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CSR

CSR対談
社外取締役 弁護士 北村 晴男 × 代表取締役社長 水野 雅義社外取締役 弁護士 北村 晴男 × 代表取締役社長 水野 雅義


ホクトが消費者の皆様のためにできること、そして考えていくべきことに関して、
代表取締役社長の水野雅義と社外取締役の北村晴男による対談をお届けします。

食の安全安心は最低条件。
未来型思考の企業改革で社会に貢献していくこと

ホクト株式会社の目指すべき、企業活動とはどのようなものですか。

水野

私としては「きのこといったら、やはりホクトだ」と言っていただけるような商品を、将来に向けても積極的に作っていきたいと考えています。それは、利益追及のためだけに、きのこという商品を生産すればよいということではなく、消費者の皆様に、より価値のあるきのこをご提供すること、つまり「よりおいしい食べ方をお伝えする」「きのこの健康効果をお伝えする」など、さまざまな方法で、その魅力をより多くの方に伝え、きのこの価値を高めていくことが我々の使命だと考えています。

北村

私は以前、ホクトのきのこセンターを見学したときに、「なんて清潔な施設で栽培をしているんだ!?」と驚いたんです。しかも、そこで栽培されているきのこは洗わずにそのまま調理ができる。そんなことができるのかと。いま、消費者から見ると、あらゆる食品について「食の安全」というのは、信用を得づらい部分ですね。「これにはどういう添加物が入っている?」「これは本当にきれいになっている?」など、何を信用したらいいかわからないというのが消費者の心情ではないかと思います。そんな中で、工場で農作物を育てることへの将来性を感じましたよ。

水野

国内外で生産されている野菜や果実の農薬問題が取り上げられることがありますが、当社のきのこは100%工場生産。自社で研究開発した「種菌」からきのこになるまで一つひとつ育てている。ですから「食の安全」そして「おいしさ」に関して、自信をもってお届けすることができます。

北村

今まで私たちは、さまざまな野菜に対して農薬などの不安が少なからずありましたが、間違いのない清潔な環境で育てられ、洗わずに調理できるホクトのきのこを見ていると、将来的には工場内でさまざまな野菜栽培をすることができれば、消費者としての不安は一切なし、安全で良質なものを、ホクトから提供してもらえるのではないかと私は考えてしまいます。消費者にとって、食への不安がないというのは、大きなメリットですからね。

水野

なるほど。確かに、そのような考え方はできますね。
私としては、現在目指したいことは、きのこの種類の充実、そしてより高品質で美味しいきのこを食卓にお届けするというところにつきます。
昔よりも、きのこの年間消費量は増えてきました。かつては秋冬に食べるというイメージが強かったと思いますが、少しずつですけれども、春夏でも食べていただけるようになった。
消費者の方がきのこを選ぶときに「買うならやっぱりホクトのきのこだよね」と、言われるきのこをつくることに、研究活動も含め継続的に取り組んでいきたいと思うんです。そして、いまは5アイテムですが、それを6つに、7つにと充実させることで、「きのこといったらホクトだね」といわれるように、しっかりやっていかなくてはいけないと考えています。そのような「あるべき姿」に向かって、社員たちも前向きにやってくれています。

北村

さまざまな面で絶対的なおいしさがあり、信頼を得られる商品であれば、継続的にその需要が高まっていきますよね。いいものをつくるためには、もしかしたら原価も多少高いかもしれないけれども、100%安心できて、おいしい食材であれば、今後ますます価値が高まっていくのではないかと思っているんです。

水野

そうですね、そういった面では、国内だけではなく世界でもホクトのきのこが徐々に食べていただけるようになってきています。きのこは低カロリーで食物繊維も多く、身体にいいということが、だんだん浸透してきたんですね。
いま、海外に3つの工場がありますが、市場調査をする中で、別の国へ生産拠点を作るということもできたらいいなと思っています。ホクトのきのこを世界中の方に、もっともっと召し上がっていただきたいという気持ちでおります。

CSR対談


地域社会の中での取り組みには、どのような考えがありますか?

