代謝アップで寒い日々に負けない身体作り

教えてくれたひと
中村愛香(管理栄養士・スポーツフードアドバイザー)

2011年にホクト(株)入社。『きのこを通して健康や笑顔をお届けすること』をテーマに幼児、小学生、主婦、高齢者等、様々な世代に食育活動を展開。現在、空手の日本代表選手である岩本衣美里選手への食事のアドバイスをはじめ、スポーツ栄養セミナーも実施している。

代謝は、食べたものを筋肉やエネルギーに変換する様々な変化のことで、変化の際に生じる熱が、私たちの体温になっています。つまり、代謝がきちんと行われると、身体がぽかぽか温かくなります。

――体温と免疫力はどんな関係があるのでしょうか?

体温を１℃上げることで免疫力が30％上がるとも言われていて、体温と免疫力は深く関係しています。低体温になると血流が悪くなり、血液中の白血球などの動きが弱くなってしまい、免疫力が低下します。日頃から体温を上げておくことで、免疫力を高めることができます。

――なるほど、体温をあげると血流が良くなるのですね。

はい。血流が良くなると、免疫機能を持つ白血球が血液を通して体中を異物がないかのパトロールが円滑になります。きのこには血流を促進するナイアシンや三大栄養素を代謝して熱をつくりだすビタミンB群も含まれているので、やはり免疫力を高めてくれる優秀な食材なのです。免疫細胞の素となるたんぱく質も一緒に摂るとより効果的なので、きのことお肉と一緒に炒めたりすると、さらに免疫力アップに効果的ですよ。

――冬本番、一層寒さが厳しくなるこの時期。ウイルスだけでなく、乾燥が気になる人も多いと思います。

実は肌はりっぱな臓器の1つで、肌にも免疫力があります。肌は常に外気にさらされていて、ウイルスや細菌などの侵入をブロックする役目も果たしているので、肌が整うことは体全体を見ても大切なことです。
――肌にも免疫力があるとは知りませんでした。

この大切な、肌の免疫力を高めるには、ビタミンB群を積極的に摂ることをおすすめします。ビタミンB群は代謝に深く関わっているビタミンで、肌をつくるタンパク質や脂質の代謝を促し、皮膚と粘膜の健康を保ちます。きのこにはこのビタミンB群もたくさん含まれているので、冬の乾燥に負けないためにも必須と言えます。もちろん、全身の免疫を高めることも、肌免疫アップにつながります。

――どんな食材と組み合わせたらよいでしょう?

前にもお伝えしましたが、体温を上げることも大切ですので、身体を温める働きがあるゴボウやレンコンなどの根菜類がおすすめです。また、体温上昇に効果的なショウガオールが豊富なしょうが、血行促進に効果的なアリシンが豊富なねぎなどと組み合わせるのも良いですね。肌を作る素となる鶏肉などのタンパク質と一緒に摂ることも大切です。
また、できるだけ冷たいものより温かい食べ物を食べることで胃腸が温まり、身体を内側から温めることができます。

――乾燥が気になるこの季節こそ、腸内環境を整えて身体の内側からの免疫力をアップさせる食物繊維や、肌を整えるビタミンB群が豊富に含まれているきのこですね!

そうですね！ そこでおすすめなのが「鶏むね肉の甘酢炒め」です。きのこの食物繊維・ビタミンB群×鶏肉のタンパク質で、代謝アップ、免疫力アップ、美肌づくりが期待できます。
また、マイタケの酵素がパサつきがちなむね肉を柔らかく仕上げてくれる一品です。