理的なハードルが下がるのではないかと言います。たしかに、無理せず柔軟に考えることが習慣化のコツなのかもしれません。最後に、ラジオ体操と同じく、ぜひ習慣化したい「きのこで菌活」についても聞いてみました。
 
「個人的にもきのこは好きなんです。以前、栃木に住んでいたのですが、地元の方が山で採った珍しいきのこをよく分けてくださって、そのおいしさに目覚めました。栄養面はもちろん、調理が簡単で使い勝手の良い、ユースフルな食材だなって思います。医師として、骨を強くするためにビタミンDが豊富なきのこをおすすめすることもあるんですよ」
 
整形外科医・スポーツドクターとして活躍する中村さんのモットーは「健康であることは美しい」。今回のインタビューでも「女性の健康は社会の健康にもつながる」と話してくれました。美容と健康に抜群の効果がある「ラジオ体操」と「きのこで菌活」、どちらもぜひ習慣化していきたいですね。
 

もっと詳しいラジオ体操のポイントは、中村さんの書籍やDVDでも紹介されているので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね!

「実はスゴイ!大人のラジオ体操」(講談社)
「もっとスゴイ!大人のラジオ体操 決定版」(講談社)

 
 
【秋のスポーツ特集の最終回は、ウォーキングに関して詳しく取り上げます。どうぞお楽しみに♪】
 

【今週更新!きのこで菌活。】

ラジオ体操でも意識できるインナービューティーケア。きのこで菌活とあわせて行うことで、ダイエットへの相乗効果が期待できます。今週の「きのこで菌活。」コラムは、美味しく食べながら実現できるカロリーコントロールのお話です。

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

今おすすめのきのこレシピ

きのこペーストのやみつきナムル

季節の変わり目は寒暖差の影響で腸の動きも鈍くなりがちに。腸は「健康の要」とも呼ばれるため、食事で腸をケアして、春を楽しみましょう♪きのこに豊富な食物繊維は、腸に溜まった老廃物の排出を促したり、腸にいる善玉菌のエサとなり、腸の健康を保ちます。簡単にできるきのこをたくさん使った一品で健康を手に入れましょう!

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