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2月の特集テーマ
カカオとバレンタインチョコレートの話。

果実から作られる、“奇跡”のような贈り物「チョコレート」

2018.02.12

日本でただ一人のカカオハンターとして世界で活躍する小方さんは、一年のほとんどを味も香りも素晴らしい“べっぴんさん”のカカオを求めて産地を巡り続け、そのカカオから作られたチョコレートは世界的な賞を受賞するなど、味わいも高く評価されています。チョコレートの原料であるカカオは、熱帯で作られるフルーツ。そこから180度姿を変えてできるチョコレートは、多くの人の想いと技術で作り上げられる、まるで奇跡のようなスイーツです。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、身体の中からキレイに健康になるためのデトックスについてご紹介していますが、「トレンドコラム」では、大切な人に贈りたいチョコレートの味わいの魅力や食べ合わせ、健康効果について教えていただきました。

日本でただ一人のカカオハンターとして世界で活躍する小方さんは、一年のほとんどを味も香りも素晴らしい“べっぴんさん”のカカオを求めて産地を巡り続け、そのカカオから作られたチョコレートは世界的な賞を受賞するなど、味わいも高く評価されています。チョコレートの原料であるカカオは、熱帯で作られるフルーツ。そこから180度姿を変えてできるチョコレートは、多くの人の想いと技術で作り上げられる、まるで奇跡のようなスイーツです。今週の「きのこで菌活。」コラムでは、身体の中からキレイに健康になるためのデトックスについてご紹介していますが、「トレンドコラム」では、大切な人に贈りたいチョコレートの味わいの魅力や食べ合わせ、健康効果について教えていただきました。

教えてくれたひと
小方 真弓(Ogata Mayumi)
カカオ・チョコレートの世界で21年。2010年より南米コロンビアに活動拠点を移す。カカオの発掘、カカオ豆品質向上、生産指導、生産農家の発展などに勤め、カカオ市場の価値向上に取り組む。

“べっぴんさん”のカカオを求めて

「カカオは熱帯のフルーツ。その果実の『種』から作られるチョコレートは、たくさんの化学変化を経ておいしい香りを有するようになります。そのこと自体をご存じない方も多いですよね。コロンビア国内でのカカオ豆の品質改良は2011年から実施してきました。道路もないような山奥の農園などにカカオを見に行くと、今まで出会ったことのないようなポテンシャルの高いカカオに出会うことがあります。ポテンシャルとは、もっとおいしいチョコレートになる要素のことですね。産地での発酵や乾燥の技術が伴わないために、カカオ豆のポテンシャルが引き出されていなかった、なんていうことはよくあることなんです」

カカオの生産国は、発展途上の土地が多く、高品質のカカオを探して、さまざまな土地へ行くと、その土地の実情が手に取るようにしてわかると小方さん。

「まさに百聞は一見に如かずで、生産者の生活にも直面します。それを見ていると、カカオの買取価格を向上させなくてはいけないとか、おいしいカカオだったとしても、生産量も確保できなくては、お金にならないから、どうするのがいいか、など生産者のことを考えてあげなくてはいけないなと思うんです」

生産者との信頼関係を築くためには、自分本位では絶対にダメと話す小方さん。
カカオの何がそんなに彼女を掻き立てるのでしょうか。

「カカオハンターは、なくてもいい仕事だと思うんです。でも、私は好きだからやっている。カカオのことが大好きですし、高品質で味も香りもいい“べっぴんさん”のカカオに出会ったときには、本当にうれしい。さらに、その中には磨けば磨いただけ光る、ポテンシャルが非常に高いカカオが時折いるんです。一つひとつのカカオには歴史があり、そこには生産する人のロマンがたくさん詰まっている。だから、私はカカオハントを続けています」

美味しいチョコレートを世界へ。そして、生産者の生活に安定を。カカオハンター小方さんの活動に終りが来ることはないのです。

チョコレートで感動する、という体験を皆様へ。

小方さんの作るチョコレートは、カカオの選定から発酵、乾燥、チョコレート作りに至るまですべてをプロデュースし、コロンビアで生産しています。2016年のインターナショナル・チョコレート・アワードでは最優秀賞(アメリカ、アジア&太平洋大会)、金賞(世界大会)を受賞されるなど、数々の賞を受賞されていることからも、その実力の高さを知ることができます。

「カカオハンターのチョコレートは、単に『食べておいしい』だけではありません。食べたときの発見や喜び、『へぇ~』という感動をぜひ皆さんにも知ってほしいと思っています。私自身がカカオの世界を知って人生が変わったように、お客様にも、カカオの魅力をもっともっと知ってほしい。そのために、食べ物や飲み物とのペアリングは、とっても有効な発見の手段ですね」

昨年の秋に小方さんが実施した、中国茶とのペアリングでは、長年チョコレート業界に身を置く小方さんも知らなかった、新しい発見があったのだそう。

「合わせるものが変わると、チョコレートの見え方も変わります。チョコレートには、コーヒーやヨーロッパの紅茶が定番と考えている方も非常に多いと思いますが、実は中国茶もすごくよく合うことがわかったんです」
中国産の紅茶の一つである金芽滇紅は、フルーティーなフレーバーのするチョコレートとの相性が非常に良かったり、カカオハンターのARAUCA 70%には、発酵が深い黒茶がすごくよく合うのだそう。ミルクチョコレートには台湾紅茶が、カカオ100%などの男性的で力強いチョコレートに緑茶が合うという発見には、特に小方さんも驚いたのだそう。

「やっぱり、いろいろ試してみるといいですよね。新たな発見がそこにはあり、知らなかったチョコレートの魅力に出会うことができるのですから」

今年は、健康志向をテーマにしたチョコレートも出回るなど、高カカオのチョコレートが話題になっていますが、その健康効果についてもお伺いしました。

「カカオには血管拡張作用があるので、寒い時期の冷え性にもいいと考えられています」

そう、心も体もあたたまるのがチョコレート。この冬は、カカオやその産地にこだわったチョコレートを楽しんでみませんか。南の国でとれたフルーツが、こうして一粒のチョコレートとなり大切な人への贈り物になる。その奇跡を楽しめるような、素敵なバレンタインデーをお過ごしください。

【今週更新!きのこで菌活。】

おいしくて、健康にも効果的なチョコレート。身体のために栄養のある食べ物をとることは大切ですが、栄養の入り口は腸です。春に向けて、しっかり栄養をとれるように腸内のデトックスを始めましょう。

今週の「きのこで菌活。」を読む ▶︎

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