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Do My Best, GO! 〜アスリートインタビュー

プロアスリートを支える食事に迫る。第68回スノーボード・深田 茉莉選手インタビュー

2026.07.01
プロアスリートを支える食事に迫る。第68回スノーボード・深田 茉莉選手インタビュー

アスリートへのインタビューを通し、明日への一歩を応援する「Do My Best, Go!」。5月から2回に渡り、今年の冬、日本中に感動を届けてくれたミラノ・コルティナ冬季オリンピックで活躍された選手にお話をお伺いしていますが、3回目となる今回は、スノーボードのビッグエアとスロープスタイルで出場され、スロープスタイルで金メダルを獲得した深田茉莉選手のインタビューをお届けします。第一線で活躍するまでの道のりや、その土台となる食への意識、今後への思いなどをお聞きしました。

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はじめに、スノーボードを始めたきっかけを教えてください。

スノーボード自体は家族が好きだったので小学校1年の頃からやっていました。土日に滑りに行って、ファミリーで楽しむという感じでした。

本格的にスノーボードに取り組むようになったのはいつ頃だったのでしょうか。

13歳の時に、今も指導していただいている佐藤(康弘)コーチや、先輩である岩渕麗楽選手と出会いました。世界で戦う人を見てかっこいいなと感じましたし、佐藤コーチに習ってからはすごく技術も上がったので「このコーチについていったら上を目指せるのではないか」と思いました。そこから佐藤コーチのいる埼玉に愛知から通うようになりました。

最初は毎週末でしたが、段々と、学校に2週間くらい行ったら埼玉で2週間くらい練習に打ち込むというスノーボード中心の生活になっていき、高校生からは、大学に通うことになった兄と埼玉で2人暮らしを始めて、今も一緒に住んでいます。

練習のために埼玉に通うなかで、学生という立場と競技をどう両立させていましたか?

中学校のときは、勉強もついていけないし、友達もなかなか作れなくて大変でした。高校生では通信制に通うことにしたのでスノーボードに集中できるようになりました。毎日練習してスキルを上げていかないと、レベルアップが難しいので、その選択がよかったのかなと思っています。

高校1年でワールドカップにデビューし、ビッグエアで優勝。またスロープスタイルではコンチネンタルカップで優勝と、急速に成長した印象があります。何が要因だったのでしょうか。

佐藤コーチからの影響や教えが大きかったと思います。努力家であり、人のために尽くせる方なので、ダメなときはしっかり叱ってくれて、親子のように接してくれるコーチだったことが私にとって大きなことでした。

あとは練習量の部分でも恵まれていたと思います。中国に行ってトレーニングをすることができたり、いつもお世話になっている練習施設も営業時間外から滑れるようにしてくれたり、たくさんの人が場所や時間を用意してくださって本当に助けていただきました。

どんどんと結果を出すなかでご自身の意識に変化はありましたか?

オリンピックは小さい頃から目標にしていましたが、まだぼんやりとしたイメージでした。でも初めてワールドカップに出場して優勝できたとき、自分でも戦えると感じて、そこからは現実的な目標としてオリンピックに出てメダルを取りたいと考えるようになりました。

そのワールドカップデビューの前シーズンには北京オリンピックがありました。北京で活躍していた選手からはどのような影響を受けましたか?

そうですね。やっぱり1位を取った選手はかっこいいなと思いましたし、見ている人に与える影響力っていうのはすごいだろうなと思いました。岩渕選手は4位でしたが、五輪という大舞台で世界初の技にトライした結果でしたし、スノーボードだけではありませんが、競技後に選手同士がお互いを称え合ってハグするような光景はスポーツじゃないと起こらない感動なのかなと思うので、自分もそんな風にリスペクトされる選手になりたいと憧れを覚えました。

2023-2024シーズンの後半は苦しいときもあったと聞いています。振り返ってみてどんな時期だったのでしょうか。

練習を積み重ねてきた自信はあったのに結果につながらないことが辛かったですね。一時期は大会には出ずに、中国でずっと練習していましたが、それだと自分がどれだけ成長しているのかを見失ってしまって、それも辛かった。練習に身が入っていないと佐藤コーチに指摘されたこともありました。これまでの人生の中で一番辛かった時間でしたね。そんなときでも中国の方たちにはとても温かくサポートしていただいたので本当に感謝しています。

その辛い時期をどのように脱したのでしょうか。

中国でのトレーニングを終えた後に出た大会では予選落ちになって、「今までの練習はなんだったのかな」とすごく落ち込みそうになりましたが、あきらめずにもう一度ハードな練習をして次の大会では久しぶりに優勝できました。きっかけがあって状況が変わったわけではなくて、練習を信じてやめなかったことが大切だったのだと思っています。

辛い時期も財産にしつつ、ミラノ・コルティナオリンピックの代表に決まりました。当時の気持ちを教えてください。

目標を聞かれたときには「メダルを獲ります」と答えていましたが、出場しないことには何も始まらないと思っていました。だから、出場が決まったときは素直に嬉しかったですし、自分よりも周りの人が喜んでくれたので本当によかったなと思いました。

大会が始まり、まずビッグエアがありました。9位という結果でしたが、終わったときはどのような心境でしたか?

