連休明けに要注意!「五月病」の原因と食事でできる予防のヒント
2026.05.01
窓から入る風が心地よい季節になりましたね。5月は大型連休があったり、気候が安定し過ごしやすくなったりと何かとアクティブになる時期ですが、一方で、連休明けには「やる気が出ない」「集中できない」「なんとなく疲れが抜けない」といった心身の不調を感じる方が多くなります。このような不調は一般的に「五月病」と呼ばれており、生活習慣の中で早めに対策していくことが大切です。
そこで今回は、身体が重だるく感じる「五月病」の原因や、不調を予防する食事のポイントをご紹介します。日々のちょっとした工夫で、爽やかな気候が続く5月を元気に楽しんでいきましょう。
INDEX
「五月病」の原因とは?
やる気が出ない、なんとなく憂鬱、疲れが抜けないといったこの時期の不調は、「五月病」とも呼ばれ、新生活による環境の変化によって知らず知らずのうちに溜まっていた疲労が、少し慣れて落ち着いてくる5月のタイミングで表面化することで起こるといわれています。
このような不調の原因の一つが「中枢疲労(ちゅうすうひろう)」です。中枢疲労とは筋肉でなく、脳や神経が疲れてしまう状態のことを指します。
現代社会では、精神的なストレスの増加や、日常的なスマートフォン、タブレット、PCの長時間使用により常に情報を浴び続けることで脳が疲弊しやすく、中枢疲労が増幅する傾向にあるといわれています。
中枢疲労は自律神経を乱す大きな要因の一つとなり、「だるさ」などの症状となって表れます。特に4月は、日常的な中枢疲労に加えて環境変化という大きなストレスが加わるタイミング。5月はその慢性的な疲労が表面化することに加えて、5月特有の気温・気圧の変化により自律神経への負担も大きくなり、結果として自律神経が疲弊し、「五月病」として集中力や意欲の低下、だるさなどの不調が表面化します。
また、この時期は実際に医療機関でも「検査結果に異常はないが、疲れが抜けない」という相談が増える傾向にあるといわれています。
中枢疲労の解消に役立つ食事のポイント
脳や神経の働きを支え、中枢疲労の解消にも役立つのが「神経伝達物質」です。神経伝達物質とは、脳の中で情報をやり取りするための物質で、気分や睡眠、意欲などに深く関わっています。
興奮を高める物質もあれば、それを抑える物質もあり、これらの2つのバランスによって心身の状態が保たれています。
その中でも、近年注目を集めている「GABA」は、脳の興奮を抑える働きを持つ重要な神経伝達物質の一つです。ストレスがかかると脳は興奮しやすくなり、不安やイライラが起こりやすくなりますが、GABAは自律神経に働きかけてその興奮を落ち着かせ、リラックス状態を促す役割を担っています。
人を対象にした研究でも、GABAの摂取によってストレスの軽減や睡眠の質の改善が報告されるなど、今注目されている成分の一つです。
そんなGABAが豊富に含まれる食材といえば「きのこ」。さらに、きのこには自律神経が多く集まる”腸”を整える「食物繊維」も豊富に含まれています。食物繊維を摂ることで腸内環境や自律神経が整うだけでなく、腸での消化吸収もゆるやかになり、食後の血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。
血糖は、脳のエネルギー源として使われており、血糖値が急激に上がったり下がったりすると、エネルギー供給が不安定になり、眠気やイライラ、集中力低下につながることがあります。つまり、食物繊維は「脳に安定してエネルギーを供給する役割」を持っている重要な栄養素でもあるのです。
他にもきのこには、ストレスホルモンに働きかけてストレスや疲労の緩和を助けるオルニチンや、糖質の代謝を促して疲労回復をサポートするビタミンB1も豊富なため、心身の疲れを感じやすいこの時期にぴったりの食材なのです。
運動による血流改善・代謝アップも効果的!
また、五月病の対策としては、食事に加えて適度な運動を取り入れることも効果的です。この時期は、大型連休などの影響で生活リズムが崩れやすく、それが脳の疲労回復を妨げる要因にもなるため、運動によって血流を促すことも大切です。
ウォーキングなどの中等度運動は、脳への血流を増加させ、認知機能や気分の改善につながることが知られています。過ごしやすい日が続き、身体を動かすのに気持ちの良い季節ですので、1日20〜30分程度を目安に、軽い運動から始めてみるのはいかがでしょうか。
年代別!五月病対策のポイント
最後に、食事や運動に加えて年代別で気をつけたいことと対策法をご紹介します。
【子ども】
新学期が始まり、クラス替えや担任の先生の変更など環境変化が大きかった子どもたちは、無意識のうちにストレスが溜まっており、5月に入ってから疲れが出やすくなります。さらに、子どもは脳が発達段階にあるため、環境変化などの影響を受けやすく「集中力低下」や「イライラ」として現れやすいといわれています。バランスの良い食事で心身の調子を整えることに加えて、ストレスを発散するためにも、外で走る・ジャンプする・登るなど全身を使った運動を取り入れることも大切です。また、「毎日同じ時間に寝る」という習慣をつけることで体内リズムが整い、脳の回復力が高まる効果が期待できます。
【若年層】
スマートフォンやPCの使用時間が長くなる若年層は、脳の疲労が蓄積しやすい傾向にあり、さらに、新年度が重なるこの時期はストレスが増加したり生活リズムが乱れやすくなったりするため、中枢疲労が起こりやすくなります。特にデスクワークが主体の方は、足に血流が溜まってしまい全身の循環低下にもつながります。血液循環が低下すると疲労の蓄積につながってしまうため注意が必要です。通勤時に意識して歩いたり、1時間に1回は立ち上がったりするなど血流を良くするような工夫をとり入れていきましょう。さらに、就寝前のスマートフォンやタブレットの使用を控えることで脳の疲れをとることもできます。
【中年層】
仕事や家庭の負担が大きくなる中年層は、持続的なストレスと運動不足がセットになりやすい傾向にあります。ストレスが蓄積していたり運動不足が続いたりすると、血流低下により疲労が抜けにくくなり、さらに、この時期は気温・気圧変化の影響で自律神経への負担が増えるため、「朝からの重だるさ」や「意欲低下」が起こりやすくなります。そのため食事の工夫に加えて、ウォーキングやストレッチなど日々の生活ルーティーンとして運動を習慣化するように意識していきましょう。
【高齢者】
高年層はこの時期の環境変化は少ないものの、気温差による身体への負担が大きくなるため食事と休息を大切にしましょう。また、活動量が低下することにより脳への刺激も減少しやすく、それが気分の落ち込みや認知機能の低下にもつながってしまうため、改善するためには外出習慣をつけて活動量を増やすことが重要です。例えば、散歩ついでに立ち話をしたり、意識的に買い物に行ったりするなど、ほかの人と関わり会話をすることが脳への刺激になり、気分の落ち込みを減らすことができます。
新年度の疲れが表面化しやすいこの時期。元気に毎日を楽しむためには、十分な休息に加えて食事と運動を意識することが大切です。心身の疲労ケアに役立つ「きのこ」を食事にとり入れて、心身のバランスを整えながら初夏を健康で元気に過ごしていきましょう。
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