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きのこで菌活。

きのこは健康と美容の両方から身体にうれしいスーパーフード!

菌活1

新たな目標を胸に新年を迎えた方も多いかと思いますが、充実した毎日は健康な身体があってこそ。体調が万全でなければ、仕事にもプライベートにも全力を注ぐことはできません。今週のトレンドコラムでは、世界から注目を集める“旨み”の食文化「日本食」についてお届けしていますが、「きのこで菌活。」コラムでは、健康と美容の両方から身体に働きかける「きのこで菌活」を習慣化させるメリットをしっかりとおさらいしていきましょう。

 

—————— 教えてくれたひと ——————

管理栄養士 望月理恵子<

望月理恵子(管理栄養士)

クリニックでの栄養カウンセリングや大学・専門学校の講師、コラム執筆やヨガ教室の開催、レシピ開発など多岐に渡って活動中。得意ジャンルはアンチエイジング、メタボ、ダイエット、美容、食育など。健康検定を実施する株式会社Luceの代表も務める。

 

その身体の不調、腸内環境の改善で治せるかも!?

—— 編集部:新しい年が始まりました! 今年も1年元気に過ごせるよう、改めて「きのこで菌活」のポイントを教えていただけますか?

—— 望 月:きのこがもたらしてくれる健康や美容の効果はいろいろありますが、中でも注目したいのが「整腸作用」ですね。“身体の健康状態の8割を腸が司っている”と言われるぐらい腸は大事な場所なので、食物繊維を多く含むきのこを食べることは健康への第一歩です。

—— 編集部:え!? 健康状態の8割に腸が関与しているんですか? それはつまり“腸が健康であれば、大半の身体の不調は解消できる”ということでしょうか?

—— 望 月:そう言われていますね。それぐらい「腸をいい状態に保っておきましょう」ということです。

—— 編集部:食物繊維には、腸内にある老廃物を絡め取って排出してくれる働きがあるんですよね?

—— 望 月:それだけではありませんよ。食物繊維は善玉菌のエサでもあるので“善玉菌が活性化されて腸内環境が良好になる”というメリットもあります。

—— 編集部:まさに相乗効果ですね!

—— 望 月:腸内がきれいであるということは、栄養分を効率的に吸収できるということ。善玉菌と悪玉菌のバランスがいい状態でもありますから、“必要なものは吸収されて、不要なものは排泄する”という仕組みが円滑になるんです。整腸はダイエットにも効果的ですし、美肌にもつながっていきますから、健康と美容どちらの観点からも腸内環境を整えるメリットは大きいといえます。

—— 編集部:整腸に効果的な食物繊維ですが、免疫力を上げてくれる働きもあると以前お伺いしました。

—— 望 月:はい。腸は免疫機能の約8割を担っているので、その腸を整えることで免疫力アップが期待できます。食物繊維の仲間であるβグルカンは、“免疫力アップといえばβグルカン!”といわれるぐらい、免疫力アップに特に効果的といわれています。ほかにも、きのこにはエネルギー代謝を促進するビタミンB群が豊富に含まれているのですが、このビタミンB群の働きによっても免疫力の底上げが図れます。

—— 編集部:代謝が促進されると、免疫力も上がるということですか?

—— 望 月:そうなんです。代謝が円滑になるということは臓器をいい状態で動かしてくれるということなので、身体全体の機能が高まります

—— 編集部:なるほど! 免疫力が上がれば風邪やインフルエンザなどにもかかりにくくなりますし、日々の健康のためにも積極的にきのこを食べるようにしたいですね。

—— 望 月:日常的な病気だけでなく、免疫力アップはガンなどの大病の予防にもつながっていきますので、日々「きのこで菌活」を心がけていきましょう!

—— 編集部:ほかにも、「きのこで菌活」に取り組むメリットはありますか?

—— 望 月:今お話ししたビタミンB群のひとつビタミンB1の働きでいうと、疲労回復も期待できます。ビタミンB1には、主に炭水化物の代謝を助けてエネルギー産生をする働きがあるのですが、筋肉疲労時にたまる乳酸の燃焼にも関与するため「疲労回復ビタミン」とも呼ばれているんですよ。

—— 編集部:ビタミンB1というと、豚肉に多く含まれているイメージがありますね。

—— 望 月:おっしゃるとおり、豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれていますので、きのこのソテーなどを添えてあげると、ビタミンB群との相乗効果で一層の疲労回復効果が期待できます。

 

育ち盛りのお子さんや妊活中の女性にも、きのこがおすすめ!