出場している選手たちが他の大会でもよく一緒になるメンバーで、ジャンプ台や試合環境も普段の試合と似た光景だったので、どこか普段の試合と同じような感覚になっていました。でも、日本から家族全員が見に来てくれていて、競技が終わって親の顔を見たときに「9位で終わっちゃったんだ、終わるときは一瞬なんだな」と思って悲しくなりました。

続くスロープスタイルを迎えるにあたって、どう気持ちを整えていったのですか?

ビッグエアでなぜ失敗したのかをコーチと話し合ったとき、自分がすごく緊張していたことに気がつきました。試合前日から何回も動画を見たことで逆に緊張してしまっていたみたいでした。だからスロープのときはぎりぎりまで練習していました。自分だけじゃ頑張れなかったかもしれませんが、中国のスー・イーミン選手たちと最後の最後まで一緒だったので頑張ることが出来ました。

そしてスロープスタイルでは金メダルを獲得しました。

自分でも「私が金メダルなんだ」って思っちゃいました。今まで親が泣いている姿を見ることはなかったですが、金メダルを獲ったときに泣いている姿を見て、頑張ってきてよかったな、みんなの思いを背負って滑り切れてよかったと改めて実感しました。

「みんなのため」という思いが強かったのですね。

大会で結果を出すことは、もちろん自分のためでもありますが、応援してくれる方々に喜んでほしいという思いがあります。でも、私のことで喜んでいる姿を見ると自分も嬉しくなるので、どちらかというと自分のためかもしれませんね。

今回、スノーボード日本代表は各種目の男女を通じて今までのオリンピックで最高の結果を残しました。スノーボード全体の日本の強さはどこにあると思いますか?

日本代表だけではなく、日本人選手全体のレベルがとても高くて、みんなすごく努力して、練習時間も長いです。海外で練習していても最後まで残っているのは日本人みたいな感じです。そうした環境なので尊敬できる先輩や努力を続けている人が周囲にたくさんいるから自然と一人一人の実力も勝手に上がっていくし、練習施設も素晴らしいので環境面でも恵まれています。ここまでの環境を作ってきた先輩たちのおかげでもあると思います。

ここからは食事についてお聞かせください。アスリートとして歩む中で、食生活において心がけていることはありますか?

私が埼玉の方で練習を始めるようになって、最初の頃は兄が料理を作ってくれていたのですが、鶏肉とか入れてくれたり、パワーをつけるためのご飯というのを考えてくれていたのかなと思います。

海外遠征の機会も多いと思いますが、日本と食事の環境もかなり異なるのではないでしょうか。工夫していたことはありますか?

泊まる場所によって食事は変わりますが、ホテルに滞在するときはホテルで食事をすることが多いです。みんなでコンドミニアムを借りるときは、分担で料理を作っています。日本から調味料や食材を持っていって、日本食を食べられるようにしていました。私が作ることもありますけど、先輩の(岩渕)麗楽ちゃんが料理はすごい上手なので、岩渕選手に作ってもらうことの方が少し多いかなと思います。

きのこは栄養価が高く、低カロリーな食材として注目されていますが、日々の食事できのこを食べることはありますか?

はい。週に2、3回ぐらいは食べていると思います。料理を作るとなったら、自然ときのこが入っている料理を作っている感じですね。
また、きのこは低カロリーで栄養があり、健康的な食材というイメージがあります。種類が多く、それぞれ違った食感や風味を楽しめるところも魅力だと思います。

どのようなきのこ料理を食べることが多いのでしょうか?

きのこの中でも、舞茸は味がしっかりしていて特に好きなのですが、舞茸は炊き込みご飯で食べることが多いです。また、えのきは鮭のホイル焼きで、しいたけはお吸い物などにして、親がよく作って出してくれますね。

では、スノーボードに頑張って取り組んでいる子どもたちへのアドバイスをお願いします。

これは佐藤コーチから学んだことになりますが、感謝することはとても大切で、親やコーチだけではなく、私たちが日々練習できるのも、その環境を用意してくれるスタッフの方たち一人一人のおかげでもあるので、しっかり感謝しながら競技に取り組むことで選手としても人間としても成長していけると思います。

最後に、ジュニアアスリートに向けて食事面でのアドバイスをお願いします。

食事でストレスはかからないほうがいいと思うので、制限しすぎるのはよくないと思います。あと、好き嫌いなく食べることはアスリートだけでなく大事なことなので、苦手なものも料理の仕方を工夫するなどで挑戦してみてほしいなと思います。

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コメント

日頃の食生活では栄養も考えながら、身体のエネルギーになるものを選んで食べています。また、きのこは低カロリーで栄養があり、健康的なイメージ。このメニューはきのこやお肉、キャベツなど、冷蔵庫にある材料で作れるうえ、練習後の疲れた体に必要なエネルギーやビタミンB群も摂れるので、自分にぴったりの料理だと思います。

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profile

深田 茉莉

(ふかだ まり)

2007年1月1日生まれ、愛知県みよし市出身。
小学1年生のとき、スノーボードを始める。13歳から埼玉県熊谷市に通うようになり競技として本格的に取り組む。高校1年生でワールドカップに出場し、アメリカでの大会でビッグエア優勝。以降、ワールドカップや世界選手権で活躍。2026年ミラノ・オリンピックに出場、ビッグエア9位、スロープスタイル金メダル。この金メダルは日本女子最年少での獲得であった。