2月の特集テーマ
カカオとバレンタインチョコレートの話。

大切な人に伝えたい、あたたかい気持ちと美味しいチョコレートの話

2018.02.01

2月になりバレンタインの季節になりました。バレンタインチョコレートの市場規模は年々拡大しており、5年間で約2倍近くに増加したというデータもあるのだそうです。また、今年は「健康志向」をキーワードに、健康効果のあるカカオをたっぷり使った商品にも人気が集まっています。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、食事から免疫力を高めて花粉症を予防する方法についてご紹介していますが、「トレンドコラム」では、バレンタインに大切な人にも伝えたくなるような、地球の反対側・コロンビアで作られる、とっておきのチョコレートの話をお届けします。

2月になりバレンタインの季節になりました。バレンタインチョコレートの市場規模は年々拡大しており、5年間で約2倍近くに増加したというデータもあるのだそうです。また、今年は「健康志向」をキーワードに、健康効果のあるカカオをたっぷり使った商品にも人気が集まっています。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、食事から免疫力を高めて花粉症を予防する方法についてご紹介していますが、「トレンドコラム」では、バレンタインに大切な人にも伝えたくなるような、地球の反対側・コロンビアで作られる、とっておきのチョコレートの話をお届けします。

教えてくれたひと
小方 真弓(Ogata Mayumi)
カカオ・チョコレートの世界で21年。2010年より南米コロンビアに活動拠点を移す。カカオの発掘、カカオ豆品質向上、生産指導、生産農家の発展などに勤め、カカオ市場の価値向上に取り組む。

チョコレートの遠く離れた2つの世界をつなぐ

世界には、「“チョコレート”を知らずに“カカオ”を栽培している人」と「“カカオ”を知らずに“チョコレート”を口にしている人」がたくさんいます。世界のカカオ豆の生産量は470万トン(2016/2017推定)。その中でFine & Aromatic カカオとして流通しているものは2,000トン程。おいしいチョコレートになるポテンシャルの高い素晴らしいカカオは、まだまだ世界に眠っていると小方さんは話します。各々のカカオの個性を見極め、ポテンシャルを引き出し、生産者とチョコレート消費者の遠く離れた2つの世界をつなぐのが、カカオハンター小方さんのミッションです。

「カカオは、チョコレートを作りあげる「素材」の1つ。その素材の“個性”が、チョコレートの香りや味に大きく影響してきます。愛情を込め、しっかりと育てれば健康なカカオに育ちますし、更に手間をかけ、ていねいにカカオ豆を作り上げれば、チョコレートはそれに答えてくれます」

カカオハンターとして精力的に活動されている小方さんの活動拠点はいまコロンビアにあります。カカオの開発・輸出を手がける会社カカオ・デ・コロンビアS.A.Sに、2010年から技術者として参加されながら、フリーランスでも企業からの依頼等でカカオの生産現場の調査や、各種のセミナーなどの活動をしています。小方さんがコロンビアで作ったチョコレートは、現在開催中の日本のショコライベントなどでも販売されているので、CACAO HUNTERS のパッケージを目にされたことがある方もいらっしゃるのではありませんか。

「カカオが育つのは、チョコレートがとけてしまう熱帯の気候。南北経済の長い歴史の中で生まれた、経済的に決して豊かとは言えない地域も多く含まれます。そこには、カカオのことを知りたくても、勉強したくても、その機会すら与えられずにカカオを育てている人がたくさんいます。だからこそ、カカオハンターの仕事は、その地で眠っているカカオの可能性を見つけ出し、それを生産者とともにチョコレートの世界まで届けること。チョコレートという嗜好品をカカオの世界から見つめ、ともに作り上げることで、見えてくる新たな世界がそこにはあるのです」

つまり、カカオハンターの仕事は、まだ知らないチョコレートの世界に、新たな香味の発見とその裏側の背景を重ねて、市場に届けることなのです。

 

カカオの魅力を伝えることで、チョコレートの魅力がより深く伝わる

私が1年のうち日本にいるのは約3ヵ月。帰国の間には、50本ほどセミナーやイベントなどに参加し、カカオの魅力、生産の状況やどのようなカカオがこの商品になったのか、などについて実際のチョコレートのテイスティングを交えながらお話しています。お話をさせていただくと、チョコレートの中の香りの見つけ方だけでなく、その背景を知ることで口にするときの思いや感動も違ってくると、おっしゃる方もいらっしゃいます。そういう発見はたとえそれが小さくても、新しく知り得た知識として誰かとシェアすることで、より美味しく感じたり、愛おしく感じたり、その美味しさが持つ意味が変わっていきますよね。