育ち盛りのお子さんや妊活中の女性にも、きのこがおすすめ
—— 望 月:菌活をするメリットはまだまだありますよ!きのこに多く含まれるビタミンDの働きによって、骨粗しょう症の予防対策をすることもできるんです。

—— 編集部:骨の健康というと、まっさきに思い浮かぶのはカルシウムですよね?

—— 望 月:はい。カルシウムは骨の健康に欠かせない栄養素なんですが、実はカルシウムそのものは吸収率が低く、意識的に摂取をしても身体になかなか吸収されていかないんです。その吸収をサポートしてくれるのが、きのこに豊富に含まれるビタミンD。たとえば、牛乳やヨーグルトのようにカルシウムの吸収率のいい食材とビタミンDの多いきのこを組み合わせてあげると、効率よくカルシウムを摂取することができますよ。

—— 編集部:カルシウムとビタミンDを同じタイミングで摂取するということですか?

—— 望 月:そうです。たとえば、「きのこグラタン」「きのこシチュー」であれば、乳製品ときのこを一緒に食べることができますよね。

—— 編集部:なるほど。きのこには骨を丈夫にする働きもあるんですね!

—— 望 月:“ビタミンDといえばきのこ!”と言うぐらい、きのこにはビタミンDが多く含まれているのですが、ビタミンDというのは、本来紫外線を浴びることで身体の中で自然に作られていく栄養素でもあるんです。

—— 編集部:そうなんですか!? でも、紫外線って……日焼けが気になりますよね?

—— 望 月:はい。最近は紫外線を気にしすぎてお子さんを日光浴させない、というお母さんもいらっしゃいますが、本当は、1日15分ぐらいはお日様の光を浴びた方がいいんですよ。骨の成長期であるお子さんは特に。

—— 編集部:骨の成長期にカルシウムの摂取が必要なことは分かりましたが、骨格が形成された大人になってからもカルシウム摂取の効果はあるのでしょうか?

—— 望 月:骨量がピークを迎える20歳までの間にカルシウムとその吸収を助けるビタミンDを積極的に摂ることが望ましいのですが、最近の研究データでは、“年配になってからも積極的にカルシウムを摂った方がいい”ことが分かってきました。というのも、人間の身体は20歳以降、どんどん骨量が下がっていくんですね。年をとってからも積極的にカルシウムやビタミンDを摂取することで、骨量が下がるペースが落ち、骨の健康を長く保つことができるのです。

—— 編集部:紫外線対策への意識の高まりから体内で作られるビタミンDの量が少なくなってきている現代人こそ、積極的にきのこを食べて栄養補給をする必要がありますね。

—— 望 月:はい。ほかにも、きのこには妊娠初期の胎児の成長に欠かせない葉酸という栄養素が多く含まれているので、妊娠を希望されている女性の方にはぜひ食べていただきたいですね。

—— 編集部:妊婦さんに葉酸がいいという話は聞いたことがあります。

—— 望 月:葉酸には細胞を作る働きがあるので、受精卵の細胞分裂の手助けをしてくれるんですよ。

—— 編集部:健康な赤ちゃんを産むために葉酸は欠かせない栄養素だということですか?

—— 望 月:はい。葉酸は妊娠してから3週間以内に摂った方がいいと言われているので、妊娠希望をされている女性は日ごろから積極的に摂取するようにしてください。葉酸は水溶性のビタミンB群の一種なので、きのこから摂る場合はきのこ汁のような汁物でとるのがいいでしょう。

—— 編集部:それにしても、きのこのパワーはすごいですね!食べると身体にいいことがたくさんあることが改めて分かりました。

—— 望 月:そうなんです。きのこは、食物繊維をはじめ葉酸を含めたビタミンB群、ビタミンDなどをたっぷり含む栄養満点のスーパーフード。「きのこで菌活」を心がけることで、健康的で美しい身体を手に入れることができますよ。まずは、食物繊維をたっぷり含むきのこやごぼうを使った料理で、腸をきれいにするとこから始めていきましょう!

 

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