人と菌の物語
人と菌の物語

歴史が育んだ、きのこの効果と人体の秘密
第7回 腸脳相関の神秘と心身の健康に寄り添うきのこ

アイキャッチ

腸を整えることでストレスから解放される

その腸内細菌の中の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれるのが、きのこに多く含まれる食物繊維です。

食物繊維は、数千から数万の糖が結合してできていることから多糖類とも呼ばれ、ヒトの消化酵素では分解されないため、腸まで届いて腸の蠕(ぜん)動運動を促し、腸内を刺激して便通を促進します。

また腸内環境は、ヒトの意思とは無関係に身体の機能を調整する自律神経である交感神経と副交感神経にも関わってくると言われています。交感神経は緊張している時や興奮している時、ストレスを感じている時に優位になり、副交感神経は、リラックスしている時に優位になります。

腸内環境が整うと消化が促進され、身体がリラックスし、副交感神経が優位になる。つまり、腸が整うことで自律神経のバランスが整うと考えられるのです。

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さらに、きのこにはγ(ガンマ)―アミノ酪酸のGABA(ギャバ)も豊富に含まれています。この物質はノルアドレナリンやドーパミンといった興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑え、副交感神経を優位にすることでリラックス状態へ導くもの。イライラや神経のたかぶりを抑え、深い睡眠がとれたり、免疫力の低下を防ぐなどの効果も期待されます。

どんな料理でも美味しくするだけでなく、腸内細菌を活発にすることで脳や心にも好影響を及ぼすきのこは、ヒトの健やかな暮らしにいつも寄り添っているのです。

監修:川村郁子(かわむら いくこ)
福岡県出身。管理栄養士、Ikofood代表。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。病院の管理栄養士として臨床栄養に携わったのち、独立後は“食育子”として栄養専門学校講師やラジオパーソナリティ、コラム連載、お料理教室や食育セミナーなどを開催。幅広く活動している。
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