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きのこで菌活。

忘年会の前に知っておきたい!きのこで賢くお酒対策

菌活1

いよいよ今年1年間を締めくくる、12月がやってきました。忘年会やクリスマスなどイベントが多く、お酒を飲む機会が多いシーズン。お酒は「百薬の長」とも言いますが、飲み過ぎは想像以上に体に悪影響を及ぼします。今週のトレンドコラムでは、自分の心と身体の調子を見つめ直し、整える「瞑想」について特集していますが、「きのこで菌活。」コラムでは、管理栄養士として活躍している渥美真由美さんに、食事でできるアルコール対策についておうかがいしました。事前に意識して備えておけば、お酒の席をもっと楽しめるはずです!

 

—————— 教えてくれたひと ——————

管理栄養士/フードコーディネーター/健康運動指導士 渥美真由美<

渥美真由美 (管理栄養士/フードコーディネーター/健康運動指導士)

株式会社Smile meal 代表取締役。管理栄養士、フードコーディネーター、健康運動指導士。企業向け、地域向け健康寿命の延伸につながる活動やセミナー講師など担当。TV、雑誌、イベント出演、出版やレシピ開発なども行う。著書に『医者いらずの食材使いこなしレシピ』(辰巳出版)など多数。【ブログはこちら】

 

意外と知らない、二日酔いの仕組みとは?

—— 編集部:12月はお酒を飲む機会が増えますよね。つい飲み過ぎて二日酔いになってしまうことがありますが、あの症状はどうして起こるんですか?

—— 渥 美:理由はいくつかありますが、一番は肝臓でのアルコールの解毒・分解が追いつかないことにあります。アルコールは肝臓で解毒・分解されて、最終的には二酸化炭素と水になります。でも、お酒を飲み過ぎると最後まで分解しきれずに、中間代謝物質であり有毒物質のアセトアルデヒドが翌朝まで体内に残ってしまうんです。このアセトアルデヒドに血管拡張作用があり、頭痛などの炎症を引き起こすと言われていますね。

—— 編集部:じゃあ、アセトアルデヒドを分解しきることができれば、二日酔いの症状は収まるのでしょうか?

—— 渥 美:それが、そうとも言えないんですよ。二日酔いの別の理由として、アルコールの利尿作用による脱水症状が原因になることもあるんです。だから、アルコールを飲むときには同量の水を飲むのをおすすめします。でも、そのことを知っていても水を飲まない人が多いんですよね……。

—— 編集部:よく聞く「チェイサー」というやつですね。お酒による脱水症状を知らない人が多いかもしれません。お酒の席を楽しむためにも、水分を適度に摂ることは大切なんですね。

—— 渥 美:二日酔いには、さらに原因があるんです。それは低血糖です。お酒を飲むと、肝臓はアルコールの分解を優先します。すると、糖の分解はあとまわしにされて、血糖値が下がりやすくなってしまうんです。翌朝、頭がぼーっとするのはこのせいですね。

—— 編集部:ひとくちに二日酔いといっても、意外と原因が多いものなんですね。ちなみに、慢性的にお酒を飲み過ぎるのは、やっぱり身体によくないんですか?

—— 渥 美:もちろん!肝臓を休みなく働かせることになりますから、肝機能がどんどん低下していきます。それがいろいろな病気の引き金になりますが、特に肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるほど、自覚症状が出づらいんです。だから、症状が表面化したときにはもう手遅れ……なんてことになりかねないんです。

—— 編集部:お酒って意外と怖いですね。一度、自分のお酒との付き合い方も考えてみたいです。

—— 渥 美:そうですね、お酒はやっぱり、適量を楽しむのがいちばんです。翌朝残らないくらいがその人の適量です。自分がどれくらい飲んだのかを意識して、適度に水分を摂りながら飲むと、お酒と上手に付き合えるようになりますよ。

 

きのこのオルニチンが忙しい肝臓の働きをサポート!

ブナシメジ
—— 編集部:よく「お酒にはオルニチンがいい」と聞きますが、オルニチンはどんな働きをするのですか? サプリメントなどで摂っておけば大丈夫なのではありませんか?

—— 渥 美:オルニチンは肝臓の働きを助けてくれるアミノ酸です。肝臓の代謝や解毒作用をサポートするので、お酒を飲むときには特に効果的だと思いますよ。ただ、サプリメントよりもやはり食事から摂ったほうがいいですね。

—— 編集部:サプリメントには効果がないんですか?

—— 渥 美:そういうわけではありませんが、大切なのはバランスで、オルニチンだけを摂っていても、うまく働いてくれないんです。食べ物にはいろいろな栄養素が含まれていますから、それらが複合的に働いて、より効果を得られやすいということです。

—— 編集部:なるほど。じゃあ、オルニチンが豊富に含まれているきのこを使ったメニューならバッチリですね。

—— 渥 美:そうですね。ブナシメジやブナピーには、オルニチンが100gあたり100mg以上含まれています。同じくオルニチン含有量が高いしじみの5〜7倍の量になります。ほかのおつまみと比べてもビタミンや食物繊維が豊富ですから、お酒のおともには理想的ですね。おすすめはきのこのマリネ。作り置きしてお酒のアテにすると便利ですよ。

—— 編集部:また、一方で二日酔いの朝には、胃に優しいスープがほしくなりますよね。

—— 渥 美:それなら、きのこスープがおすすめです! 特に里芋やブロッコリーなどを入れるとより良いですね。オルニチンもたっぷりですし、胃腸の調子を整える働きがある里芋のねばり成分や、ビタミンの豊富なブロッコリーなどと組み合わせて、相乗効果でアルコールケアをばっちりにしましょう。それに、しっかり噛むことは、胃腸の動きを活性化させて身体全体の代謝を高めることにもつながりますからね。

—— 編集部:ほかに、食べ合わせでポイントになることはありますか?

—— 渥 美:しいて言えば、タンパク質を摂ることですね。きのこのオルニチンは肝臓の働きを助けるほかに疲労回復にも効果がありますから、身体をつくる元になるタンパク質をしっかり摂れば、鬼に金棒だと思いますよ。

 

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