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きのこ面白情報

かわいいきのこグッズや、不思議で楽しいきのこカルチャーをご紹介!

【きのこ面白情報】とよ田キノ子さんコラムVol.21

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菌運招く春財布

こんにちは。
とよ田キノ子です。

「春財布」ってご存知ですか?
春に買うお財布のことですが、「春」と「張る(=ふくらむ)」をかけて、
“財布がふくらむほどお金がたくさん入る”ということで、金運を呼ぶとされています。
春は旧暦を指す場合もありますが、現在では新暦(1月から4月初頭)が一般的だとか。

と、きのこと関係ない話をしているように思えますが、
いえいえ、お金ときのこ、関係があるのです。
中国では乾燥させた食材(日本でいう乾物)を「乾貨(ガンファ)」といいますが、
その保存性と価値から貨幣の代わりとして使われていました。
かつては中国との貿易の際に、干し椎茸をお金の代わりにしていたこともあるとか。
当時はそれほど貴重なものだったのですね。

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また、きのこがデザインされた通貨もあります。
コスタリカ共和国の50,000コスタリカ・コロン札と10,000コスタリカ・コロン札です。
それぞれ、イグチの仲間とチャワンタケの仲間がデザインされています。
きのこの他には動植物や蝶などもデザインされ、とても美しい紙幣です。

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コインでは、ラトビア共和国の1ラッツ硬貨があります。
2001年以後、年に1~2度限定版の1ラッツ硬貨が発行されており、
その中のひとつとして、2004年にヤマドリタケがデザインされた硬貨が発行されました。
この限定硬貨シリーズはかわいらしいデザインで人気が高く、コレクターも多いとか。
うーん、きのこがデザインされた貨幣が使えるなんて、うらやましいです。

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きのこのデザインのお金があるなら、それを入れたいのがお財布。
ということで、お話を財布に戻しますと、
調度良いタイミングで素敵なお財布に出会ったので、縁起を担いで春財布を買ってみました。
文庫革のがま口財布と長財布、絵柄はもちろん、きのこです。
文庫革とは、白くなめした革に型を押し、彩色を施した後、
漆を表面に塗る「錆入れ(さびいれ)」をした伝統工芸の革製品です。
現在でも職人がひとつひとつ丁寧に手作業で作り続けているので、全てが1点物だそう。
日本では古来から大切な物を箱に入れて保管するという習慣がありますが、
文庫革も、その貴重品を入れておく箱(文庫箱)の装飾技法のひとつです。
伝統的な技法で作られた繊細なきのこ柄は、見ていて飽きることがありません。
デザインされているきのこも、キヌガサタケ、アミガサタケ、テングタケやカラカサタケ…
きのこ好きを満足させるに充分な種類が登場するのも、うれしいポイント。
今はまだピカピカですが、自分の手に馴染むよう育てていくのも革製品の楽しみですね。
このきのこたち、いい味に育ってくれるかな。

2013年は巳年ですが、十二支での巳は“撒いた種が実を結ぶ”年とも言われています。
(蛇自体もお金と縁のある生き物ですね。)
これまでの活動で撒いた胞子が、今年はきのことなって現れてくれるのかも?と期待しつつ
このきのこの春財布が金運だけでなく、“菌運”も呼び込んでくれといいな…
というのは欲張りでしょうか(笑。

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とよ田キノ子
アートディレクター、グラフィック&ウェブデザイナー、きのこグッズコレクター。
2007年に“キノコ病”を発症し、以後「とよ田キノ子」名義で活動を開始。
キノコグッズコレクションの展示や、キノコをモチーフにしたイラスト作品展、
キノコイベント等を開催。
2011年9月、グラフィック社より出版された『きのこ(乙女の玉手箱シリーズ)』を監修。
日々、キノコの魅力を伝える“胞子活動”を行っています。
信州きのこの会会員。

とよ田キノ子さんウェブサイトはコチラ

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