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トレンドコラム

夏の肌疲れは「温め&浸透させる」ケアで簡単リセット!

お話をうかがった山口童子さんは、輝くような笑顔と美しい肌の持ち主。ふだんは東京都渋谷区にある「美・ファイン研究所」で、メイクアップレッスンやパーソナルアドバイスを行っています。今週の「きのこで菌活。」でお伝えしている“秋バテ”には、食べるケアが良いと伺いましたが、山口さんに初秋の肌ダメージをケアする方法をお聞きすると、実演を交えてさまざまなテクニックを教えてくれました。インタビュー1回目は、もっとも気になる「フェイスケア」について。眼からウロコ、プロ直伝のポイントが満載です。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

山口童子

山口童子 (Toko Yamaguchi)

ヘア&メイクアップアーティスト。The Best Makeup School卒業後、株式会社美・ファイン研究所に入社。インストラクターとしてメイクアップレッスンの講師を務めるほか、経済界などで活躍するビジネスパーソンのイメージメイキングも数多く担当。広告や舞台でのヘアメイク、化粧品業界の冊子・テキストの監修や化粧品の企画、美容システムの開発を手がけ、メイクアップアーティストの育成にも注力。外見(第一印象)と内面(性格)のバランスを調整する美容理論や、美容心理の大切さを次世代へ伝えている。年代別の肌トラブルに対応したスキンケア&ナチュラルメイクアップに定評がある。オフィシャルサイトはこちら

 

====== 今週のセルフチェック! ======

◇ 夏の紫外線からダメージを受けていませんか? 現状の夏バテ肌度をチェックしましょう!

【軽度ダメージ】
朝、メイク前にお肌を鏡で見るといつもより肌のツヤがなくなりかさかさした感じがある。
洗顔後に肌がつっぱり「痛み」を感じたり、いつものスキンケア用品なのに「しみる・かゆい」、「ほてる」感じがあるなど、“いつもと違う”症状を感じる。

【中度ダメージ】
スキンケア後でも目尻や頬、おでこなど「突っ張る」という違和感があり、化粧水が浸透しにくく肌が固い感じがある。

【危険ダメージ】
肌にザラツキがあり、シワが深くなったように感じる。鼻先や頬の高い部分など皮がめくれてしまい痛みを感じる。首筋など、汗をかきやすい部分がかゆくなり赤く炎症を起こしてしまっている。

陽にあたったあとや、秋のはじめに上記の症状が出ていたら、紫外線からのダメージをお肌に受けている証拠です。
人によってその度合は様々かもしれませんが、自分のお肌に足りないものを知って、お肌に補ってあげましょう。

 

お肌の奥の疲れが取れる!
秋におすすめ、ホットタオル活用術

 

「そもそも、なぜ秋に肌トラブルが起きやすいかというと、大きい原因となるのは、やはり紫外線です。夏の紫外線はどれだけ気をつけていても完全に防ぐことはできません。そして、肌が新陳代謝で生まれ変わるのに必要なのは約1ヶ月。つまり秋は、8月に肌の奥に受けたダメージが表に現れてくるんです。さらに、夏は湿度が高いので、肌も多少しっとりしますよね。ところが秋になって空気が乾燥してくると、肌のゴワゴワ・カサカサが気になってくるんです」

山口さんが最初に教えてくれたのは、この時期にスキンケアをしっかり行うことの重要性について。夏の間、紫外線や空調にさらされて肌に蓄積したダメージは、秋になって表面化し、肌トラブルを引き起こします。特に紫外線のうち、「UVA」は肌の奥深くまで到達してシワやたるみの原因に、UVBは肌の炎症を引き起こし、色素細胞を刺激してシミやそばかすの原因に……。

「だからこそ、この時期はスキンケアをいつも以上に丁寧にする必要があるんです。フェイスケアは多くの人が気を付けていると思いますが、ちょっとしたコツをつかむだけで、肌トラブルを防ぐことができます。ただし、見落としがちなのが『首』。顔がきれいでも、首まわりが荒れていたら、どんな印象を与えるでしょう? 私がレッスンで伝えているのは、『首まで顔だと思ってケアしてください』ということ。実は首や手って、特に年齢が出やすいと言われているんです」

山口さんが教えてくれた秋のスキンケアのポイントのひとつは、ホットタオルを活用した「肌の内側からのケア」。なんとこの方法、肌ダメージ改善だけでなく、美白やリフトアップの効果もあるのだそうです。

こんな感じに・・・と実践してくれた山口さん。

「肌の奥には毛細血管が集まっていて、血管を伝って肌に栄養が届けられ、また老廃物は血管を通って流れていきます。顔全体を温めることは、血行を良くし、肌に栄養を届けることになるんです。さらに肌の中のコラーゲンが刺激を受けることでしっかりと機能し、リフトアップ効果も期待できますし、蒸気が角質を柔らかくし透明感が高まり、シミ・そばかすの改善にもつながるんですよ」

ホットタオルを使ったスキンケアは、山口さんがメイクアップスクールなどでも推奨しているとっておきの方法。中には、続けた結果、気になっていたシミがかなり薄くなったという人もいるそうです。とても簡単なので、みなさんもぜひやってみてください。

 

