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きのこで菌活。

夏場に溜まった疲労をリセットして、アクティブな秋を!

菌活1

 

暑さが和らいで気候もよくなる秋は、何かをスタートさせるにはとてもいい季節。夏のだるさをリセットして、気分一新、アクティブにいろいろなことを楽しみたいですよね! 今週のトレンドコラムでは、美肌を印象づけるといわれる手元のケアについてお届けしていますが、今週の「きのこで菌活」では、“秋バテ”の解消方法に効果的なきのこの栄養素について教えていただきました。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

管理栄養士 三城円さん

三城 円 (管理栄養士、San-CuBic代表)

容姿コンプレックス、ダイエット、摂食障害といった自身の経験を「ひとりで苦しんでいる人のために生かしたい」とパーソナル管理栄養士としての食生活相談をスタート。食という手段を用いて、ひとりひとり理想の自分を手に入れるための指導を行っている。

 

秋バテの解消には、きのこに含まれるオル二チン&ビタミンB1!

—— 編集部:先週のお話で、“秋バテ”を解消していくにはバランスの取れた食事を摂ることが大切だということを伺いましたが、他にも心がけるべきことがあれば教えてください。

—— 三 城:健康な身体を手に入れるために必要なことは、食事、運動、睡眠、この3つです。身体を作る細胞は睡眠中に細胞分裂をして再生するので、しっかり寝ていないとせっかく食べたものが新しい細胞になっていかないんです。ですから、食事の内容に気を遣うことに加えて、生活習慣全般の見直しをしていくことが必要となります。

—— 編集部:新しい細胞を生成するためには、睡眠が不可欠なんですね!

—— 三 城:睡眠が足りていない人は細胞が作れないだけではなく、全体的に身体が冷えている人が多い傾向にあり、身体の不調を招きやすいんです。

—— 編集部:不調を招きやすいということは、つまり免疫力が低いということでしょうか。

—— 三 城:そうです。身体が冷えている人というのは、「寝ていない」、「食べていない」、「運動していない」という人が多いんですね。免疫力が低いと、疲れやすい、イライラしやすい、病気になりやすい、病気が治りにくいといったさまざまな問題を引き起こしますので、食事の内容を改善するのはもちろんですが、生活環境全般を意識的に整えていくことが大切なんです。

—— 編集部:なるほど。バランスの取れた食事を意識しながら、しっかり運動もして、きっちり休む、ということが大事なんですね。食事の面では、毎回きのこを取り入れるといいというアドバイスを前回いただきましたが、“秋バテ”の解消につながるようなきのこの栄養素というと、具体的にはどういったものが含まれているのでしょうか?

—— 三 城:“秋バテ”の解消には、ブナシメジなどのきのこ類に多く含まれるオルニチンが効果的ですよ! オルニチンには成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。成長ホルモンのもつ代謝をアップさせる効果によって体内のさまざまな器官が活発に働くようになり、身体を総体的に元気にしてくれるんです。

—— 編集部:成長ホルモンは睡眠中に分泌されるという話を聞いたことがあります。

—— 三 城:そうなんです! 細胞を生成するためには睡眠が欠かせないとお話ししましたが、オルニチンの摂取に加えしっかり睡眠をとることで、成長ホルモンの分泌もより促すことができるようになるんですよ。

—— 編集部:健康な身体づくりに、睡眠は欠かせない要素だということがよく分かりました。オルニチンの他にも、“秋バテ”に効果的な栄養素はありますか?

—— 三 城:ダイレクトに“疲労回復”という意味では、ビタミンB1が効果的です。疲れの原因といわれている乳酸が身体にたまるのを防いでくれるんですね。ビタミンB1は豚肉に多く含まれている栄養素ですが、霜降りひらたけやエリンギ、ブナピーといったきのこ類にも多く含まれているんですよ。
—— 編集部:確か、ビタミンB1には代謝を促す働きもありましたよね?

—— 三 城:はい。炭水化物を燃やしてエネルギーに変える時に必要な栄養素がビタミンB1です。この栄養素が慢性的に不足すると、うまくエネルギーが生み出せなくなるため、疲労感やだるさ、イライラ、運動機能の低下といった症状を引き起こします。

—— 編集部:へえ! “炭水化物の代謝促進”という面からも、ビタミンB1は疲れにくい身体づくりに効果があるんですね!

 

三度の食事にきのこを取り入れれば、いつもの食事がパワーアップ!

マイタケ

—— 編集部:オルニチン・ビタミンB1の他にも、 “秋バテ”に効果的な栄養素はありますか?

—— 三 城:きのこはビタミンB群が豊富に含まれている食材なのですが、ビタミンB1の他にも、「美容ビタミン」と呼ばれるビタミンB2がたっぷり含まれています。

—— 編集部:「美容のビタミン」ですか?

—— 三 城:はい。ビタミンB2は肌や髪、爪などの細胞の再生に働きかけてくれるので、ダメージを受けた細胞の回復にはぴったりの栄養素といえるでしょう。また、胃腸などの粘膜を健康に保つ役割もあるので、夏の胃腸疲れを癒すという意味でも、積極的に摂取しておきたい栄養素といえますね。

—— 編集部:肌だけでなく、髪を作るのもこのビタミンなんですね!

—— 三 城:髪を伸ばしたり、生やすにはビタミンB2が必要だといわれていますので、美髪になりたいという方にぴったり。紫外線でダメージを受けた髪の毛の再生にも効果がありますよ。この他にも、ビタミンB2には、脂質やたんぱく質をエネルギーに変える働きもあるんですよ!

—— 編集部:嬉しい効果がたくさんありますね、先生、オルニチンやビタミンB1、ビタミンB2の効果的な摂取方法を教えてください。

—— 三 城:オルニチンが分泌を促す成長ホルモンは血糖値が高いと分泌を阻害されてしまうので、夕食後できるだけ時間を空けて寝るようにしてください。ビタミンB1とB2は、どちらも水に溶け出す性質を持つ「水溶性ビタミン」なので、汁ものなどに入れると、効率よく摂取することができますよ。せっかくの栄養素が逃げてしまうので、茹でるよりも蒸して食べるのがおすすめです。

—— 編集部:なるほど。他にも何かポイントはありますか?

—— 三 城:はい。水溶性ビタミンという性質上、汗などで失われやすいという面を持ち合わせているほか、余分に摂取しても身体の中に貯めておくことができないので、一度にたくさんの量を摂るよりも、少しずつでも毎食摂取することが大切です。三度の食事でバランスよくビタミンB群が取り入れられるといいですよね。栄養素の底上げ部隊としてきのこを活用するといいでしょう。

—— 編集部:たとえば、メイン料理にきのこを添えるというのはどうでしょうか?

—— 三 城:いいアイディアですね! 付け合わせとしてきのこを添えるのももちろんいいですが、肉や魚のソースにきのこを使うと、旨みがしみ出しておいしさがぐっと増しますよ。

 

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【次週は 美肌ケアもダイエットも熱中症対策も! カギを握るのは新陳代謝をお届けします。】