PAGETOP
10月の特集テーマ
~ピンクリボン月間~ 美腸で身体に良いことを始めよう

今から予防を始めたい!
骨粗しょう症のリスクとは

2017.10.23

ピンクリボン月間を機に見つめ直したい家族の健康。特に中高年の女性が気をつけたい問題の1つに骨粗しょう症が挙げられます。加齢によって年々加速していく骨量の減少を抑えるには、いったいどのような対策をすればよいのでしょうか? 今週のトレンドコラムでは、子どもを健やかにイキイキと育てるためのポイントをお届けしていますが、家族全員が元気で健康的な老後を過ごすためにも、毎日の食事が大切。今から骨粗しょう症の予防をしっかりしていきましょう。

ピンクリボン月間を機に見つめ直したい家族の健康。特に中高年の女性が気をつけたい問題の1つに骨粗しょう症が挙げられます。加齢によって年々加速していく骨量の減少を抑えるには、いったいどのような対策をすればよいのでしょうか? 今週のトレンドコラムでは、子どもを健やかにイキイキと育てるためのポイントをお届けしていますが、家族全員が元気で健康的な老後を過ごすためにも、毎日の食事が大切。今から骨粗しょう症の予防をしっかりしていきましょう。

若林由香里さん

教えてくれたひと
若林由香里
社員食堂、病院、老人保健施設などで調理、献立作成、栄養管理などの経験を積む。
自身の子育て経験から「食べたもので体はつくられる、心と頭に栄養を!」をモットーに、料理に込められた想いを大切にしながら、料理、レシピ開発、子どもの食育など行う。

妊娠や出産のタイミングこそ、骨を強化!

――将来の健康についても考えておきたいと考えています。女性の場合は、年をとると骨粗しょう症になりやすいと聞きますが、そもそも骨粗しょう症とは、どういった症状なのでしょうか?
 
簡単に言うと、骨がスカスカになり、もろくなってしまっている状態です。骨量が足りないので少し転んだだけでも骨折をする恐れがあり、それを機に寝たきりになってしまう方もいるので、早くから対策をしておきたいですよね。決して他人ごとではなく、誰もがかかりうる病気です。
 
――なぜ、女性に多く発症するのでしょうか?
 
人間の骨量は、男女共に20代から30代にピークを迎え、そこから先は下がっていく一方だといわれています。特に、女性の場合は妊娠や出産、授乳など、ホルモンバランスが大きく変化する時期が多くあるので、その時にがくっと骨量が下がってしまうのです。妊娠や出産の時に骨の材料となるカルシウムを食事でしっかり補給できれば別ですが、ただでさえカルシウムは日本人にとって不足しがちな栄養素。妊娠時に必要量のカルシウムが摂れていないと、赤ちゃんを優先して自分の骨からカルシウムを与えてしまうので、多くの方が、お母さんになるタイミングで骨量を激減させてしまうのです。また、骨を溶かして新しい骨をつくる“骨代謝”には、女性ホルモンであるはエストロゲンが深く関係しているのですが、エストロゲンの分泌が低下する閉経後にも骨量が減少することが分かっています。
 
――骨粗しょう症の対策はいつから始めるのがいいのでしょうか?
 
早くから意識するに越したことはありませんが、骨粗しょう症の対策を始めるのに遅すぎるということもありません。骨格がつくられる成長期だけでなく、骨量のピークを過ぎた30代以降も積極的に骨の材料となるカルシウムを摂取しましょう

カルシウム+ビタミンK・D+トレハロースで丈夫な骨づくり

ブナシメジ

――骨を丈夫にしたい場合、カルシウムだけ摂っていればいいのでしょうか? 併せて摂取した方がよい栄養素があれば教えてください。
 
カルシウムは骨をつくる材料となる栄養素なのですが、残念ながら、腸管からの吸収率はあまりよくありません。ただでさえ不足しがちな上に吸収率が低いため、慢性的なカルシウム不足に陥ってしまう傾向にあります。そんなカルシウムの吸収率を高めてくれるのが、ビタミンD。たとえば、牛乳を単体で飲んでも思うようにカルシウムの吸収はできませんが、ビタミンDと合わせて摂取することで体内に取り込みやすくなります。しかし、せっかく吸収したカルシウムが、骨から溶け出してしまっては意味がありません。骨へのカルシウム沈着や骨代謝の作用があるビタミンKを、カルシウムやビタミンDと共に摂取をすることで、骨粗しょう症の予防に効果的に働きかけてくれます。
 
――カルシウムやビタミンD、ビタミンKはどのような食品から摂ることができますか?
 
カルシウムは乳製品や骨ごと食べられる魚、葉物など、ビタミンDはきのこや魚など、ビタミンKは納豆や青菜などに多く含まれています。特にきのこには、骨を破壊する細胞の働きを抑えるトレハロースが含まれているため、複合的に骨粗しょう症予防に働きかけてくれます。また、妊娠初期に赤ちゃんの脳の形成に関与し、障害リスクを下げ、タンパク質やDNAの合成など、赤ちゃんの正常な成長を促す葉酸も豊富なので、妊娠中の方は意識的にきのこを食べるとよいでしょう。
 
――これらの栄養素を効率よく摂取する方法があれば教えてください。
 
カルシウムと一緒にビタミンD、ビタミンKを摂ることで吸収効率が上がりますが、ビタミンDもビタミンKも、共に脂溶性のビタミンなので、調理の際に油を使うといいでしょう。炒めなくても、油を使う料理と一緒に食べるだけで効果が期待できますよ。
 
――骨粗しょう症の予防に効果的なメニューはありますか?
 
それならば、ビタミンDやトレハロースをたっぷり含むきのこと、カルシウムが豊富なちりめんじゃこや小松菜を使った卵とじはいかがでしょうか? 小松菜にはビタミンKも含まれているので、骨粗しょう症の対策にピッタリの一品ですよ。油を使うので、ビタミンDもビタミンKも効果的に摂取をすることができます。
 

おすすめレシピ

きのこと小松菜の卵とじ

女性は特に気を付けたい骨粗しょう症対策にピッタリのメニュー。骨の主成分であるカルシウムは吸収しづらい栄養素ですが、きのこのビタミンDにはその吸収を助ける働きがあり、丈夫な骨作りに効果的。小松菜やちりめんじゃこに豊富なカルシウムを、効率よく摂り入れましょう。また、きのこのナイアシンや長ねぎの硫化アリルには血行を改善し全身を温める効果があるので、女性の健康の大敵である“冷え”解消にも効果的です。

レシピを見る動画を見る