チョコレートは、15以上もの製造工程を経て作られる食べ物。かつてチョコレートは、いかに安定していて同じ味わいのものを作ることができるかに注力されていました。個々のカカオの種別に由来する味わいや香り、つまりカカオそのものの質「個性」に興味が向けられるようになったのは、最近のこと。90年代後半からみられるようになったムーブメントで、本格化したのは2,000年の中期くらいからだといいます。

「チョコレートの味わいにいちばん影響するのは品種と考えています。やはり、遺伝子が香味の輪郭をつくり出していることは否めないと思うのです。ただ、カカオは自然交配も多く、個体差があり、いわゆる血統から香りや味の個性を正確にイメージするのは難しい。だから実際にチョコレートに加工する生のカカオの種の部分をかじって、その品種の香りを知り、これをどう引き立てようかと考えるのです。そうして出合った『これは!』と思うカカオがあって、はじめて製造技術の真価が問われると思うんですよ」

収入に、生活に、カカオ栽培を続けることに、悩み、迷っている生産者は多く、そんな人たちを経済的にサポートするためにも、生産量と品質を上げるための技術指導は小方さんの大切な仕事。そして、その前段階として、産地の方々によりよいカカオの仕事をする意義と理解を求めることを大切にしています。

 

高品質のカカオを世界へ! 消費者の元へ!

こうして長い時間をかけて、小方さんが行ったのは、生産者と消費者、生産者とシェフなどのプロユーザーの点と点をつないで行くような仕事だったといいます。

「2011年ころから高品質のカカオをヨーロッパのシェフたちに紹介して歩きました。しかし、なかなか理解していただくのに時間がかかることがわかりました。そこで、チョコレートを自分で作って、プレゼンテーションすることにしたんです。これによって状況は一転。美味しいものをおいしいとわかりやすくなり、個性のあるカカオがダイレクト評価されるようになりました

最近のバレンタインフェアでも、産地やカカオにこだわった個性のあるチョコレートは一つのブームとして、紹介されていますよね。

「カカオの品種の違い、産地ごとの技術や製法の違い、さらに産地の経済環境や文化の違い……チョコレートの背景にはいろいろなものが隠れています。現状、チョコレートの世界は、カカオ市場ではなく、チョコレート市場中心で動いています。チョコレートのプレゼンテーションばかりに目が行き、その背景がどうしても見えにくくなってしまう。カカオの話をとび越えて、チョコレート市場でのモードが話題になるわけです。それがもったいないと思うんですよ。根っこを知ればもっと奥行のある世界が見つかりますし、そうなればシェフの皆さんのクリエーションだって、さらに広がる可能性がありますからね」

まもなく、バレンタインデー。さまざまなチョコレートを目にする時期だからこそ、そのチョコレートが作られた背景を知ることで、もっともっとチョコレートに興味が湧いてきます。

「私がチョコレートをつくるのは“カカオ”を知ってほしいからなんです。品種の違いでこんなにも変わるのか、発酵の違いで香りがこんなに色付くのかと。何よりも表現したいのは香り。苦いとか甘いとか、味の印象が先行しがちですけど、私が伝えたいのは味だけではなく、カカオから引き出されるチョコレートの香りなんです。カカオ分70%のチョコレートは、苦いとか色が濃いとか思われがちですが、品種によっては甘いニュアンスが出たり、赤茶のような色味になったりします。数字は、香りも、味も、色も語りません。数字のイメージにとらわれずに、素直に品種の個性を楽しんでほしいですね」

今年のバレンタインは、大切な人とチョコレートやカカオの話をしながら、過ごしませんか。健康にもよいチョコレートのプレゼントは愛のしるし。美味しいチョコレートで、きっと心にも身体にも幸せが届くことでしょう。

【次回は、チョコレートの意外なマッチングや、楽しみ方についてご紹介いたします】

【今週更新!きのこで菌活。】

美味しいチョコレートは、心も身体も元気にしてくれますよね。それは、きのこも同じです。この季節に悩みの種となるのが花粉症や肌荒れに、美味しいきのこが役に立ちます。

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

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