水野

ホクト50余年という歴史の中で、会社の知名度が上がるにつれ、企業としての責任は大きくなっていると感じます。ホクトもかつては、利益追求型の会社で地域社会への貢献に関してなど、ほとんど考えていなかった時期もあったと思います。しかし、今はそうではない。みなさまに知られるようになったということは、やはり地域社会に対して、特にきのこの生産拠点のある地域に対して貢献をしていかなくてはならないのかなと考えています。

北村

ホクトの本社がある長野県は昔から教育県と言われていて、学者なども多く輩出していますが、「全国的な企業」=成長企業が今まで例が非常に少なかったですよね。社外の目から見ていると、長野県の企業家もこれだけの事業ができるんだと、改めて考えさせられ、長野県の企業からするとホクトは一つの希望だと思いますよ。「自分たちでも、なにかやればできるんだ」何かそこで工夫して、創業して、成功することもできるんだと、それによって雇用を生んでいくこともできる。そのような面でも、実は社会に対して大きな貢献をしていると思います。

CSR対談

ガバナンスの強化を企業の成長の力に。
そして、社員が幸せに働ける会社であるために

いまホクトが継続的な企業活動を実現するために取り組むべきは何でしょうか。

北村

ホクトが今後も成長していくためには、企業そのものが誰から見ても「素晴らしい企業」であることが重要だと思っています。それにあたっては、やはり従業員が生き生きと働いて、仕事を通じて一人ひとりが社会に貢献することができる、という会社であることが一番重要ではないでしょうか。

水野

似たような考えが私もあって、ホクトの社是には「消費者の満足、取引先の満足、地域社会の満足、株主の満足、社員の満足」と、どれも大切な5つの満足を掲げているのですが、私は強いていえば、社員の満足が一番大切だと思っているんです。
社員が働きがいのある会社で仕事をすることで、良い風を起こし、取引先様の満足につながり、消費者の皆様の満足に繋がると思うんですよね。

北村

ええ、そうだと思います。ですから、社外役員としての私の使命のひとつには、従業員の皆さんがホクトは素晴らしい会社だと誇りをもっと持つことができるように、さまざまなアドバイスをさせていただくことだと考えています。
自分の子どもや孫にも、「ぜひホクトに就職しなさい」と、どの社員も胸を張って言うような、そういう会社にすることが、まず一番重要なことかなと思っています。

水野

社員がさまざまな面で満足することで、やっぱり良い仕事をしてもらえるのかなと考えますね。そういう面では、北村先生に、社外取締役で来ていただいた当初、私たちが「当たり前」と思っていた働き方や考え方についても、外部の目から見れば「これはおかしい」ということが多くあったと思うんです。それをご指摘いただき、正していく中で会社も変わってきているなと、近年は肌で感じています。

北村

私が大学時代の仲間と酒を飲んでいて、「ホクトの社外取締役をしている」と言ったら、「おまえみたいなやつが、社外取締役をしているということは、その会社はいい会社だ」と言われたんです。どういうことかというと、私のように言いたい放題言う者を普通は取締役にしないと(笑)。

水野

取締役会では、いつも厳しいお言葉をいただきますが、先生に来ていただいてから、業務も会議も「なぁなぁ」で進めることが極端に減ったと思います。会議資料一つとってもそうです。あらゆることに関しキチンと説明しなくてはいけないという土壌が生まれていると思うし、逆にいい加減なことをやったら突っ込まれる、「これは何のことかわかりません」と。

北村

過去に一度、取締役会を中座して資料を作りなおして、夕方からもう一度ということもありましたね。

水野

そうそう。確かに、資料再作成の必要があると思ったので、そうしたんですが、それが大きなきっかけとなって「まぁ、いいだろう」というのはその後からなくなった。この一件から社内でのガバナンスが、すごく効いたと思います。それを真摯に受け止めて、企業活動に生かすことができていると思うのです。その風土は役員だけでなく、社員全体へ広がっていますから。

北村

企業は「人」ですから、近い将来には優秀な人材が次から次へと入ってくる企業になっていくべきだと考えていて、そのためには、社員間は風通しが良く、やればやるほど評価され、やりがいもある……と社員全員が感じる企業を目指し、3年や5年と言った単位で会社の質自体を変えていくことが重要で、それを実践していくために、私も協力していけたらという思いは大きいんです。

水野

社員がこの会社に魅力を感じてくれるところから、企業活動全体が良い方向へ向かっていくことは、私にとっても理想的なこと。北村先生はじめ、さまざまな方のお力添えもいただくことで、それが遠い夢の話ではなく、近く実現可能なものとして、取り組んでいきたいと考えています。

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