ホットタオルケアの方法

(1)【クレンジング】メイクをしている場合は、まずクレンジング。いつもどおりにクレンジングをしたら、クレンジング剤を軽くティッシュでおさえます。(この後、ホットタオルが毛穴を開いて汚れを落としてくれるので、洗顔フォームでのW洗顔はしないのがおすすめ。気になる方は、洗顔も行ってください)*メイクをしていない方は、ぬるま湯で顔を洗います。

(2)【ホットタオルを作る】フェイスタオルを濡らして軽く絞り、500Wの電子レンジで1分ほど加熱。(かなり熱くなりますので、やけどに注意して下さい)

(3)【ホットタオルケア】取り出したタオルを顎の下に持っていき、蒸気を顔に当てます。熱すぎない温度になったら、ホットタオルを顔全体に当て、両手の平で軽く押さえて1分ほどキープ。

(4)【保湿ケア】ホットタオルを外したら、化粧水や乳液で保湿ケアを行います。この方法はこの後お届け!

 

ポイントは“ぎゅぎゅっ!”
見違える美肌を作る化粧水の付け方とは?

 

山口さんがおすすめするホットタオルケアは、いわば“肌の内側からのオフ&ケア”。一方、肌の外側からのケアでポイントになるのは「角質」と「水分補給」の2つだと山口さんは話します。まずは夏に日焼けをして、ゴワゴワ・カサカサの原因となっている肌表面の角質を取ること、そして水分を肌の奥に浸透させることがもっとも重要なのだそうです。

「角質柔軟剤やゴマージュなどを使って、肌をマッサージすることで古い角質を落とします。まずは“肌の大掃除”をしてくださいね。そして、日焼けをして水分量が少なくなっている肌に、化粧水をぎゅっと“入れて”あげましょう。私は、コットンよりも手を使ったほうがいいと思います。手のひらに化粧水をたっぷりとって、ギュッと押さえる。手の温度で化粧水が温められますし、サランラップのように水分を逃がしません。この2つの外側からのケアで、ダメージ肌の“応急処置”を行ってください」

さらに、日常のスキンケアについても、ちょっとしたコツを教えてくれました。多くの人が、まず化粧水、次に乳液……という手順で行っていると思いますが、山口さんがおすすめするのは、最初に乳液をつけること。スキンケア用品をわざわざ買い替えなくても、ちょっと手順を変えるだけで、肌の調子が良くなってくると言います。実はこれには、明確な理由が。

「乳液って、水と油がちょうどいい具合に混ざった状態のものなんです。肌も同じで、水分と油分がちょうどよく混ざっているのが正常な状態。つまり、最初に乳液をつけることは、肌の調子を整え、そのあとのケアが行き届きやすくなるんです。私たち美・ファイン研究所の会長、小林照子は、出張のときは乳液だけを持っていくほど万能なアイテムなんです(笑)」

山口さんおすすめの手順は、「1.乳液、2.化粧水、3.乳液、4.美容液、5.クリーム」の順。特にお風呂上がりのときは、最初に乳液を付けておけば肌の乾燥が防げるので、その後のケアは時間を置いてもOKになるというメリットも。「小さいお子さんがいる方は、お風呂上がりもバタバタしますからね」と山口さん。
最後に、年代別のフェイスケアのポイントをお伺いしました。最大のコツは、もちろん「続けること」。いつものスキンケアに、ほんのちょっとだけ工夫を加えれば、秋冬に向けて美肌を実現できるかもしれませんよ。

●年代別・フェイスケアのポイント

【20〜30代前半】
この年代の人は肌成分の分泌が高いので、テカリに悩む人もいると思います。そのため、クレンジングや洗顔など『取り除くケア』に力を入れてください。今回紹介したホットタオルケアを併用すると、より効果が高まりますよ!

【30代後半〜40代】
「まだまだ若い年代ですが、徐々に肌の分泌(油分)が落ちていきます。つまりカサカサ・パサパサの状態になりやすいということ。水分補給をしっかりすることが大きなポイントになりますね。化粧水をパシャパシャっとつけるだけではダメ、たっぷり手に取ってぎゅっと押し込むケアを3回くらいはやっていただきたいです。

【50代〜】
肌の乾燥に悩むことも多い年代。水分だけでなく、油分の補給も必要になります。スクワランオイルや椿油などを使ったオイル美容もおすすめです。ドライ肌の人や肌をリッチに保ちたい人も、オイル美容はぜひ取り入れてみてください」

 

【次週は山口さんがボディケア、中でも特にトラブルが起こりやすい腕・手・爪のケア方法を伝授。プロが教える目からウロコのケア方法、次週もお楽しみに!】

 

【今週更新!きのこで菌活。】

今回ご紹介した、アウターケアだけでなく、身体の内側からも美肌を作るために、「きのこで菌活」のコツをおさえておきましょう

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

今おすすめのきのこレシピ

霜降りひらたけとサーモンのバターポン酢炒め

空気が乾燥し始めるこの時期は、食事から肌を労わりましょう。きのこに豊富なビタミンB2は別名「美容ビタミン」と呼ばれ、健やかな肌づくりに役立ちます。また、霜降りひらたけに含まれる抗酸化成分のエルゴチオネインと、鮭の抗酸化成分のアスタキサンチンの効果でさらなる美容効果が期待できます。わさびの辛味が素材の味を引き立てる一品です。

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